クエスト15 学ぶべき事
アルテミーラとの生活は、ルーザックに対して楽な道など無いという事を嫌という程教わった。
アルテミーラは、きちんと10個の魔法を教えてくれるというから、従っていた。学ぶというよりは、そんな生ぬるいものではなかったのかもしれない。
しかしながら、アルテミーラの召し使いは大変だった。とにかく何でも屋で受けた依頼のほとんどの雑務をさせられたからである。魔法契約料を支払っていない(実際はぼったくりのような金額)からと、律儀に奴隷のように働かされた。
あくまで、ルーザックはこれも、修行の一貫だと考えていた。experienceになるわけではないが、人間として成長する為に、必要な試練だったのかもしれない。
ただのガキから青年になって行く過程で、このような経験をしている青少年は少ないだろう。それでもルーザックは、弱音一つすら吐かなかった。自分が何をしなければならないという事を理解し、受け入れていたからこそ成せる賜物であった。
「おい、あんまりこんつめすぎるなよ?倒れられても困るからな。」
「大丈夫です。これも修行の一貫ですから。平気です。」
「見上げた根性だな。大したもんだよ本当に。」
「ここで面倒を見てもらって、感謝しているのはこっちの方ですから。」
アルテミーラは、それなりの配慮をするようになった。こき使うというよりは、仕事をルーザックに任せるというような感じになった。
ルーザックは、アルテミーラを本当に尊敬していたが、彼の真の実力だけは、懐疑的だった。魔法の契約すらしてくれるものの、どれも初歩的なものばかりで、この程度なら、コルティス村のワロザキ神父と対して変わらなかった。
それでも、ルーザックは文句を決して言わなかった。アルテミーラが、エルギノティオ城下町で、街の人のほとんどがNo.1魔アルテミーラ法使いであることは、この目と耳で確認した。
きっと本当の実力をまだ見ていないだけなのだろう。アルテミーラが、戦っている所を見た訳ではないから、本当の彼の実力は、ルーザックには分かるはずもないのだが、一度くらいどの程度のものかを知りたいと思っていた。
そんなことを思いつつ、月日は流れ、ルーザックも成長して、魔法を10個以上使いこなせる青年になっていた。




