st.15 用心棒
「砲身転換!マガジン問題なし!佐伯!スイッチ押しっぱなしだからな!?」
『「了解!こっちは準備OKだよ!」』
「撃ち方よぉい...FIRE!!」
合図とともに、機関銃が火を吹いた...!
「アヒャ!アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
飛び散る木っ葉ゴブリン共!いかに魔物とはいえ、機関銃という人智の結晶の前にはただのデク人形!!
「やばいやばい振動すごい!すぐ腕持ってかれるぞこれ!!ってか薬莢顔に当たって痛ぇ!!やめやめ!撃ち方やめ!」
『「瑛二大丈夫?」』
「大丈夫も何も俺何も訓練受けてねぇよ!絶対一般人がやる仕事じゃねぇ!」
『(異世界転移した時点で一般人じゃない気が...)』
「なんか言ったか...?」
『「いや何も!次行くよ!」』
「待って待って!マガジン変える!」
あー、なーんでこんなことやってんだろうな...異世界転移なんてしなけりゃ俺も今頃課長職に...ってまだ早いか。
「マガジン交換完了!撃ち方よぉい...FIRE!」
なんかこう...煮え切らない...。なんで俺こんなことしなくちゃいけないんだ...?俺以外でもいいはずだ...用心棒...そう!用心棒が欲しい!
「ようじんぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉう!!!!」
意外や意外!小川町の欲望はゴブリン軍団をおじけづかせ、殲滅を可能にするまでに至ったのである!!
ーーーーーーー
『「ご案内いたします。当列車は現在、インランド平野を走行しております。次の停車駅はアイランファクトリア、アイランファクトリアです。到着は、明日午前4時を予定しております。放送終了後より、車掌の業務は到着まで打ち切りとさせていただきますのでご了承ください。」』
佐伯の放送が終了した。こっからは徹夜で運行だぁ!
「さぁさ!地獄の始まりですよ!魔物に襲われないことを願うばかりですねぇ。」
「ああ、まぁったくだ!こんな視界不良の状態で来られたらお前も辛かろう。」
「あのぉ、ちょっと言いたいこと言っていいすか?」
「なんだ?」
「正直台場に立つの辛いっ!!用心棒が欲しいっ!!」
「そうか...いいんじゃねぇか?」
「反対とかしないんですね。」
「まあ、俺の金使うわけじゃないし...」
その時佐伯が代家車から出てきた。
「2人ともお疲れ様ー!夕飯ですよー。」
「おおーありがとう佐伯!」
「片手で食べられるようにおにぎりにしましたから。」
「それはありがてぇんだが...量多くないか...?」
「多くないですよ。たったの30個じゃないですか。」
「それにしても...一個一個がでかい...ビッグマックよりでかい...」
「大丈夫大丈夫!2人とも男なんだから!」
結果、佐伯:18個 八坂:8個 小川町:4個
「佐伯てめぇ!お前食うの速いし多すぎだろ!少しは自重しやがれ!!」
「うるさいわね!瑛二が食べるの遅いからよ!!」
あーあー、またケンカかよ。
「はい、佐伯はもう帰った帰った!夕飯ありがとな!」
まだ言いたいことの100分の1も言っていないと言いながら、代家車に戻って行った。
「じゃー、ま、腹ごしらえも済んだし一晩走らせ続けるか!」
ーーーーーーー
『「おはようございます。現在列車はアイランファクトリア駅に停車しております。発車は午後3時ごろを予定しています。当駅では引き続きこの先の都市へ向かう方も下車することが可能です。追加で料金をお支払いいただくことはございません。お戻りの際、駅係員に切符を見せていただくと引き続きご乗車になれます。切符を紛失した場合、発車時刻を過ぎてしまった場合は、その時点で再度お乗りになることはできなくなりますのでご注意ください。午後3時の発車です。」』
眠い...
「眠い...」
「ああもう眠い!!イライラする!!」
「どうした小川町...?」
説明しよう!!小川町は極度の疲労・睡魔・空腹に襲われると性格が豹変するのだ!!
「あああぁぁぁぁ!!!寝させろぉぉぉぉ!!!!!」
「うるせぇねやがれぇぇぇ!!!!」
〜仮眠〜
時刻は8時30分。2時間半の睡眠がとれた。
「それじゃあとりあえず、用心棒探しに行きますか!」
「「おー!」」
アイランファクトリアは鉄鋼製品の街。その分力持ちもたくさんいるってわけだ。
「用心棒探しにはぴったりだろう?」
街を少し歩くと、冒険者ギルドなるものを見つけた。
「ここにきてえらい異世界感ですね...」
「適当に見繕ってもらうか?」
「プロなら心配入りませんからね。」
中に入っても、元いた世界の小説で読むような内装とはかけ離れていた。意外と近代的なんだな...。テーブルがちらほらと、壁には大きめの黒板がかけられ、最奥にカウンターがある。
「なんていうか...郵便局みたいですね。」
「クエスト内容はすごいけどな...ワイバーン討伐、殺人鬼の捜索、山岳遭難者の救助...」
「後半警察の仕事じゃないの...?」
カウンターにも種類がある。右から、クエスト・護衛依頼、冒険者登録、換金所、サービスカウンター。
「ようこそギルドへ!本日はどうなさいましたか?」
女性の職員が対応してくれることを望んでいたが...まあ、しかたがないか...。
「護衛の依頼をしたくて。」
「じゃあこの用紙に必要事項を記入願います。代表者氏名、所属しているグループ、学校とか会社ですね。ここからは護衛の希望ですね。希望人数に想定就業期間に希望の出身地に性別まで。もちろん指名もできますよ!全て書き終えたらまたこのカウンターへどうぞ!」
というわけで...
「代表者は俺でいいな。お前ら、希望ってなんかあるか?」
「はいはいはい!」
佐伯が手を挙げた。
「女!圧倒的女!これ以上男が増えるってつらすぎる!!」
「いいじゃないの男でも。お前、逆ハーレム作れるぜ?」
「瑛二...!そんなの逆ハーレムなんてものじゃないわよ!ただのゴミ捨て場になるだけなんだからね!!」
俺たちゴミ扱いかよ...
「ま、まあとりあえず女性ってことで...。」
ーーーーーー
「はいはい、一名、未定、日本出身、女性...」
まあ、そんな都合よくいないと思うけど...日本出身の人間なんてなぁ...!
「あー、すいません。現在このような方は登録されていませんね...」
やっぱり日本人はいないか...!
「男性なら条件に合致するんですがどうしましょう?」
「逆に男性ならいるんですか!?」
佐伯を見てみよう。わお、首を振り過ぎて止まって見えるぜ。
「(ゴミ捨て場!ゴミ捨て場!ゴミ捨て場!ゴミ捨て場!ゴミ捨て場!ゴミ捨て場!)」
「じゃあその人で!」
その瞬間、佐伯は泡を吹いて倒れた。
「就業期間が未定ということなので、報酬は本人と相談して決めてください。なお、契約は双方から切ることができます。一度きると2度と結び直せませんが...。本人には中央広場の噴水で合流しろと伝えます。それでは良い旅を!」
手続き意外と簡単だったなぁ。
「早く中央広場に向かいましょう!相手を待たせるとなんか悪いですし!」
瀕死の佐伯を引きずって、冒険者ギルドを後にした。
『ひゃっほーう!』
青い空!白い雲!真夏の海で佐伯は1人泳いでいた。
『1人でバカンスってのも案外悪くないものね!』
波をに揺られながら浮いていると、背中が地面についた感触がした。
『なんだろ?』
ゴミ!地面と思われたものはゴミ!圧倒的生ゴミ!!
『ヒッ!』
ゴミはどんどん増えていく!
『や、やだ!ゴミにまみれるのはやだ!!いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
ーーーーーーー
「うーんうーん...ゴミ...ヤダ...生ゴミ...うーん」
「佐伯のやつ...何うなされてんだ?」
「さあ?」




