第三章 第36話:都市のざわめきと影の企み
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新たな世界の中央都市「アストライア」に降り立ち、温かな歓迎を受けたガルドたち。しかし、平和で賑やかな大都市の裏側には、何やら不穏な「影」が忍び寄っているようで――? 緊迫と新たな展開が交錯する第36話をお楽しみください!
獣耳の商人女性から手渡された特製のハニーブレッドを美味しそうに頬張るアルドを囲みながら、ガルド、由香、そしてセフィルの一行は、アストライアの石畳が敷き詰められた大通りをゆっくりと歩いていた。
「いやあ、まさか『はじまりの門』の向こうにこんなに発展した都市があるなんてね。歴史書を書き直さなきゃいけない大発見だよ!」
セフィルは目を輝かせながら、周囲に立ち並ぶ美しい魔導建築の数々をメモ帳に書き留めていた。
由香もまた、色とりどりの布や珍しい魔導具が並ぶ露店に目を奪われながら、楽しそうに微笑んだ。
「本当にね。深層のあの荒々しい雰囲気とはまた違って、なんだか活気に満ち溢れていて素敵な街だわ」
だが、その和やかな空気は、大通りから少し外れた細い路地裏へと差しかかった時に、わずかにピリッと張り詰めた。
ガルドの足がピタリと止まる。その鋭い赤い瞳は、大通りの賑わいから外れた薄暗い一角を射抜いていた。
「……ほう。招かれざる『虫けら』が、どうやら我々の後をつけているらしいな」
「え……?」由香がハッとしてガルドの視線を追いかける。
セフィルも慌てて眼鏡を押し上げ、「うそ、本当かい? こんな平和な大都市で誰が……!」と青ざめた。
ガルドがわずかに気圧を放つと、薄暗い路地裏の影から、不気味に仮面をつけた複数の男たちが姿を現した。彼らの纏う魔力の波長は、アストライアの穏やかな住民たちのものではなく、明らかに淀んだ悪意と打算に満ちたものだった。
「さすがは『はじまりの門』をこじ開けた化け物の王様だな……。これほど早く俺たちの気配に気づくとは」
仮面の男たちのリーダー格らしい男が、冷ややかな笑みを浮かべながら一歩前に出た。その手には、古びた魔導の拘束具のような不気味な装置が握られている。
「お前たちは誰だ。この街の住人ではなさそうだが」
ガルドが低い声で威圧すると、仮面の男は不敵に鼻を鳴らした。
「俺たちは『影の交易会』の者だ。あんたたちが『はじまりの門』を起動させたせいで、この世界の魔力均衡が狂い始めている。……おい、そのガキと、門の秘密を握る学者をこっちに渡してもらおうか。そうすれば、この街での暮らしは保証してやるよ」
――狙いは、アルドとセフィル。
その言葉を聞いた瞬間、由香の瞳にスッと冷たい怒りの炎が灯った。
「……私たちの可愛い息子と仲間を狙うなんて、いい度胸じゃない。さっきのパンの味が台無しになるわね」
アルドは何も分かっていない様子で「あー?」と首をかしげているが、由香の手元ではパチパチと鋭い魔力の刃が形作られ始めていた。
ガルドの背後から放たれる圧倒的な覇気が、路地裏の空気を一瞬で氷点下へと叩き落とす。
新天地アストライアの平和な日常の裏で、早くも牙をむき出した謎の組織。
最強の家族の怒りが爆発する瞬間が、今まさに迫りつつあった。
第三章第36話「都市のざわめきと影の企み」をお読みいただき、ありがとうございます!
新都市アストライアでの平和な散策から一転、アルドやセフィルを狙う謎の組織「影の交易会」が姿を現す緊迫の展開を描きました。次週、この不穏な輩たちに対してガルドと由香がどのような圧倒的な制裁を加えるのか、ぜひご期待ください!
そして次回、第37話では、仮面の一味との激突と、彼らが隠していた「世界の裏の真実」に迫るスカッとする展開を描きます……!
「新都市でさっそくトラブル発生! ガルドパパと由香ちゃんの怒りゲージが上がりそうで次がめちゃくちゃ気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや評価、いいねをよろしくお願いいたします!
それでは、第37話でお会いしましょう!




