第四十章 崩壊
第40章「崩壊」です。
長い間、生徒たちを閉じ込めていた世界。
その世界に――
少しずつ亀裂が入り始めます。
そして、ついに迎える最後の時間。
生徒たちは現実へ戻ることができるのか。
それでは、どうぞ。
――その瞬間。
ゴゴゴゴゴゴ――
突然、大地が大きく揺れ始めた。
女子生徒「……え?」
――地面に亀裂が走る。
建物が――
まるで砂で作られたように、次々と崩れていく。
生徒「な、何これ!?」
「ゲームの世界が……!」
――空を見上げる。
そこには、無数の亀裂が走っていた。
まるで――
世界そのものが壊れていくようだった。
水野「高橋……!」
「これは一体どうなっている!?」
高橋「…………。」
――高橋は、周囲を見渡す。
そして――
高橋「……そうか。」
「限界が来たんだ。」
女子生徒「限界……?」
高橋「あぁ。」
「この世界は――」
「永遠には維持できない。」
――次々と世界が崩れていく。
校舎が消える。
道路が消える。
空が崩れる。
そして――
生徒たちの身体から、光が溢れ始める。
女子生徒「な、何……!?」
高橋「……ログアウトが始まったんだ。」
水野「ログアウト……?」
高橋「あぁ。」
「お前たちの意識が――」
「現実へ戻ろうとしている。」
――生徒たちの身体が、少しずつ光に包まれていく。
女子生徒「先生……!」
「私たち……どうなるの!?」
高橋「大丈夫だ。」
「もうすぐ――」
「目を覚ます。」
――一人。
また一人。
生徒たちの姿が消えていく。
水野「……お前は?」
――高橋は、静かに答える。
高橋「俺は――」
「ここに残る。」
水野「なぜだ!?」
高橋「この世界を作ったのは俺だ。」
「そして――」
「最後まで見届ける責任がある。」
――水野の身体も、光に包まれ始める。
水野「待て……!」
「お前も来るんだ!」
高橋「…………。」
――高橋は、水野を見つめる。
そして――
高橋「先生。」
「お前は――」
「最後まで生徒たちを信じてやってくれ。」
――水野は何も言えない。
高橋「これが、俺からの……」
「いや……。」
「幼馴染としての――」
「最後のお願いだ。」
――その笑顔には。
いつもの高橋の表情が戻っていた。
水野「……高橋……!」
――その瞬間。
強い光が、世界を包み込んだ。
◆
――現実世界。
病院。
――ピッ……ピッ……ピッ……
静かな病室に、電子音が響く。
一人の生徒が――
ゆっくりと目を開ける。
「…………。」
そして――
別の病室でも。
また一人。
さらに一人。
生徒たちが、次々と意識を取り戻していく。
医師「……!」
「意識が戻ったぞ!」
――長い眠りから。
生徒たちが、現実へと帰ってきた。
◆
――そして。
ゲームの世界。
崩壊した世界の中に――
ただ一人。
高橋だけが残っていた。
高橋「…………。」
――静寂。
誰もいない学校。
誰もいない教室。
誰もいない世界。
高橋は――
一人、立ち尽くしていた。
そして――
小さく呟く。
高橋「……これで。」
「終わったんだな……。」
――その瞬間。
最後に残っていた世界の光が――
静かに消えた。
第40章を読んでいただき、ありがとうございます。
ついに、ゲームの世界が崩れ始めました。
そして――
生徒たちは、一人ずつ現実へ戻っていきます。
しかし、その場に残った人物が一人。
最後に交わされた言葉には、これまでの物語とは違う思いが込められていました。
物語は、いよいよ最終章へ向かっていきます。
引き続き、楽しんでいただけたら嬉しいです!




