クエスト21 猛反対を説き伏せて
実はルーザックが、グドルフ・オリスタイガーの元へ旅立つ事を、アルテミーラに打ち明けた時最初のうちは、ずっとアルテミーラは反対していた。
しかも、ただの反対ではなく猛反対していた。理由はイージーな事だった。せっかく使える召し使いを失いたくなかったから、その一心だった。
「絶対やめといた方が良いって!良い事ないよ。」
「もう決めたんです。まだ結果は出ていませんが。きっと僕は選ばれると思います。直観がそう述べています。アルテミーラさんには、御世話になりましたが、僕としては、これ以上貴方の元にいる理由がありません。グドルフ・オリスタイガーというレジェンドの元で、学ぶ方が、自分をより成長させてくれる。そんな気がするんです。」
「世の中そんなに上手くはいかないぞ。」
「たとえ選ばれなくても、もう18歳ですから年齢制限には、引っ掛かりません。新たな世界で、新天地で、自分の実力を伸ばしたいのです。」
「ここに残って、平凡に暮らす選択肢もあるぞ。」
「そういう人生もありなのかもしれませんが、僕は安易な平穏を選びたくないのですよ。」
「意思は固い様だな。よく分かった。好きにしな。」
アルテミーラは、ルーザックの固い意思についに折れた。本当は、もっとこき使いたかった。しかしながら、教える呪文も尽きてしまったアルテミーラに、ルーザックをこれ以上足止めさせる口実はない。
アルテミーラとしても、自分のこき使いたいという、意思を強制させることは出来ず、契約が、終了している以上、ルーザックを手放す他の選択肢はなかった。
いつの間にか、アルテミーラにとって、ルーザックは生活の一部となっていた。ルーザックとしても、これ以上ここにいると、抜け出す事が、出来なくなってしまう恐れがあった為、ベストな時期に離れる口実としては、最強のものであった。
アルテミーラの猛反対を説き伏せたのは、ルーザックの強固な信念であった。人は同じ場所にいても、先に進む事など到底出来ないのである。




