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村一番のアホが大賢者に弟子入りして伝説のダンジョンで修練して腕あげて魔王を倒しちゃう大魔導士の話  作者: 佐久間五十六


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クエスト129 尽くそう

 越えられない壁はないはずである。今までにやって来た事を信じて尽くせば、結果は出る。

 大魔王バルガスは思ったより小柄だった。しかし、ビーストも見かけによらずとはこのことだろう。その体から発せられる強力な攻撃の数々に、ピルティン達は四苦八苦していた。まさかここまでの実力があるとは…。思っても見なかった。

 しかし、負けてばかりもいられない。ピルティン達は、それぞれに与えられた役割をベースに自分の出来る範囲内でこなした。大きなダメージを与える事は出来ないかもしれないが、小さなダメージをコツコツと積み重ねる事は出来る。

 大魔王バルガスの強力な攻撃をダメージ0にする事は不可能だが、策を講じればダメージを減少させる事は出来る。そういった小さな努力の積み重ねが、今求められている。

 耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、ただひたすら耐えて耐えて大魔王バルガスを討ち果たすその時まで、同じ事をやり続ける。勇者の仕事も、戦士の仕事も、武道家の仕事も、大魔導士の仕事も同じだ。

 それぞれが、今何をしなくてはならないのか?そして、何を目的にして、何を達成させようとしているのか?それが明確になっていれば、戦いは半分勝ったも同じ事だった。

 しかし、戦いの序盤で、ピルティン達は、こうした余裕のある思考をする事が出来ずにいた。目の前の任務にばかり追われ、大局的観点から戦略的に物事を考えるという、視点が欠けていたからだ。目の前の事すら満足に出来ていないのならば、未来が上手に描ける訳もない。と、言う人もいるだろう。

 しかしながら、そうではない。理想の未来図があるからこそ、描ける今と言うことも存在する。そんなモノは、理想論に過ぎないと、一笑に伏されてしまうかも分からない。

 だが、大切なのは、自分にとっての自分の目標が、何を目指すものであるか、きちんと理解して行動する事が、大切なのではなかろうか。相手が誰であろうと、自分のスタイルを貫き通す。

 そのひたむきに激しく目標に向かって行く力強さこそ、今のピルティン達には必要だったのである。

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