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村一番のアホが大賢者に弟子入りして伝説のダンジョンで修練して腕あげて魔王を倒しちゃう大魔導士の話  作者: 佐久間五十六


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115/132

クエスト115 開放

 囚われの人々は氷山の一角に過ぎなかった。その後、デビルロイヤルの中には1万人近い人間が収容されていたからである。

 ピルティン達は、見つけ出した囚人をエアルーガ王国へと輸送し、1万人の囚人全てを開放する事に成功する。その中で大車輪の活躍を見せたのが、ルーザックであった。

 ドゥーラ(瞬間移動魔法)を使えるのは、ピルティンとルーザックしかいない。だが、ピルティンは、リーダーとして救出の音頭をとらなければならない。そうなると、囚人の輸送はルーザック任せになってしまう。ルーザックは、与えられた役割を嫌な顔1つせずにこなした。

 1度に数百人輸送する事もザラであったが、ドゥーラの複合呪文ドルドゥーラを編み出しさらに多い数千人近い囚人の輸送が可能になった。1万人全ての輸送が終わる頃には、流石のルーザックもヘトヘト魔法力0だった。

 「ルーザック、よくやったぞ!今日はルーザックの魔法力の回復するまで休もう。」

 「見張りは俺とスーゲルが交代でやるよ。」

 「ええ。構わないわ。今日はルーザックに任せっきりだったから。」

 「皆、ありがとう。」

 思いやりの気持ちは、いつどんな時も大切である。デビルロイヤルという敵の総本山の中にあっても、休息がとれる。仲間を思いやる心がなければ、それは難しい。

 囚人の開放に使った魔法力をリカバーするために、今は休む時であった。

 マルゲラが見張りをしていた時の事だった。何かの気配を感じたマルゲラは、戦士のアクスを構えた。

 「そこにいるのは誰だ?」

 すると小さい声で、

 「私は鬼面導士のブラウスと申す。怪しい者ではない。」

 と言った。

 「安心しろ。ワシはそなたらの味方じゃ。それに有力な情報も持って来た。」

 「有力な情報だと?」

 「大魔王バルガスの弱点を知っておいて損はないはずだ。」

 「立ち話も何だ。こっちへこいブラウス。つーか、お前ビーストじゃねぇの?」

 何故か、このブラウスという鬼面導士が、嘘をついてるようには見えなかった。それだけではなく、彼が何の目的を持って近付いて来たのも、うすうす分かっていた。だからこそ、スムーズにブラウスを招き入れる事が出来たのだろう。いずれにしても、勇者の一行に力を貸すビーストというのも、滑稽なモノだ。

 「ワシは根っからのビーストですが大魔王バルガスの出現より前に生まれたビーストなんじゃ。常日頃から、大魔王バルガスのやり方には何かと不満でな。反バルガスは意外に多いぞ、マルゲラ。」

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