クエスト127 死ぬ気で
どんな強敵であったとしても、死ぬ気で全力を尽くす。それがピルティン達にとって最良の行動であった。
たとえ叶わなくても、自分達が死ぬ気でやれば、何とかなる。そういう気持ちで、大魔王バルガスとの一戦(最終決戦)に臨もうとしていた。
相手は百戦錬磨の大魔王である。負けて当たり前。勝てるなど甘い考えはハナから捨てた方が良いのかもしれない。しかし、死ぬ気で挑めば万が一にも勝てるかもしれない。逆に死ぬ気でぶつからなければ、勝負以前の問題である。相手にすらならないかもしれない。ルーザックはこう語る。
「相手だって死ぬ気でかかって来る。自分(大魔王バルガス)が、長きに渡り築きあげて来た楽園をそう簡単に手放す訳にはいかないだろう。そして、何より大魔王バルガスには、世界最強は自分だというPRIDEがある。付け入る隙があるとすれば、そういった慢心という心の隙をつくしか無いのかもしれない。」
大前提として、大魔王バルガスに勝てるという前提で話をしているが、そもそも大魔王バルガスの真の実力を知る者は人間界にはいない。
相手の事を知りもせず、勝った負けたの議論を進める事は正しい事ではない。寧ろ、正確な情報が無い中で、そういった誤った判断をする事は避けるべきである。
精神論的に根性を見せれば勝てると断言するのも避けたい所だ。きちんと、相手の戦力を分析した上で、何をどうすれば勝てるのか理論的裏付けをとるべきである。そういった作業が完了して初めて、勝てそうなのか、負けるかもしれないかという事が分かる。
希望的観測でつい見てしまいそうになるのは人間の生まれ持った性である。どうあっても、自分サイドが有利になる判断をしがちである。しかし、それでは冷静かつ正確な情報判断とは、言えないであろう。
誤った情報判断をして損をしてしまうのは、他の誰でもない自分達である。時として、それが大きく勝敗を左右してしまう事もある。その時が一番怖い。あくまでこれは、戦う前の情報戦の話をしている訳で、どれだけ正確な情報を仕入れたかによって、どんな戦いが展開出来るのかという事も変わって来る。
戦う前から既にギラついた勝負は始まっている。その事を一番よく知っているのは、ピルティン達であろう。




