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ちぇんじんぐ
京井を加えた9人は、ぞろぞろと昨夜むつが指輪を買ったであろう場所に来ていた。
「この辺か?」
「うん…うん?」
祐斗はいつの間にか、西原の隣を歩いていた。今は京井の隣の方が、分かる事が多そうなのに、気が付けば西原の隣に居た。それを不思議に思いつつ、祐斗はむつ(祐斗)の方を見た。むつ(祐斗)は冬四郎の隣に居た。
「これは…身体が覚えてる癖ってやつ?だとしたら、祐斗はかなり先輩になついてるんだね」
首を傾げながら、祐斗は京井の隣に移動した。京井は何かを探すかのように、きょろきょろしている。
「その指輪からはもう売った人の匂いはしませんね…匂いが残ってれば見付けられるかと思ったんですが」
こさめも篠田から離れて、祐斗の指輪をふんふんと鼻を鳴らして嗅いでいる。
「無理そうね…何か他に思い出せる事ってないの?」
「無い。本当にたまたまこの道を通って、見掛けただけだから」
冬四郎、西原、篠田は流石警察とでも言うべきか、颯介から場所を聞き出しその辺り一帯をくまなく見ている。




