クエスト125 大魔導士の石
それはロイヤルキングとの戦いの後だった。
「おい、ルーザックとか言ったな?忘れ物だ。」
「忘れ物?それが死に損ないの台詞とは思えんが?」
「いいから黙って受け取れ。ワシからの餞別だ。」
「これは?」
「大魔導士の石っちゅう代物だ。」
「効果は?」
「パーティー全員のSP(体力)を70~80%一気に回復するという代物だ。大魔王バルガスに勝つには、チマチマ回復してる暇は無いからな。魔法の使えない、戦士や武道家に持たせると良いだろう。」
「何回でも使えるのか?」
「多分な。」
「多分て。お前の宝じゃねーのかよ?」
「何せ、デビルロイヤルができて以来ここまで来たのは、お前さん方が初めてだからな。バルガス様より頂いた宝だが、使う事は無かった。」
「ありがとうな。」
「くそ喰らえ!だな。」
「あんまりワシと長く喋ってると、仲間が心配するぞ。」
「臨終にある奴が他人の心配するなんて、魔王軍の中にも骨のある奴がいたって事は、覚えとくよ。」
「へっ!くそ喰らえ!だぜ。じゃあワシは一足先に地獄で待ってるぞ。せいぜいバルガス様にやられて、地獄に来い。」
「バカ野郎。正義のヒーローがなんで、地獄にいかにゃあならんのだ。」
「それもそうだな。(笑)」
「サンキュ。助かる。じゃあ、そろそろくたばりな。」
敵に塩を贈るこの行為は、ロイヤルキングの独断だった。これから死を待つ運命の男にとっては、最早自分の首を撃ち取った相手が、どこまでの強さなのかを見極めたい。いや、自分でも勝てなかった奴が、他の誰かに敗れるのは、プライドにふれるだけだったのかもしれない。
「おい、ルーザック?何こそこそやってんだよ?大したことじゃねぇなら、さっさと先行くぞ!」
「ああ、すまん。すまん。ちょっとロイヤルキングのオッサンと大事な約束をしてたんだ。今行く‼」
「早くしろよ!つーかロイヤルキングとの約束事って何だよ?後で教えろよ。」
「大したことじゃねぇ。ピルティン行くぞ‼」
「お、おう。そう言うならルーザックを信じるよ。」




