↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄の底の鬼嫁生活:人間を捨てた少女は、最凶の鬼に愛を知る  作者: 凪塩 未来


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/46

第5話:絶対服従の契り

第5話をご覧いただきありがとうございます。

最強の鬼人の圧倒的な力の前に完敗を喫した由香。絶望的な状況の中で彼女に突きつけられる、地獄の絶対的な掟と運命の分かれ道を描く重要回です。

歪な関係の幕開けとなる緊迫の展開をお楽しみください!

全身の骨が軋むような重圧の中で、由香は必死に歯を食いしばっていた。

目の前に立つ漆黒の髪と純白の角を持つ男――その圧倒的な眼光に捉えられ、逃げ出すことも声を上げることも許されない。指一本動かそうとするだけで、魂がすり潰されるような恐怖が脳髄を焼く。


「……殺すなら、さっさと殺せよ」


泥に顔を押し付けたまま、由香は血の味のする口を開いた。

現世でもこうだった。どうせ最後は踏み潰され、すべてを奪われて終わる。だからここで死ぬことへの恐怖などない。あるのは、自分の思い通りにならなかったことに対する苛立ちと、どうしようもない諦めだけだった。


男は冷ややかに見下ろしたまま、鼻で笑った。

「殺す? 愚かな。この地獄において、力なき敗者に死などという慈悲深い救いは存在しない」


男の足元から、黒い光を放つ不可視の鎖が這い出し、由香の四肢を容赦なく縛り上げた。

「我が名は――ガルド。この深層を統べる者だ。そして、地獄の絶対の掟を忘れたか?」


ガルドの低い声が、冷徹に響き渡る。

『鬼人に敗れた者は、その鬼人に絶対服従を誓わねばならない』


「敗北した者には、勝者の所有物となる道しか残されていない。お前が選べるのは、奴隷として文字通り使い捨てられるか、あるいは――私の『妻』として服従するか、その二つに一つだ」


「……は?」

由香は息を呑み、血走った目で男を見上げた。

妻、だと? 殺されるのではなく、敗者のペナルティとして婚姻を強制されるというのか。他人に縛られ、誰かに所有されることなど、現世の毒親やいじめっ子たちに人生を縛られてきた由香にとって、何よりも耐え難い屈辱だった。ふざけるな、そんなもの、拒絶してやる――。


そう叫ぼうとした喉元に、ガルドが放つ圧倒的な魔力が突き刺さる。

拒絶の選択肢など、初めから用意されていなかった。抵抗すれば、魂ごとこの地獄の底に消し去られる。圧倒的な力の差の前に、由香の反逆の意志は無惨に折り伏せられた。


「……好きにしろよ」


由香は瞳の奥の光を殺し、投げやりな、しかしどこか狂気を孕んだ声で呟いた。

「どうせこの世界は、奪うか奪われるかだ。私をどうしようと勝手だね」


その剥き出しの投げやりさと、どこか遠い目をした少女の表情に、ガルドの赤い瞳がわずかに微動した。しかし、感情の色はすぐに消え失せ、彼は冷徹に言い放つ。

「いいだろう。今日からお前は、我が妻だ。地獄の底の城へ連行する」


黒い鎖に引かれるまま、由香は抵抗することをやめ、漆黒の男の背に付き従う。

それは、憎しみと諦めから始まった、地獄の底での最も歪な婚姻生活の幕開けだった。

第5話「絶対服従の契り」をお読みいただき、ありがとうございます!


最強の鬼人・ガルドに敗北し、命を奪われる代わりに「妻」としての絶対服従を強制された由香。心も体も追い詰められた彼女の選択と、冷徹な支配者との歪な同居生活がいよいよ始まります。

次回、第6話では、ガルドの治める城へ連れて行かれた由香を待ち受ける、予想外の静寂と変化を描きます。


「歪な婚姻生活の始まりがたまらない」「ガルドと由香の関係性が気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや評価、いいねをよろしくお願いいたします!

それでは、第6話でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。