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よろず屋-その日常-  作者: 幹藤 あさ
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みなうちに

すると、むつはにやりと笑った。それに気付いた山上だったが、手を引っ込めるよりもむつの方が早かった、ぱちんっとむつは、山上の手のひらを叩くと素早く京井の背中に隠れた。


「タッチ交代っ‼分かってるなら、社長が始末をつけたらいい‼たまには、仕事の出来るかっこいい所を見せてっ‼あたしは巻き寿司食べて待ってる‼」


「おいおいおいっ‼お前なぁ‼」


「遥和さん急いでない?お茶いれるね」


叫んでいる山上を無視して、むつは紙袋を机に置くと、そそくさとキッチンに引っ込んだ。押し付けられたと分かった山上は、じっと手のひらを見てから冬四郎と西原を見た。だが、むつがしたように2人にタッチ交代と言えるわけがない。試しに京井に向かって、ハイタッチするかのように手を上げて見せたが、笑って流されただけだった。


「…まぁ気付いた人が片付けたらいいんじゃないですか?」


「そうですよ。たまには山上さんも仕事らしい事しないと…身体が鈍りますよ?」


冬四郎と西原にそう言われて、山上は手を上げたまま、がっくりとうなだれた。キッチンの方からは、緑茶の香りが漂ってきている。お盆に湯飲みを乗せたむつがやってきて、山上を無視してソファーに向かっていった。

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