st.23 待たせる時間 #3
「ハイリハイリフレハイリホーハイリハイリ...」
佐伯が睨みつけてきた。
「...ごめんて...」
「朝からやめてもらえます?変な呪文使うの!」
「わかったって!!それよりこっから折り返しだ。早くアイランファクトリアまで行って、アスマ達をピックアップしていくぞ。」
「そういえばここってまだライハト地方の真ん中ですよね...なんでこれ以降は行かないんですか?」
「線路が破損しているらしい。ここも2日前に復旧を終えたばかりなんだと。技術者も腕の立つ奴がすくねぇから手こずってるっぽいな。」
その時、電話のベルが鳴った。
「はいこちらC57-182ですが...」
『「司令です。機回し作業を行いますので準備を願います。とりあえず、半までには動かせる状態にしてください。時間になったら連絡します。」』
「了解!準備しときます。」
「それじゃあ僕もう出てますね。」
「はいよ!俺も後から行くからまっとけ。」
ーーーーー
「それじゃあ機回し始めます。」
「ああちょっと待って!こいつ車掌車とかもくっついてるんですが...」
「それなら大丈夫です。この転車台は5両同時に回せるようにしてますから。」
でかいなおい!!
「客車切り離します。微速前進...はい、そのまま進んでー。」
遅めの速度で駅から出ると、すぐに転車台があった。
「ラーイラーイ、オーケイストップ!そのまま待機していてください。2号機、転車開始。」
『「了解了解、時計回りに回します。」』
重低音が鳴り響き、少しずつ視界が横に流れていく。
「おお、こりゃすごい。」
そのまま180度回転し、前進を許可された。
「速度制限40キロ毎時!そのまま進んでください。反対側で係員の指示がありますのでね。はい。」
少し進むと元のレールからそれ機回し線へ入った。
「いやーそれにしても、この世界には本当に鉄道設備が揃ってんなぁ!」
「なんか変ですね...元の世界とこんなに似ているとは...」
「いや今更すぎるだろそりゃ...」
また駅から出た後、駅員が近寄ってきた。
「はーい停止してくださーい。今転轍機回しますから。」
「はい。お願いします。」
「オーケイでぇす。そのまま微速後進してください。ああそうそう!次は長距離寝台なので2番線じゃなくて1番線の客車を連結しますので注意してください。」
「了解。微速後進します。」
逆転機ハンドルをいつもとは逆向きに回す。
「ラーイラーイ...はいストップ!連結作業完了でぇす!」
「お疲れ様でした!!それではこれより出発します!」
ブーーーーーーーーーー...
『「1番線からウィッツ・センブル行き発車いたしまぁす。ご乗車になる方はお早めにお願いいたします。この列車は長距離寝台です。寝台券をお持ちでない方はご利用になれませんのでご注意ください。次はアイランファクトリアに停車です。1番線ドアをー閉めまーす。」』
『「というわけでいつでも発車できまぁす。」』
「はいはいありがとう佐伯。それじゃあ出発するぞ。」
7:00、定刻通りヴィエントナンを出発した。アイランファクトリアまで80時間の旅である。
「そういえば俺28なんすけど、八坂さんって何歳なんです?」
「47だけど?」
「意外と年取ってる!?」
「失礼だなーもう!」
ずっと30後半だと思っていた小川町だった。




