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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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ちぇんじんぐ

むつもゆっくりと目を開けた。すると、こさめが西原を突き飛ばし、むつに抱き着いた。


「むつっ‼良かったぁ‼」


「はぁーこさめさん…戻ったよ。何か頭がぐんぐわんしてて気持ち悪いけど」


額を押さえながら、むつはよろよろと立ち上がった。むつが立ち上がると同時に、祐斗も冬四郎の手を借りてゆっくり立ち上がった。


「良かった良かった。じゃ、俺はこの辺で…って、あら?」


そそくさと、逃げようとする化け狸の襟を京井がしっかりと掴んで放さない。


「説明して貰いましょうか?チェンジリングは持ち主が外せば、相手のも外れる物だったはずですよね?」


「それに、最初にここに来た時はいなかったのに何でそんなすぐに急に現れたんだ?」


西原は、突き飛ばされた時に尻でも打ったのか痛そうに擦っている。


「説明も何も…そういう作りなんでしょうねぇ。お互いが戻りたいと願ってこその物なんですよ、はい」


「じゃぁ、急に現れた理由は?」


「急にじゃなくて夜はいっつも居るんだけどねぇ。この説明は難しいねぇ…そう、お嬢ちゃんたちも普通とは少し違うから、妖たちだけが使う道に知らず知らず踏み込んでたから、昨日はここに来たんでしょうねぇ。道は決まってるんで、突然来ても俺が居なくて当然…で、良いかねぇ?お嬢ちゃんは何か心当たりあるんじゃないかねぇ?」


話をふられたむつは、少し驚いたような顔をした。そして、少し首を傾げながら笑った。


「ま、何となくね。遥和さん放してあげて、狸さん足がちょっと地面から浮いちゃってるよ」


京井がぱっと手を放すと化け狸は、そそくさと荷物をまとめ始めた。


「いつも居るから、またおいでねぇ」


そう言い残し、まとめた荷物を抱えると走って居なくなった。その姿は、あっという間に見えなくなった。



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