クエスト3 魔法との出会い
そんな退屈な日々を送っていたルーザックは、一冊の本と出会う。
それは、オールゥイン・エドラー著「魔法のすすめ」だった。読書が、決して好きではなかったルーザックでも、サクサクと読めた。内容は、小児向けの魔法入門書のようなものである。
この本に出会った事で、ルーザックにある程度の魔法の知識がつくようになる。「魔法のすすめ」には、巻末に「ディラ」の呪文が使えるようになる、呪文契約魔方陣がついており、物は試しだとまずは試して見ろという作者の意図が見てとれる。ルーザックは、初めて覚えた「ディラ」を実際に使ってみた。
確かにあの光、あの炎が手から出てくる感触は、今迄に経験したことのないものであった。と同時に、この本で初めて呪文を覚えた人間は、10人いれば10人が、更なる強力な呪文を求めて、その欲求を抑えられなくなるという。
世界には、100個以上の呪文が存在すると言われている。その数は、右肩上がりに増加しており、増える事はあっても、減る事はないと言われている。
呪文を使える人種は、限られている。勇者、僧侶、魔法使い、賢者。だけである。ルーザックが目指すのは、呪文使いの最高位大魔導士であった。
まずは、レベルアップして、悟りの書を手に入れて、賢者になる必要がある。一体、自分には、どれだけの呪文を身に付けられルのか、そこに彼の興味は向かっていた。
とは言え、ルーザックは、「ディラ」しか使えない村の少年である。世間的に認められたステップを踏んでこそ、大魔導士に近付く。ハッキリ言って彼は駆け出しの魔法使いと言えた。
学校を辞めて、何のしがらみも無くなったとは言え、10才のルーザックには、何をどうすれば良いのか?分かっていなかった。まずは情報を集めよう。自分の足で稼いだ情報は、きっと自分を裏切らない。コルティス村という狭い範囲ではあったが、まずはここから始める必要があった。
小さな村ではあったが、経験豊富なベテランや頼れる兄貴的な人も沢山いた。小さな村ではあるが、そこに住む人間は必ず何か手がかりとなる情報を持っている。ルーザックはそう信じていた。




