クエスト110 デビルロイヤルへ
メラガディア共和国考古学研究グループで、世界的権威であるルーサポ・フィンゲイツ博士によると、デビルロイヤルは世界の中心であるエアールガ王国の北北西30㎞の孤島にあるロイヤル島に在るという。
人気もなく、深い闇に覆われているこの島を探す事は、その存在を知っている者にしか出来ないと言われている。その位分かりにくいステルス性能の在る地理的要因が特徴の島だ。
フィンゲイツ博士によると、デビルロイヤルに仮に潜入出来たとしても、その内部を攻略し、敵将のバルガスの元へ辿り着ける可能性は、極めて低いという。それは、ピルティン達が弱いから話にならないだろう、という事ではない。
大魔王バルガスは、幾重にも重ねられた重厚なトラップと、配下の強力なビーストを配置しているという。要するに、デビルロイヤルは難攻不落の拠点である事を博士は、言いたいのである。
それが分かっていても潜入すると言うのなら、フィンゲイツ博士はピルティン達を止めなかった。そうまでしてリスクを背負うのならと、博士は、ピルティン達に「これを持って行け。」と餞別をくれた。博士曰くデビルロイヤルに入るには必ず必要なモノらしい。
「ピルティンとか言ったな。この紋章がそなたらの道を切り開いてくれるだろう。」
「これは、まさか…‼」
それは、ガリクソンの紋章と呼ばれる物だった。その昔勇者トトの血をひくガリクソン・トト・アナレオルドが初めてデビルロイヤルに挑戦しようとした時に、強力なデビルロイヤルの結界をこじ開ける為に開発した対結界用兵器である。
「お主もトトの血をひくのだろう?ピルティン。」
「なぜそれを?」
「お主の装備している剣は、トトの血をひく者にしか扱えないトトの剣で間違いない。博士とは名ばかりではないぞ。」
ガリクソンの紋章があれば、強力な結界で守られたデビルロイヤルに何の不自由もなく、入る事が出来る。場所が分かり、潜入方法も見つかった。これでやっとスタートラインに立てた。
だが、勝算は薄いとフィンゲイツ博士は言う。
「お主らの様な勇敢な若者がいると、世界に示すだけでも意味はある。やがてお主達の意思を受け継ぐ者も現れるかもしれん。仮に全滅しても案ずるな。その時は、ワシが責任を持ってそなたらの意思を全世界に発信する。思い切ってぶつかって来い‼」
「あの~。俺達負ける前提で話されてますけど、俺達の実力なら90%以上の確率で、大魔王バルガスを倒せますから。」
「言うね~。君名は?」
「賢者、いや魔導士ルーザックです。」
「期待しているよ。」
ピルティン達がこれから死闘を繰り広げ、何とか勝利する為には、こうした権威の意見も無駄には出来なかった。




