クエスト12 センス
魔法のセンスというものは、魔法使いには必要な要素であろう。呪文を唱えられる回数の高さ、呪文ポイント(GP)、賢さ、呪文の詠唱スピード、どの項目を見てもセンスの有り無しでは、その差が歴然としてくる。
魔法のセンスは、生まれ持った能力であり、後から鍛え上げるのは難しい。ルーザックは、センスに関しては、ハイポテンシャルなモノを持っていると言えた。
まだまだ沢山の呪文を覚える必要はあったが、それなりに光るモノを持っていた。しかしながら、必ずしもセンスのある人間が、全て優秀な呪文使いになれる訳ではないのが、この世の中の面白い所である。
世の中に名を轟かせるような魔法使いが、必ずしもは、ハイセンスで、ハイポテンシャルな人間とは言えない。ハイセンスである事は、重要な要素であるが、決定事項ではない。そんなものは、己の努力次第で何とでもなる。
魔法使いだけに限らず、どんな職業においても、努力をして成長して行くモノであるという大原則は変わらない。磨いて光るモノではないのがセンスだが、センスが無い事を理由に一流になれない事を諦める必要はない。
普段の瞑想やコンセントレーション(集中力)を怠らず高めて行けば、必ず立派な魔法使いになれる事は言うまでもない。大切な事は、魔法使いとして何を目指すかである。ハイセンス、ハイクォリティな魔法使いであっても、目的がなければそれはきっと宙ぶらりんになってしまう。
自分のやるべき事は何であるかを理解した上で、その目的に実力がマッチした時に、人間の持つ驚くべき力を知る事になる。
呪文はセンスで唱えるモノではない。己の発する呪文の影響力がどの程度かを知り、とのような効果やダメージを残すのか、知っておく事は必要であろう。
自分の発する呪文の影響力を考えずに、呪文を乱発するのは避けたい。高いセンスを持ちながら成功出来ない魔法使いはザラにいる。
己のセンスの高さに胡座をかき、何も努力しなければ、その先にはそれなりの未来しか待っていない。
ルーザックには、そこまで考えが及ばなかったが、努力を怠れば二流、三流の魔法使いで終わってしまう事を知っていた。そのくらいの事は、誰に言われるまでもなく、ルーザックには分かっていた。




