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ダンディなおじ様ゲットです。

 おかしいな?

 男祭りのはずが、おじ様オンステージになっちゃった。



 只今、ホムンクルス部屋の前で体育座りをしています。

 中ではシアンが私の代わりに、残りの男連中の身支度をしているはず。


「やっぱり、他のみんなも最初は無表情なのかしら?」


 人と変わらぬホムンクルスだからこそ、無表情が怖く感じるんだよね。つまり、良く出来ているって事だよね? ……あうっ!?


御主人様マスター。全員準備がととのいました……あッ! 申し訳ございません。大丈夫ですか?」


 シアンが扉を開けたせいで、前方にコロコロと転がってしまった私。

 まぁ、ジャージを着ていたから問題は無いんだけど。タイミングが悪かった。丁度、腰を上げた瞬間だったからね。

 扉の真ん前は、止めておけば良かった。と、反省してみる。


「大丈夫。大丈夫。転がっただけだから。ケガひとつ無いよ。皆の準備はOK?」

「はい。既に終わっておりますよ」


 今日はいつものなんちゃってジャージでは無く、おニューのジャージセットです。アズキ色に白のライン入り。

 しかも下には体操着を着ています。上は白をベースに襟首と袖口がアズキ色で縁取りされていて、下は古き懐かしの昭和ブルマーですよ。……私も初めて見たよ。パっと見はアズキ色のパンツ?

 誰だ? 『なんちゃって高校生』とかいうヤツは? 今は十四歳です! と、無駄に言い張ってみたりして。




「じゃあ、皆の名付けをしますか」


 勇気を出して部屋に入る。

 ぶっちゃけ、顔の整ったイケメンの無表情が怖い私。だって、上から目線で怒っている様に見えるんだもん。


「ハジメマシテ、マスター。コレカラマスターノ、オチカラニナレルコトヲ、ウレシクオモイマス」


 執事タイプが頭を下げると、他の三名も同様に頭を下げてくれた。……けど、やっぱり少し怖いから、シアンの後ろから声を掛けるヘタレな私。

 最初は女の子だけにしておくべきだった? 


「えっと……貴方達を作ったリアと言います。マスターは恥ずかしいので、リアと呼んで下さい」

「私もですか?」

「……出来れば。駄目かな?」

「分かりました。ではこれからはリア様とお呼びしますね」

 

 御主人様マスター呼びに関しては、シアンと会話をした時からこそばゆくて。つい、我慢出来ずに言ってしまった。

 取り敢えず、早く名付けをしてしまおう。農夫×2名はマタギ風と髭面メタボにしたから、無表情はマジで怖い。

 カモン表情筋。


「最初は執事から始めるから、こっちに来てくれるかな?」

「リョウカイシマシタ」


 今度は作業台の側に椅子を置いてから始めます。私は同じ失敗は……たまにしかしないよ。多分。

 執事タイプは初老のおじ様。胡麻塩ヘアに執事服。そして蝶ネクタイをしています。

 そう! 蝶ネクタイですよ! だったらコレを付けねばッ! と、『声変換ボイスチェンジャー』を付けました。ネクタイに手を当てて、魔力を通すと声が変わりますよ。


「貴方の名前はセバスです。執事として、このやかたを中心に色々やってもらうけど良いかな?」

「セバス……アリガタクイタダキマス」


 はい。来ましたよ~。魔力がどんどん抜けていきますよ~ッ。

 流石さすが、執事。魔力の抜け方がパネェよ。ポーションの蓋を開けておいても、持ち上げられなければ意味がねぇ。


「リア様。お口を開けて下さいませ」

「はふぁ?」


 頭部を支えられて、後ろに倒された私の後頭部には、弾力性のある柔らかい物が……これはッ!?

 一般男性の大半が一度は夢見る、おっぱい枕? 皆さん。おっぱい枕ですよ! おっぱい枕! 凄いッ! 頭がジャストフィットしてるよ。


「そのまま、お口を開けておいて下さいませ。リア様」


 そんな事を言われる迄もなく、馬鹿面ばかづらを口を開けたままでさらしていますよ。

 そんな私の口元にシアンが、ポーションを持って来てくれました。マジ有難ありがたい。どんどんと魔力が回復していきますよ。



「ありがとうシアン。もう大丈夫」

「はい。無理は為さらないで下さいませ」

「大丈夫ですか、お嬢様?」


 黄色のポーションを開けながら、シアンにお礼を言うと、耳元にダンディな低音が。

 横を向くと……優しげな顔を少しだけ歪めながら、私を心配しているダンディなおじ様。

 はい! ダンディなイケメンおじ様ゲットです!

 やっぱり表情筋は凄いよ。これなら怖くない。寧ろ、心配顔さえも御褒美ですよ! ゴチですッ!

 ……ん?


「……お嬢様?」

「はい。先程、お嬢様が『御主人様マスター』呼びを禁止いたしましたので。ですが、私奴わたくしめの立場といたしましては、名前呼びははばかれると存じます。ですから、お嬢様と呼ばせて戴きたく存じますが、御理解戴けますでしょうか」


 わぉ! 真面目さんだ。

 しかし、お嬢様かぁ……うへへ。照れちゃうなぁ。でも、緊張しちゃうよ。でも、微妙に敬語が変だよ。言語変換のミスかな?


「えっと、普段は普通に話して欲しいかなぁ。もし、お客様が来る様な時や、島の人達以外に会うときは敬語で良いから……駄目かなぁ?」

「はい。承けたま……判りました。では、お嬢様呼びはこのままで、普段は自分流で話たいと思います」


 良かったぁ。むやみやたらに持ち上げられると、緊張して右手と右足が一緒に出そうになるからね。所詮しょせん、私は一般人。

 後は『必殺! 上目遣いでうるうる』が効いたのかな?


「有り難う。セバスには色々と、相談に乗ってもらう事も有るから。自分のスキルとかは把握出来ているよね?」

「はい、お嬢様。魔法に関しては、基本と生活の初級魔法を中心に、別途に風と土を中級で戴きました。他にも執事として必要なスキル等も戴き感謝しています」


 セバスには他にも色々入れちゃったから、後でこっそりパネルの記録もチェックしておかないとな……。

 何が出来るか分からないと、後日失敗しそうだし。




 さて、次は農夫×2ですよ!

 この怖いお顔を笑顔にしなきゃ。



 無表情の人って、何を考えているか判らないから苦手です。


 敬語がおかしいのは、私のせいです。

 解っているので、ツッコミは受け付けませんよ~♪


 ところで、何時になったら残業の日々とオサラバ出来るのかな私は?


 イミフ系の残業なら、続きを書けるから嬉しいけど、残業時に書くとテンションのおかしい話になるのは何故かしら?


 次は農夫組です。


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