クエスト27 補助系呪文
回復系呪文をマスターした、ルーザックの次の課題は補助系呪文である。
一流の魔法使いと言うと、攻撃系呪文でガンガン押すイメージが強いが、真の呪文マスターを名乗るのならば、補助系呪文もマスターしておかねばならない。
補助系呪文とは、味方のパワーをあげたり、敵を弱体化させる呪文の事である。例えば、敵の魔法を使えなくさせるジュモトーンや、パーティー全体の守備力を上げるジュクルトや、敵のブレス系攻撃からのダメージを軽減させるファラーラなど、呪文のレパートリーは多彩である。
グドルフは、ルーザックに対してほぼ全ての補助系呪文の契約を済ませた。後はルーザックがそれを使いこなす自己鍛錬をすれば良かった。
補助系呪文の場合は、出来るだけ呪文の効果を長続きさせる事が一つのポイントであり、さらには、詠唱スピードも重要になって来る。攻撃系や回復系につい目が行きがちであるが、実は呪文の総数に占める補助系呪文の割合は最も多い。
パーティーの能力を引き出す為には、この補助系呪文の役割が重要になって来る。
「ルーザックよ。強力な攻撃呪文を操るだけが、魔法使いではない。多種多様なレパートリーの補助系呪文を侮っていると、思いもよらぬ所で、つまづいてしまう恐れがある。心して修得する様に。」
グドルフは、将来的にルーザックが勇者のパーティーに加わることを仮定して、教育を施していた。ほぼ完全な形で、役に立つプレイヤーになるためには、こうした小さな事であっても、ピックアップして、強化していく事が肝要である。
ルーザックは、あまり補助系呪文の重要性を信じてはいなかったが、後に勇者のパーティーに加わり、実戦を重ねていく上で、補助系呪文の重要性に気付く事になる。もちろん、それはもう少し先の話であるが。
ルーザック自身、本当は補助系呪文よりも、強力な攻撃系呪文を沢山身に付けた方がよいと、思っていたが、多くの駆け出し魔法使いが、そういった志向をすることを、グドルフは知っていた。
だからこそ、攻撃系呪文の前に、早い段階で補助系呪文をマスターさせようとした訳である。ルーザックも、その教育方針に理解を示していた。




