ちぇんじんぐ
先ず9人は、ぞろぞろとよろず屋の前に着いた。
「昨日、どこをどう通った?3人で再現しながら歩いてくれるか?」
冬四郎に言われ、祐斗、むつ、颯介は頷いた。そして、昨日と同じようにむつを真ん中にして歩き出した。3人が歩き出すと、残りの6人は少し間を開けてついていった。
特に会話もなく、ぞろぞとと歩いていく様は何となく異様だった。
3人は商店街を抜け路地に入っていく。また曲がり、また曲がった。人混みのない方、ない方へと向かっていく。
祐斗は何かに気付いたのか、一瞬足を止めそうになった。少し辺りを見渡す素振りを見せただけで、何も言わずに鶏いちまで歩いた。
赤提灯のぶら下がっている、鶏いちの前に着いた。するお冬四郎と西原、篠田は暖簾をくぐって店内に入っていった。
「こんばんは」
「いらっしゃーい…?と、いつぞやの…たまちゃんのお連れさん…とみんな?」
威勢の良い戸井の声は、だんだんと小さくなり疑問系になっていった。ぞろぞろと大勢が入ってきて、驚いているようだった。
「覚えててくださったんですね。ありがとうございます」
冬四郎が柔和な笑みを浮かべた。
「はい。何人か見た事ない方もいらっしゃるようですが…」
戸井は京井とこさめに目を向け、人の良さそうな笑みを浮かべると、ぺこっと会釈した。
「何か…どうしたんですか?とりあえず奥まで入ってドア閉めて貰えますか?虫が入ってくると困るんで」
最後尾に居た颯介は中まで入り、からからと引き戸を閉めた。




