クエスト23 弟子入り
「よく来たな。ルーザック。私が君を選んだのは、君の目だ。君の瞳に一目惚れしてな。」
そう言って、グドルフ・オリスタイガーはルーザックを出迎えた。
「有り難き事と存じ上げます。不束者ではございますが、よろしくお願いいたします。」
「堅苦しい挨拶は抜きだ。さぁ、君の部屋に案内しよう。」
ルーザックは、大きな一軒家を丸々一つ与えられた。流石は、大賢者グドルフ・オリスタイガー財力も半端ない。
荷物の整理が一通り終わると、毎日のスケジュールと、この先1カ月の行動予定表が、配られ説明された。どうやら自分は、徹底的に管理され、効率の良い時間配分で、グドルフ・オリスタイガーの後継者に相応しい教育を受ける様だ。
ルーザックは思った。自由時間などとてもてばないが、確保出来ないと。ルーザックには、グドルフの秘書を勤めるイノカイという男が、サポートとして、つくことになった。イノカイは良く出来た人物で、ルーザックは、この男にこれからよく世話になる事になる。
イノカイは、何故グドルフが、今になって後継者を求めていたのかについて、こう述べている。
「まだ到着後間もない、ルーザック様にお聞かせするのは忍びない気はするのですが、何故、グドルフ・オリスタイガーという世間的に認められた魔法使いが、後継者を求めるに至ったのかを知る事は、重要な事だと判断した為、こうしてお話させて頂いている次第であります。グドルフ様は御結婚なされておりません。その為、ご子息様も存在致しません。まず、血を分けたご子息様がいないというのが、第一の理由。もう一つは、グドルフ様自身が御高齢であるという事です。残された少ない時間を、自分と、同レベルの大魔導士に、若い人間に成長してもらいたい。自分の全てを託し受け継いで貰いたい。そういう気持ちもありました。グドルフ様は、以上の理由から、後継者を世界中から探す事にしたのです。」
イノカイはよく喋る男であった。聞いてもいない事まで、ペラペラと喋る為、そんな事まで喋るのかと、ルーザックが心配するくらいだったが、不思議と悪い気持ちにはならなかった。
沈黙されるよりは、余程イノカイのリズミカルな話ぶりは、緊張していたルーザックをリラックスさせる事が、出来ていた。
「さぁ、明日からは厳しい修練が、待っています。夕食後は直ぐにお休みください。」
「ああ、分かった。イノカイ、これから宜しくな!」
「はい、こちらこそ!」




