クエスト128 全力を
「良いか?悔いの無いようベストを尽くそう。」
「当たり前田のクラッカーや。ガンガン行ったるで。」
「何も残せない位どでかいの見舞ってやるわ。」
「泣いても笑っても、これが最後だからな。よし!」
これは、今までの戦いの集大成を見せる時でも、ある。振り返れば、これまでの長い戦いはこの日の為の前哨戦だった。全ては、バルガスとの一戦の為に引かれた伏線だったのかもしれない。そんな事を考えている余裕は無いが、しかし、事実はその通りだった。
最早、ピルティン達がこれと言って出来る事も無い。努力でどうにかなる局面など、とうの昔に過ぎ去ってしまっているのだ。
だが、全力を尽くそうと心に誓う事は出来る。それに加えて、どんな相手にも、節約して戦って来たこれまでの戦いとは大きく異なる。持てる全ての力を結集して、今持てるパワーをフル火力でぶつける事がきっと、勝利に繋がる。ルーザックは、そう思っていた。
「全力でぶつかるって言う経験はこれまで、はっきり言って無かったのかもしれない。パーティー全体として、大魔王バルガスと当たるまでは、温存して行くべし!という考え方で統一されていた事は確かだ。しかし、今は違う。後に控える裏は存在しない。大魔王バルガスを倒す事だけに集中出来る。幸か不幸か俺達は、体調万全で臨める一戦になった。失う物は何もない。ベストを尽くそうじゃないか!」
想いが強い方が勝利する。それはきっとピルティン達が、長きに渡る旅の中で導き出した一つの答えなのかもしれない。全力を尽くす事の大切さ。そして、目標を達成する為の意思を保つ方法。不可能を可能にする具体的なプロセス。そのどれをとっても、ピルティン達は、100以上の答えを用意している。
決して、一朝一夕で手に入れる事が出来た訳ではない。長きに渡る旅と戦いの中で、手にした貴重な経験則は、今その花を咲かせようとしていた。
「さぁ、行こう!その先にたとえ極楽が待っていなくても、俺達にしか出来ないこの試練を、越えて踏み出そう。新たなる未来の為に。」
今ここに、勇者一行と大魔王バルガスとの壮絶なる戦いが幕を明けるのであった。




