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異世界旅客鉃道就労録  作者: こめひこ
ライハト地方編
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26/37

st.25 準備

「そういえば、マシンはどうなったんだ?運ぶ手段とか、色々あるだろ。」


「今朝やっと準備ができたところだよ!設計とか諸々大変だったんだからね!!はいこれ領収書。」


 0が1、2、3、4...8!?


「270万ダル...」


「全額耳揃えて払ってね!あ、支払いは工場の方に...。」


「ヴィルス・マッケンジー名義で請求書を書き直してくれ。中央に送るから。」


「わかった。そう伝えとくよ。」


「あー、アスマの方はどうだ?ちゃんと動かせるようになったか?」


「そりゃあ、な。訓練マシンをやりこんでマスターしてやったぜ!!でもマシンの方はひどい乗り心地でよ...。」


「そんなにひどい乗り心地なのかね?」


「試してみる?」


ーーーーーー

 数分後

ーーーーーー


 パシュー!


「ど、どうだった?」


「おええっ!!」


「わあっ!!」


ーーーーー


「その練習マシンの良さときたら、ゲーゲー吐いちゃうくらい気持ちいんだなぁ。」


「そんなに悪いんですか!?」


「天にも昇るような気持ちで地獄行き。」


「え〜...」


「ほら、着いたよ。ここにマシンもキャリアカーも待機させてある。」


 連れてこられたのは車両基地。後でここからシゴナナで引っ張り出すつもりだ。


「こいつだ!!」


 キャリアカーについて記録しておこうと思う。20m級2車体連結式車両で、単車はそれぞれ10m。1端車には油圧ジャッキ式上昇台座を搭載。上昇台座下部に通路を設置し、前後に行き来できるようにしている。

 2端車には工具類を備えた作業場、指揮座席、倉庫を搭載、マシンと連携をとるほか、緊急の修理にも対応できるようにしているらしい。伝声管、固定式電話はもちろん設置済み。


「こりゃ考えたなぁ!!」


「す、すげぇ...」


「でしょでしょ!?んで今度は...」


 ボタンを押すとジャッキが動き出し、マシンの翼が展開された。


「これで空気による浮力で走行中の車両から離脱する!」


「フ、フフ...」


「ん?」


「「癖ダァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」」


「ちょ!あんま騒がないでよ!!」


「こいつぁいいや!とんでもねぇもん作ってくれたなぁおい!」


「このロボットが上がる感じ!!すんげぇ好みだよ!!いいねぇ男のロマンだねぇ!!」


「そこまでいってくれると嬉しい...けど、お礼ならこの車両基地の人たちに言って。5日で仕上げてくれたんだから。」


「そりゃそうか!よし!そうと決まれば早速運び出す!が、あー、編成どうしような...」


「機関車、キャリアカー、代家車、車掌車って感じで...」


「あ、そうそう!人数多くなった分代家車も2両連結することになったから!」


「なんかすごい規模が大きくなってきたな...」


「まあでも代家車2両にするだけでさっきの編成で行けそうですね。」


「じゃあ繋げていきますか!」


 駅に戻って客車を切り離す。今回キャリアカーを代家車より前方に連結するため、既存の代家車も切り離していく。ロクミヨ側に基地があるのでバックして向かい、ついたらそのまま連結した。


「これ、いいなぁ。」


「確かに。真後ろにロボットですもんね!ぐへへ...」


「なんかパトレイバーを思い出したなぁ。」


「確かに、ジャッキアップとかドーファンとか、パトレイバーの用語ですもんね。」


 キャリアかーと代家車を引き連れて元の位置まで戻る。そのまま連結して今回の作業は終了だ。


「ささ!引越しだ!男は前で女は後ろ。別車両で分けていいよな?」


「っしゃぁぁ!!!!」


 佐伯が勝利の雄叫びを上げた。


「と、り、あ、え、ず...何コソコソやってるお前ら?」


「いやーバレちゃったかー!!」


「シ、シバさん!?と...工場で手伝ってくれた人たち!?」


「アーティーちゃんだけじゃあ整備も満足にできないでしょう!俺たちがついてって色々手伝うよ。」


「って適当な理由つけて。私のマシンいじりたいだけでしょ...。」


「まあまあ!一応C57-182整備班!ここに誕生であります!」


「おいおいてめぇら、住むとこはどうすんだよ。1台しか寝台は空いてねぇぞ?」


「その点は大丈夫!キャリアカーの至る所にベッドを設置しました!!」


 この世界の住人は、本当に好き勝手にことを進めるな...。


「とうわけでこれから頼みますよ隊長!」


「た、隊長?俺が?なんで!?」


「いやー、このC57-182で一番偉いのは八坂さんでしょ?だから隊長!」


「あーもう!よくわからん...。」


 この世界に来てから、魔法とか魔物じゃなくて人間で一番苦労してる気がする。


「なぁなぁ聞いたか?」


 ホームにいた乗客達が話している。


「また21番地で土木用のヘラクレスが暴れてるってよ。」


「またぁ!?で、どっちが対応してるの。」


「第2小隊だってよ。」


「またそっちかよ!!ほんっと落ちこぼれの方ばかり回してくるなよなぁ...」


 なんか面白そうな話だな...


「小川町ぃ。アスマァ。お前ら、何人だ!!」


「「日本人であります!!」」


「日本人特有の根性といえば!!」


「「野次馬根性!!」」


「行くぞオメェらぁ!!!」


「「やぁぁぁ!!!」」


「ちょっと!仕事は!?」


「あとは車掌の仕事のみ!!出発までには帰るから安心しろ!!」


 そのまま駅を飛び出して、21番地へ向かう。案内はアスマに頼んだ。


「21番地ってぇとこの辺なんだけど...」


 その瞬間、いきなり民家が崩れ落ち、白と黒のマシンが倒れ込んできた!


「おわぁぁぁ!大迫力!!」


『「停まれ!停まらんと発砲するぞ!!」』


「あれは警察用バトルマシン!通称イングラム!どこかで聞いた名前だが気にするな!!」


 マシンの足元には警察用と見られる車があり、搭乗者が叫んでいる。


『「ちょっとオーデンさん!!その銃の発砲許可は僕が出すんですからね!」』


『「うるさい!こんなもんは臨機応変だ!!」』


 その時、家々の間からマシンが姿を現した。


「あれがヘラクレス!見たところ新型だな...」


「ずんぐりむっくりしてるなぁ。なんか、燃える男の〜って歌ってそう。」


『「やい警察!!撃てるもんなら撃ってみろ!!こちとらヒシーの新型だ!!スクラップにしてやるよ!!」』


 随分と挑発的なセリフだなぁ...


『「言ったなぁ!!」』


 ズガンズガンズガン!!!!


『「う、撃ちやがったな!こっちは一般市民だぞ!!」』


『「うるさぁぁぁい!!こちとら鬱憤溜まってんだぁぁぁぁぁぁ!!」』


「警察のセリフじゃない...!」


 そこからは早かった。四肢をもぎ取り、メインカメラを潰して、コクピットを引っ張り出した。


「最後はあっけなかったなー。」


「でも警察側がメチャクチャでしたね!日本だとまずあり得ませんよ。」


 感想を言い合って駅まで戻る。


「なんか、人少なくね...?」


「確かに...いる人も浮かない顔ですね...」


 駅に着くとシバさんがすっ飛んできて叫んだ。


「大変だ!!大変なことになった!!」


「シバさん!?どうした一体!?」


「ディングルが...ディングルが反センメ諸国と手を組んでセンメに宣戦布告した!!!」

注:作者はパトレイバーが大好きです。

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