st.16 バトルマシンとエンジニア
「あんたが依頼者?」
目の前の青年がぶっきらぼうにいった。
「なんかもっとこう...屈強な大男を想像してたんだけど...あー、うん。ここで話するのもなんだし、飯屋にでも。」
ーーーーー
「俺は篠原勇作。3年前にここにとばされたんだ。あんたらと一緒。」
黒い髪、茶色がかった目、平たい顔、まさに日本人!
「篠原勇作か...じゃあ「アスマ」だな!」
「なぜ!?」
「なぜって...そりゃあ、アスマだからだよ。」
面白がって佐伯も反応した。
「よろしくアスマ!」
「...もういいよ!アスマで!」
「俺は八坂実。こっちだと機関士をしてる。んでこいつが...」
「瑛二です。小川町瑛二。機関助士。いままでは僕が魔物の撃退してたんですけど、いかんせん限界が来ちゃって...」
「私は佐伯のぞみ。車掌です。これからよろしく!」
「全員鉄道関係かよ...!」
「じゃあアスマよぉ、早速本題に入るぞ?報酬はなし、死ぬまで一生護衛の任務、三食付き屋根ありの寝床補償!必要最低限の物資も買ってやる!これでどうだ!?」
「...ちょい待ってくれ...破格も破格...!めっちゃ好条件じゃないの!?」
「報酬はないのにか?」
「だってよ、飯代タダだろ?家賃タダだろ?生活用品タダだろ?しかも半永久的にだろ!?...いつ来るかわからない仕事を待って、少しの報酬もらうより断然いいじゃないか!!」
「で、どうする?契約結ぶか否か!できれば結んで欲しいけど。」
アスマは少し考えてから答えた。
「別に結んでもいいけど...次の質問にイエスでなかったら契約は無かったことにさせてもらうぜ?」
「いいだろう!その質問とやらを言ってみやがれ!!」
「最低100万ダル、高くて300万ダルの買い物をさせろ。あんたらもちで。」
冗談でしょ...?
ーーーーーー
大通りを抜け、裏路地を奥まで行くとその通りに辿り着く。
「到着!ここがニンゲ最大の軍需製品市場!アーミーズ・ストリート!!」
おおおお!!武器だらけ!!!!
「Gブロック12−3、ここだ。」
店に入ると元の世界では液晶の中でしか見れなかった、戦闘メカ!ロボットが所狭しと並べられていた!!
「この世界だと剣とか槍もそうだけど、バトルマシンが結構使われてて...」
「おいみろ小川町!ロボット!ロボットだ!!ロボットがこんなに!!」
「すごい...!完全にレイ◯ースとかワ◯ルの世界じゃないか!!」
「男どもはなぜこんなんに興奮するのか...」
「おーい!興奮するのはわかるけど、このままじゃ契約結ばないぜ?ついてこいよぉ!!」
店内をしばらく散策していたアスマだったが、一体のマシンの前で足を止めた。
「こ、これは!なんと趣味的な...!」
「おっちゃーん!こいついくら?」
店主らしき人が奥から出てきた。
「ああ、そいつぁ少し特殊でよ、担当呼ぶわ!まっとけ!」
そのまま奥に戻り、少しして「担当者」が来た。
「ごめんごめん!うちの改造したマシンなんだけど、自分だと売れないからここに置かしてもらってるの。あとさ、27型MVドーファンの改造品だからメーカーが修理してくれなくて、自分で作ったパーツとかも入れてるからわたしも同行させてないと修理できないから気をつけて。」
この女が作ったのか...。街で見かける女とは確かに違う。茶色のツナギを着て身体中オイルに塗れている。
「で、いくら?」
「150万ダル。これでも大特価なんだからね?支払いはおじさんにお願い。」
「ちょい質問いいか?そこの男じゃなくて俺が購入者。」
「なに?」
「お前をこいつと一緒に連れていくとして、修理費はどうなるんだ?」
「んー、月一回どこかしら壊れるとして...年間2000万ダル!!」
「高!?」
「で!す!が!ななななんと!衣食住全部保証してくれて、パーツ代も出してくれるならタダにしちゃう!!」
「すばらしい!!」
「軍事教練用バトルマシン・ドーファンの改造品、魔導エンジン搭載、最大出力120キロ毎時、マジックサーベル、魔弾銃、対物・対魔シールド、バルカン装備、飛行可能、横3150、縦2570、高さ7220...こいつ買うなら契約してもいいけど...どうする?」
「買ったぁ!!もちろん彼女にもついてきてもらうぞ!!」
「オーケー!契約成立だ!!」
「こいつぁ文句ねぇや!何に使うかはどうとして、見た目がいい!青と基調としているが、明る過ぎない青がいい!!少し暗めのくすんでいる青、これこそ至高!!そして細過ぎず、太過ぎず、いい塩梅の体格!機械感丸出しのカメラ、センサー系統!今のロボットアニメにはない...素晴らしい機体だよ!!」
「お褒めに預かりありがとうございます!!」
「で、こいつ何に使うんだ!?」
「護衛任務。」
へ?
「ほらー、俺ってあんまり体格良くないだろ?魔物と生身で戦うのには向いてなくて、だから買ったんだよ。」
車掌車で事足りたんじゃ...
「っていうか八坂さん!今まで黙ってましたけど、ほんとに支払いどうするんです!?150万もお金持ってませんよね!?」
「ああ、大丈夫大丈夫。おっちゃん!これ買うよ!」
「へいへい!150万ダルだよ!」
もちろんそんな金持ってない。なので俺は、胸ポケットから一枚の紙を取り出した。
「ヴィルス・マッケンジーにツケといて!」
「は!?」
「総裁ガ私物証明ノ書...わかった。こちらであとはやっておこう!」
「八坂って実はすごい人...?」
小川町と佐伯が首を振った。
「これからいっしょに生活するんだしとりあえず自己紹介しとこうかな...」
エンジニアの女が言った。
「わたしはアーティー!エンジニアのアーティーよ!よろしくね!」
「というわけでバトルマシンが搭載可能な車両作らせるから2人はこの街で待っててくれ。」
「え!?宿はどうすんだよ!?」
「駅舎に泊めさせてもらえるようにするから、まあ、我慢して!!」
ダイヤを見ると、この街に来るのは2週間後。それまで自力で耐えなきゃいけないこっちの身にもなってくれ...!!
追記、佐伯は女が仲間に加わったことに歓喜していた。




