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地獄の底の鬼嫁生活:人間を捨てた少女は、最凶の鬼に愛を知る  作者: 凪塩 未来


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第11話:守るための戦い

第11話をご覧いただきありがとうございます。

城を急襲した敵対勢力との激しい攻防戦。圧倒的な数の不利を覆すべく戦う由香の身に、戦いの最中、思いがけない重大な変化が訪れる、物語の最大の転換点となる回です。

命の躍動と母親としての覚醒を描く第11話をお楽しみください!

正面玄関を埋め尽くすほどの鬼人たちが、一斉に牙を剥いて押し寄せる。

由香は次々と襲い来る敵の攻撃を紙一重でいなし、的確に急所を突いてその数を減らしていった。返り血が彼女の黒髪と頬を染め上げ、冷徹な戦士のような気迫が周囲の空気を凍りつかせる。


だが、多勢に無勢。敵の数は減るどころか、深層の荒野から次々と増援が雪崩れ込んできている。

「ちっ……キリがないな……!」


息を荒げたその瞬間、由香の視界がふらりと揺らいだ。

突発的なめまいと、腹の底を締め付けられるような言い知れぬ熱感。今まで感じたことのない異様な疲労感が、戦闘の最中であるにもかかわらず全身の力を急速に奪っていく。


「おい、どうした! 人間の雌が怯みやがったぞ、今だにじり寄れ!」


敵の一人が不気味な笑みを浮かべ、巨大な爪を振り上げて由香の頭上から襲いかかった。

避けるべき足が、わずかに遅れる。防ぎきれない――! 直感した由香が歯を食いしばったその時、彼女の腹部からふわりと、温かくも強大な魔力の波紋が広がった。


ドンッ! と、突如として放たれた衝撃波が、襲いかかった鬼人を数メートル吹き飛ばす。

「なっ……なんだ今の力は……!?」


吹き飛ばされた鬼人だけでなく、戦っていた周囲の者たちも圧倒的な魔力の余波に恐怖し、一斉に動きを止めた。

由香自身が一番驚いていた。


彼女は荒い息を整えながら、震える両手で自らの下腹部をそっと押さえる。そこにあるのは、自分自身の魔力とは違う、小さく、しかし確かな「別の命」の鼓動だった。


人でも鬼でもない、深層の王の血を引く新しい命。

その存在に気づいた瞬間、由香の中で何かが劇的に変わった。


(……私の中に、あいつとの子供が……?)


恐怖でも戸惑いでもない。それまで凍りつき、孤独だった由香の胸の奥底に、マグマのような強烈で圧倒的な熱量が満ちていく。

現世では母親から愛されず、自分も愛を知らずに生きてきた。すべてを奪われ、踏みにじられてきた。だからこそ、この新しい命だけは、絶対に誰にも渡さない。誰にも傷つけさせない。


「……触るな」


由香の冷徹な瞳が、殺気すら超えた母親としての狂気に満ちた光を帯びた。

「お前たちに、この子は指一本触れさせない。……全員、ここで塵にしてやる」


怒気を含んだその声だけで、押し寄せていた鬼人の群れが恐怖に身を縮こまらせた。

かつては「生き残るために奪う」ために戦っていた少女が、いま、初めて「愛するものを守るため」にその真の牙を剥こうとしていた。

第11話「守るための戦い」をお読みいただき、ありがとうございます!


激しい防衛戦の最中に発覚した、由香の胎内に宿った新しい命。そして、それを守るために母親として覚醒した由香の圧倒的な姿を描きました。トゲだらけだった少女が「守る者」へと変わる瞬間、物語はいよいよクライマックスの激突へと向かいます。

そして次回、第12話では、不在だったガルドも帰還し、母となった由香と最強の鬼人による圧倒的な共闘反撃が始まります……!


「由香ちゃんの覚醒シーン鳥肌立った!」「子供の存在でさらに強くなるの熱い展開すぎる」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや評価、いいねをよろしくお願いいたします!

それでは、第12話でお会いしましょう!

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