クエスト11 村の英雄
コルティス村には、小さい規模ながら"英雄"
と呼ばれる人間がいた。
もう500年以上前の事であるが、当時コルティス村には戦士が一人しかいなかった。もっぱら村の防衛は、エルギノティオ城の守備範囲であり、たった一人の戦士は伝令役として、有事の際には真っ先に戦うのではなく、エルギノティオ城に連絡するのが彼の役目であった。
その伝令役の戦士の名をオルムテランと言った。簡単に言うと、オルムテランは伝令を別の人間に行かせ、敵勢力が来るのを足止めするため、5000人もの軍勢を相手に一人だけで、エルギノティオ軍が援軍に来るまで足止めした。
事前に用意していたtrapを駆使してオルムテランは、5000人の軍勢の足止めに成功したが、エルギノティオ軍が来た瞬間、敵の矢によって絶命した。
エルギノティオ軍は、その後敵勢力を制圧し、何とかコルティス村領内の平和を守った。
その事実を知ったコルティス村の人々は、オルムテランを村を救ってくれた英雄だとして、石像化し、後世まで語りついだ。"オルムテランの奇跡"とも呼ばれたこの一連の戦いであったが、それを可能にしたのは周到な町を守るtrapを事前に用意していた事で、それが出来た。
オルムテランは、自分以外に闘える戦力がコルティス村には無い事を知っていた。だから、影武者として、伝令役を他の者にまかせ、オルムテランは、村の防衛にあたった。援軍が来れば後はどうにでもなる。
援軍が来れば、オルムテランの勝ちである。鍛えられた兵隊が沢山エルギノティオ城にはいる事を知っていたオルムテランは、ならず者5000人が来るのは、想定内であった。
オルムテランは元々、エルギノティオ城で中堅幹部として、長年勤務していたのであるが、人事を司る兵隊長と折り合いが悪く、コルティス村に左遷されてしまう。そんなオルムテランであったが、コルティス村の人々からは信頼されていた。人柄が温かいという事も、あったが何よりも、村人の為に全力を尽くして接してくれる背中を村人達は見ていた。
オルムテランは、ただ任務をこなしていただけと言ったが、そんな事はない。死しても尚オルムテランは村人から英雄として、奉られる姿が、それを証明している。と、いう話をルーザックは学校の授業で習った。




