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『先生の仮面』  作者: 物語の保管庫


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第二十八章 当たり前だった日々

第28章「当たり前だった日々」です。


支配人の正体が明らかになったことで、少しずつ見えてきた真実。


しかし――


その全てを知るためには、過去を振り返る必要がありました。


まだ何も起きていなかった頃。


そこには、誰もが当たり前だと思っていた日々がありました。


それでは、どうぞ。

――数年前。

まだ、何も起きていなかった頃。

一人の教師が、教室で生徒たちと向き合っていた。

それは――

現在の副担任、高橋陽介だった。

「はい、今日はここまで。」

「分からないところがあったら、授業が終わったあとでも聞きに来てくれ。」

「先生、ここ分からない!」

「お、そこか。」

「じゃあ、一緒に考えてみよう。」

「分かった!」

――教室に、生徒たちの笑い声が響く。

その後ろには、もう一人の教師。

当時から、このクラスの担任だった水野直人。

「おい、授業終わったぞ。」

「分かってますよ。」

「また生徒に捕まってるのか?」

「先生だって、いつも質問されてるじゃないですか。」

「まぁな。」

「ただし!!」

「俺はお前みたいに答えを教えない!」

「あいつらが自分で答えに辿り着くまで、見守るだけだ!」

「その結果、僕に質問が集中してるんですけどね!!」

「……たしかに。笑」

二人は笑った。

――二人は、教師として互いに信頼し合っていた。

「お前が副担任で助かってるよ。」

「それはこっちの台詞ですよ。」

「先生が担任なら、このクラスは大丈夫です。」

「……そうか。」

――何気ない会話。

――何気ない日常。

それが、二人にとって当たり前の日々だった。

しかし――

その日常は、永遠には続かなかった。

――そして。

修学旅行まで、あと三ヶ月。

二人は、修学旅行の準備を進めていた。

「先生、あと三ヶ月だよな!」

「早く修学旅行行きたい!」

「どこから回るんだっけ?」

高橋は、生徒たちを見ながら笑う。

「まだ先の話だよ。」

「それまで、ちゃんと授業も頑張るんだぞ。」

「はーい!」

水野も、生徒たちの様子を眺めていた。

――誰も知らなかった。

この修学旅行が――

自分たちの運命を、大きく変えることになるとは。

そして――

この日から始まる出来事が。

高橋陽介の人生を――

大きく変えてしまうことになるとは。


第28章を読んでいただき、ありがとうございます!


今回は、物語の時間を少し遡り、事件が起きる前の日々が描かれました。


笑い声のある教室。


何気ない会話。


そして、いつも通りに過ぎていく毎日。


しかし――


その「当たり前の日々」は、永遠には続きませんでした。


次章から、その日常が少しずつ変わっていきます。


引き続き、楽しんでいただけたら嬉しいです!

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