st.21 待たせる時間 #1
アイランファクトリア出発から4時間が経過したころ、電話の呼び鈴が鳴った。
「はいこちらC57-182...」
『「くぉるぁヤァサカてめぇぇぇ!!!!!!」』
「こ!これはこれは総裁殿!!どうかされましたか...?」
『「どうもこうもないわぁ!!お前私名義でたかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい買い物をしたな!?」』
「へ、へい!150万ダルほど...」
『「わかっているだろうな!?私はな!お前を今すぐクビにすることなど造作もないんだからな!!」』
「そりゃあもう...天下の総裁殿ですからぁ...」
『「私は不要な人材はすぐに切り離すぞ!!」』
「...あれ?もしもし?聞こえないなぁ...」
『「なんだ!いいわけか!?」』
「もしもし?もしもーし!...トンネルのせいか?」
『「おいまて!まだ話は終わってないぞ!!落とし前はどう...」』
ガチャン!!
「よかったんですか?切っちゃって。」
ため息をつきながら答えた。
「いいのいいの。どうせ後で報告書書けばいいんだしよ。今はめんどくさいったらありゃしねぇ。」
「結局150万ダル押し付けて終わりですね...なんだか可哀想に思えてきましたよ...」
「トップに立つってぇのはそういうもんだ。」
次の目的地まではあと8時間かかる。インランド平野を抜け、アイランファクトリアのあるシェルズ王国とロクミヨ共和国との国境、レーンマインド山脈をこえた先にあるマイナーズ盆地にあるイズントモン駅を目指している。
「ここまで来ると暇なもんだなー」
「魔物はいますけど速度さえ出せば蹴散らせますからね。」
その時、前から小さな光が近づいてきた。
「あれは...上りの列車だな。」
汽笛を鳴らすとかえってきた。意外にも軽い音である。
「結構小さい機関車ですねぇ。音も高いし、弁慶号ってかんじですかね?」
「確かに...こっちの機関車はまだ小さいんだな。文明レベルも進んでそうだし大きめのものを想像していたんだが...。」
「なんででしょう...バトルマシンが作れるなら機関車も大型にできそうだし...異世界だからあっちとは事情が違うんでしょうねぇ...。」
「おい小川町ぃ、おめぇよぉ、異世界だからって言えば大丈夫って思考になってないか...?」
暇そーに仕事していると、佐伯が出てきた。
「2人ともお疲れ様ー。」
「どうしたーまだ仕事はあるんだがー?」
「いやいやそれがさー!この本!」
「なんだそりゃあ?」
「魔物学者のヒューストンさんって人いたでしょ?」
「ああ!あの変なやつ!」
「あの人が椅子の調整用にってくれたんだけど...」
「なんかあったんかよ?」
「これ市場だとプレミアがつく代物みたいで...」
「ほう...」
「中読んでみたら魔物図鑑だったんだよね!!」
「魔物図鑑!?...ってぇ、俺たちに必要あるか?」
「ないと言っちゃったらありませんけど...まあ、読者の方々もいますし...」
「唐突なメタ発言はやめなさい小川町君。」
「というわけで八坂さんに持っといてもらって、なんか戦闘が始まったらどの敵か調べてみてほしいんですよね。」
「オーケイ!了解だ!とりあえず飯作ってくれねぇか?腹減って仕方ねぇんだ。握り飯とかがいいなぁ。」
「わかりました!ちょっと待っててください!瑛二からはリクエストある?」
「タリアテッレ〜パルメザンチーズを添えて〜」
「バカ!」
こんな感じで時は進み、アイランファクトリア出発から1週間が経過した。イズントモンを通りグッダンを抜けるとホワイトガッツ山脈に差し掛かる。山脈にはホワイトガッツ王国があり、エミ、シュガイラン、と駅が続く。
次の停車駅はホワイトガッツの首都、ビエントナンである。
「あの骨のやつスカルアーチャーってんだな。」
「怪獣はどうでしょう...」
怪獣:怪獣目怪獣科、怪獣である。
「「ザッツ雑!!」」




