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よっつのこわい
冬四郎の3人の兄たちは、嬉しそうな顔をするむつを見て、微笑んでいた。ドアを開けてくれた2番目の兄が、人差し指を口にあて、続けて父親の方を指差した。父親から話があるから静かに、というジェスチャーだ。
「冬四郎もむつも昨日はずいぶん遅くまで起きてたみたいだな?あの雷雨の中、こそこそと出掛けたりして。何してたんだ?」
やっぱりそう来たか、と冬四郎は思った。ここは適当に、コンビニとかって誤魔化すべきか正直に言うかで悩んでいた。
「玉奥の家に行ってました」
冬四郎は、ぎょっとしてむつを見た。兄たちも、父親もむつをじっと見ている。
「何も隠れて、天気の悪い、ましてや夜中に出なくても良かったんじゃないか?むつ、本当は何をしに出て、家に行ったんだい?」
本当の事を言うべきかむつが悩むように、視線をさ迷わせている。冬四郎は助け船を出そうかと思ったが、冬四郎は黙っておく事にした。
「にいに、あの…昨日の天気おかしいと思わなかった?」
むつは急に話題を反らすかのように、2番目の兄に話しかけた。
「ん?あぁ。そうだね…この辺にだけ何時間も雷雨が続いて、1度流れて行った雲がまた逆戻りしてきたからな」
こくんっと頷いたむつは、しっかりと父親の方を見た。意外と強い眼差しをしているな、と冬四郎は暢気に思っていた。




