st.17 別れ
ディングル出発少し前
「本日の処刑人数は37人、うち36人がセンメの不法入国です。」
ここはディングル王国にある、サントラ宮殿の王の部屋。壁には傷ひとつない綺麗な絵画がかけられ、紋章の書かれたタペストリーが吊られている。
「ご苦労。例の機関士はどうなった?」
「誤認逮捕してしまった方ですね?...それなんですが...」
「なんだ?」
「食事会には参加しないと...仕事があるそうで...」
男は舌打ちした。
「この私の誘いを断るか...!」
「今すぐ強制的に来させましょうか...?いや、一言指示しててもらえれば...」
その瞬間、一発の銃声が轟いた。
「ヒッ!」
横を見ると、絵画の口、目が撃ち抜かれている。
「君は優秀だ良くわかっているしかし、少々我が強いようだ。」
「申し訳ございません!出過ぎた真似を...!!」
「いやいやいいんだよ?君が死にたいのなら。」
デンテル王は続けた。
「私はね、君がいなくなってもそんなに痛くないんだよ。体も、地位も、心も!」
男はすっかり萎縮してしまっている。
「君はただ私のいうことを聞いていればいいんだよ。私から振った時以外意見も言わず、自分からは何もしない。いいか?心を捨てろ!能動的になるな!!...いいな?」
「はい...デンテル様...」
「しかし弱ったな...ここいらでヴィルス殿と繋がりを作っておきたかったんだが...」
デンテルは少し考えて言った。
「我が国の物資は輸入に頼っているのは知っているな...?」
「...おっしゃる通りで」
「輸入には金がいる!金がでてくばかりじゃあ国力は落ちるだけだ。さてどうする?」
男は少し考えてから答えた。
「自国で生産をする...」
瞬間、男の首が飛ぶ。一気に血が噴き出て、デンテルの顔に飛沫が散った。
「な、なぜ...」
「考えなしは嫌いだ。答えは『戦争』領地を作らねば生産もできん。」
男はすでに絶命していた。悲痛な叫びをその顔で訴えて...
「返り血で汚れたな...」
デンテルは服を脱ぎ捨て半裸になった。
「マンクウェイト!これを片付けておけ!俺は風呂に入る!」
ーーーーー
物語は今に戻る。
「八坂!ほんとに2週間で戻ってくるんだろうな!?」
「大丈夫だって!あと6駅先に行くだけだから!心配しすぎだぜ〜。」
「心配も何もうちら生活かかってんの。ほんとに大丈夫なんでしょうね!?」
「八坂さんは約束守るから大丈夫ですよ。それに、総額200万...総裁の金無駄にしたってなったら...」
確実に...死!!必死!!
「そういうわけで2週間後会いましょう。」
ピリリリリリリ・・・
『「3番線出発しまぁす。3番線出発しまぁす。ドアが閉まりまぁすご注意くださぁい。ドアをー閉めまーす。」』
「戸締め確認!水量良し!」
フォアアアアアァァァァァアァァァァァ・・・
「しゅっぱぁつしんこぉう」
列車がゆっくりと動き出した。
「それじゃあ!また今度!」
「頼むから来いよ!?ガチで来いよ!?」
少しして車掌車が通過した。
「さいならー」
佐伯!挨拶適当!!
「というわけで俺たちは2人きりだ。仲良くやろう。」
「よろしく。じゃーまーこっから2週間!バトルマシンの特訓してもらうよ。アスマって初心者でしょ?」
「な!アーティー!...なんでわかった...?」
「マメがない。」
「え?」
「バトルマシン乗りは全員中指、親指と人差し指の間にマメができるの。変な形のハンドルを握ってるからね。」
「さすがプロだな...」
「一応うちの方で研修マシン作っといたからそれでマスターして。機種も装備も操作方法も乗り心地も全部一緒にしてるから安心していいよ〜。」
この時のアスマはまだ知らない。彼女の作ったマシンの恐ろしさを...
「これが研修マシン。」
アーティーが球状の機械を持ってきた。
「ゲーセンにあるスターウォーズのゲームの筐体みたいだな。」




