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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

お茶を飲みながら、むつは京井に簡単に事の次第を話した。京井はむつの隣に座り、ふんふんと相槌を打っている。


「成る程…そうでしたか。倉庫にある子たちは元は物であり、長年の人の念で妖となったものですからね。よくない感情から生成された子も居るでしょうから、空気が澱むのも当然ですね。それにつられて、小鬼たちが来るのも仕方ありませんよ」


「そっか…やっぱり定期的に空気を綺麗にしてあげないといけないよね?」


「そうですね。ですが、そう…簡単に出来る事でもないと思いますから、普通に空気の入れ換えでもいいと思いますよ?空気が澱むのは、流れないからっていうのもありますし」


「倉庫には窓がないの」


「換気扇もありませんか?」


「ない…空気清浄機でもいい?」


「…空気が流れないよりはましでしょうから…いいんじゃないでしょうか」


むつがちらっと山上を見ると、ほれみろというような顔をしていた。だが、むつはそれを無視した。京井が空気清浄機でもいいと言うのであれば、信用できる。


「おいおい、考えたらいいと思いますよ。倉庫の物を出して、窓を開けての掃除でもだいぶ空気は変わりますから」


「…そうする。とりあえず急場しのぎでもいいから、小鬼を寄せ付けないようにしないと。買い物してくるよ」


「何が必要か分かりますか?」


「うん、鰯と柊と炒り豆」


「そういうのは分かってるんですね。買いに行かずとも、ご用意してありますよ」


京井は、むつに渡していなかった紙袋から、タッパーと柊の小枝を取り出した。


「…山上さんからご連絡頂いて、こちらに来ましたが、むぅちゃんの家にも行くつもりでしたよ?本当に。むぅちゃんの所に、よくないのが近寄っては困りますから。こちらは、むぅちゃんがお家でやってくださいね」


そう言って京井は別に選り分けてある、小さなタッパーと柊の小枝をむつの前に置いた。むつは嬉しそうに笑うと、ちゃんとやると約束をした。


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