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ちぇんじんぐ
言いにくいのか、二人は顔を見合わせている。
「え、そんなに臭う?ごめん」
「あ、いやいやそうじゃなくて。こさめさんはどう思いましたか?」
「そうねー秋の山みたいな?」
「やっぱり。わたしもそう思ってたんですよ。秋の山の少し寒くなってきた頃のような、けど暖かい感じなんですよね」
「そうそう‼落ち葉と土の香り」
妖、二人が盛り上がりつつある所で祐斗は複雑そうな顔をしていた。
「誉められてるわけじゃないのは分かったよ」
「いやいや、むぅちゃん。その説明が難しいですね…その、安心感と寂しさの混じった感じの香りなんですよ。妙に落ち着くというか…とにかく、むぅちゃんのイメージは秋の夕暮れなんですよ」
京井が慌てて言うと、祐斗はますます不信そうな目を向けた。
「とにかく、とにかくですよ。匂いは変えられないって事ですよ。肉体が違ったとしても」
「その匂いはどこからするものなの?」
再び、京井とこさめは顔を見合わせた。




