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ゆめのうち
「むっちゃん、祐斗君」
颯介が名前を呼ぶと、ぐらっと揺れた。大きな地震でも来たのかと思う程だったが、ゆさっと揺れただけだった。それに、テーブルの上の物は何も動いていない。
何が起きたのかと考えていると、再び揺れた。今度は、さっきとは反対側から揺れがきたような感じだった。物は揺れずに、やはり颯介だけが揺れた。
「2人とも…何してるの?」
ちんっとまた微かに聞こえた。今度こそ、むつが日本刀の鯉口を切る音だとはっきり分かった。そして、微かに声も聞こえてくる。何を言っているのか、全く分からないがむつと祐斗の他にも誰か居るような感じだった。
「おーい‼…っう」
急に腹が押されたような衝撃が襲ってきた。それも棒のような物で、つつかれた時のような痛みだった。
「何が…どうなってるんだ?」




