第三章 第37話:影の牙を砕く者たち
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新都市アストライアの路地裏で、アルドとセフィルを狙う謎の組織「影の交易会」の男たち。牙をむいた不穏な輩に対し、怒りを爆発させるガルドと由香の圧倒的な反撃を描く第37話をお楽しみください!
薄暗い路地裏に、影の交易会のリーダー格である仮面の男の不敵な笑い声が響いていた。
「……おい、そのガキと学者をこっちに渡せ。おとなしく従うなら、命だけは助けて――」
最後まで言い切ることはできなかった。
ガルドの赤い瞳が冷徹に光った瞬間、周囲の空間そのものが押しつぶされるような凄まじい重力波が、仮面の一味を襲った。
「ぐっ……!? な、なんだこの重さは……体が動かない……っ!?」
男たちは耐えきれずにその場で膝をつき、冷や汗を流しながらガッと地面に這いつくばった。先ほどまでの余裕は跡形もなく消え去り、あるのは圧倒的な恐怖と絶望だけだった。
「我が家族を狙うなど、万死に値する愚行だ」
ガルドの声は地底から響く死神のそれよりも冷たく、路地裏の温度を完全に奪い去っていた。
一歩、また一歩とガルドが近づくにつれて、男たちの纏っていた魔導の拘束具はバリバリと音を立てて自壊していく。
由香はアルドを優しく片手で抱きかかえたまま、冷ややかな瞳で仮面の男たちを見下ろした。
「自分たちが何処の誰だか知らないけれど、平和な街の陰に隠れてコソコソ人を狙うなんて、最低のクズね。佐伯の時といい、どうしてこうも虫けらみたいな連中ばかり寄ってくるのかしら」
「ま、待て……! 俺たちを殺せば、影の交易会の『上層部』が――」
男が命乞いとばかりに叫ぼうとしたが、由香が手元に作り出した鋭い魔力の刃をスッと突きつけると、恐怖で声が喉の奥へと引っ込んだ。
その傍らで、セフィルは眼鏡を押し上げながら驚愕の表情を浮かべていた。
「い、いま『影の交易会』って言ったかい……!? あそこはアストライアの裏社会を牛耳り、古代の魔導遺産を不当に略奪している最悪の闇組織じゃないか……! そんな連中が、どうしてこのタイミングで……!」
「理由は簡単だ」
ガルドが腕を軽く振るうと、仮面の一味のリーダー格の男は宙に浮き上がり、そのまま石壁に激しく叩きつけられて気絶した。残りの部下たちも、ガルドの圧倒的な覇気の余波だけで次々と意識を失い、路地裏に崩れ落ちていった。
「我々が『はじまりの門』を開き、この世界の魔力の流れを正常化させたことで、これまで闇の交易で私腹を肥やしていた連中にとって都合が悪くなった……というわけだな」
ガルドは冷ややかに鼻を鳴らし、倒れた男たちを一瞥した。
由香はふっと息をつき、恐怖ですっかり眠そうになっていたアルドの背中をポンポンと軽く叩いた。
「まったく、せっかくの楽しいお散歩が台無しじゃない。でも、これで連中が私たちの狙いってことがはっきり分かったわね」
セフィルは冷や汗を拭いながら、ガルドと由香を尊敬の眼差しで見つめた。
「さ、さすが深層の王と王妃様……。まさか一瞬でアストライアの裏社会の精鋭を叩きのめしてしまうなんて……!」
アストライアの平和な日常の裏に潜んでいた影は、最強の家族の怒りの前には文字通り「塵」同然だった。
しかし、この事件をきっかけに、彼らは新世界全体の大きな陰謀の渦へと本格的に巻き込まれていくことになるのだった。
第三章第37話「影の牙を砕く者たち」をお読みいただき、ありがとうございます!
影の交易会の男たちをガルドが圧倒的な力で一蹴し、由香も鋭いツッコミと強さを見せつけるスカッとする展開を描きました。裏社会の組織を相手にしても全く動じない最強夫婦の姿、いかがでしたでしょうか!
そして次回、第38話では、気絶した男たちの持ち物から発見された「謎の古文書」を手がかりに、影の交易会が企むさらなる陰謀の核心へと迫る展開に突入します……!
「影の組織が秒でボコボコにされてて最高にスカッとした!」「由香ちゃんとガルドのコンビが強すぎて安心感しかない」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや評価、いいねをよろしくお願いいたします!
それでは、第38話でお会いしましょう!




