よっつのこわい
「そういや…いちにぃは篠田さんと仲良いみたいだぞ。この前のこさめの事も沼井の事も篠田さんから聞いてたみたいだったぞ。篠田さんは俺らが兄弟なのも俺といちにぃが兄弟なのも知らないらしいな」
「えーっそうなの?ま、兄弟なのは知られなくて良いんじゃないかな?先輩も知らないんだし」
「あ、そうなのか?」
冬四郎はふぅんと言いながら、少し西原が可哀想な気もした。篠田には、これから先も知られたくはないな、と苦々しく思っていた。
「ふっ…くしゅっ」
寒いのかむつはくしゃみをして、上着の袖を引っ張っている。 冬四郎が窓を閉めようとしたが、むつは開けといてと言った。
「風邪だな。看病してやっても良いぞ?」
「なら、お願いしようかなぁ」
少し偉そうに言ってみると、意外とむつが素直に頷いている。冬四郎はかなり驚いた。
信号で止まると、身をひねってむつの額に手をあててみた。かなり熱が高いようだ。冬四郎は後部座席から上着を引っ張ると、むつの膝にかけた。
「着くまで寝てていいぞ?」
「大丈夫。しろーちゃん1人で運転つまんなくない?」
ふんっと冬四郎は鼻を鳴らした。ゆっくり下道を通って、寄り道しながら帰るのも良いかと思っていたが、冬四郎は高速道路を使おうと、ハンドルを切った。
「あーぁ。寄り道なし?」
「お前、そんな体調で何言ってんだよ。明日は仕事だろ?」
「…休み」




