クエスト131 死闘②
大魔王バルガスとの膠着状態はかなりの長時間続いた。永遠とも思える位の、本当に長い長いものであった。その均衡を崩したのは、ピルティンの一言だった。
「おい、ルーザック?"例のアレ"使ってみたらどうだ?」
「バダンティクロスの事か?しかし、この魔法は、持っている魔法力全て使う。かなりギャンブルだぞ。」
「どう考えてもディナデインではバルガスは死なないだろう。」
「しかし、それに加えてバダンティクロスは詠唱時間がかかる。」
「そんな事は分かってる。時間は、必ず俺達が作る。」
「ルーザック?俺達を誰だと思ってるんだ?」
「泣く子も黙るピルティン一家よ。(笑)」
「みんな…。よし!分かった。しかし、バダンティクロスを使った後は、間違いなく俺の魔法力はスッカラカンになってしまう。フォローよろしく。」
「このままじゃ、負ける。引き分けでも、負けに等しい。」
ルーザックは、実戦で使うのは2回目だ。バダンティクロスの使用は、はっきり言って成功するかしないか分からない。しかし、座して死を待つ敗北よりも、少しでも可能性のある方向にかける。それが、ピルティンの判断であった。いちかばちかとはこの事を言うのかもしれない。
「絶対決める。」
ルーザックは無我夢中で、バダンティクロスの発動のため準備を開始していた。
「おい、ルーザック!後、5分が限界だ。それ以上は持ちこたえられん。」
「構わん。もう準備は出来た。いつでも行けるぜ‼」
「頼む…。ルーザック!一撃で決めてくれ!」
祈りと願いがルーザックの手元のマジカル・ロブコスに魔法力が集まる。高まった魔法力は頂点に達し、ついに暴発していく。
「最終奥義バダンティクロス!!!」
ルーザックは、己の全ての魔法力を用いて、最強魔法のトリガーを引いた。バルガスは強大な魔法を前に、初めて言葉を発した。
「人間ごときが、何故この様な強力な魔法を?くそ!?」
ルーザックの全魔法力を開始した奥義は、見事に成功した。バルガスはもう2度と立ち上がる事は、ない。勝った‼そう、俺達は大魔王バルガスに勝ったのだ。もう、魔王軍に脅えて生活する必要もない。ついにピルティン達は、やり遂げた。




