過保護すぎます!
「日乃理君、先程はすみません、少しスキンシップが強かったようです」
勇気は日乃理が帰った後、言われた通り夏に少し怒られてしまった。
今、日乃理と通話しているのは、謝罪とついでに次会う日の約束をするためだ。
「次から気をつけてくれるなら良いよ」
「ありがとうございます」
日乃理はそう言うが、勇気は少ししょぼくれている。
「今思うとだいぶやばい事をしていた気がします。日乃理君が優しくてよかったです」
勇気はやばい事だとわかっていてもテンションが高くなるとどうでも良くなってしまう事が結構ある。
昔はお母さんに結構言われてましたが、流石に忘れてました。
「もう気にしてないから、あまり悩まないで」
「はい……」
そうですよね、いつまでもこんな調子じゃいけません。日乃理君が困ってしまいます。
そう思い次会うときの話をしようと、勇気が口を開けようとすと、
「そう言えばさ、勇気ってずっと敬語だよね」
日乃理は気になっていったことを勇気に言う。
「そうですかね?」
「初めて会った時はそんなもんかなと思ってたけど、親にも敬語だったからさ」
「うーーん……」
勇気は少し悩む。
敬語の理由、宇宙で改造された際にそう言う口調にされました、なんて言う訳にはいきません。
別に敬語を止めようと思えばやめれる。だが、相当な違和感が生まれ、辿々しくなってしまうのだ。ずっと敬語をやめて慣れようとしても慣れるものじゃない。勇気はそう作られたのだ。
「まあ、慣れですよね、もうこれで慣れてしまったんですよ。何でこうなったかは知りませんけど」
「ふーん、そっか、慣れなら仕方ないよね。」
日乃理も納得してこの話は終わる。
「じゃあ次は私が質問しても良いですか?」
今度はと思い、勇気も気になっていたことを話す。
「何?」
「何で平日なのに本屋にいたんですか?。日乃理君歳近そうだし、中学校か高校はないんですか?」
と、勇気は純粋に聞いてみる。だがそう言うと日乃理は黙ってしまう。
あれ? 何かいけない事を言ってしまいましたか? まずいです。何か理由があって休んでるとかだったらいけない事を聞いてしまいましたね。
「えっと、言いたくないなら別に」
「いや! 俺も聞いたし、言うよ」
いけないことを聞いたと思い勇気が喋っていると、日乃理が途中で入ってくる。
「いやっ、けどやっぱり辛い事なら言わなくても良いですよ」
勇気は嫌なことなら言わなくても良いと思い言う。それに勇気だって本当のことは言っていない。それなのに日乃理にだけ言わせるのは少し申し訳なかった。
「いや、これから何度も会うならいつかは言うことだからさ」
「そう言うことなら、わかりました」
だが押しに負け、勇気は日乃理の言うことを聞くことにする。
「実は、俺不登校なんだよね。前にラノベのエッチな挿絵見られていじられたって言ったよね。多分ふざけてただけだけど、それで俺、本気でキレちゃってさ。しかもキレだ相手がクラスの人気者で、だから味方があっちの方が多くて、十人くらいからいじめられてたんだよね」
「それは辛いですね」
好なものをいじられるとそりゃ誰だって嫌です。それでキレるのは普通だと私は思います。イジるのも嫌ですが、相手がキレたからって虐めるのは少しやり過ぎた思います。
それにたとえ人気者が虐めてたとしても、周りが加わるのもおかしな話ですよ。
「まあけど、高校には行く気だよ、流石に頭のいい学校は無理だけど、そのためにちゃんと勉強はしてるし。母さんは無理しなくて良いとは言ってるけどね」
「日乃理君は偉いですね」
いじめなんてトラウマになっているかもしれないのに、また学校に行きたいと思うのは凄いことですよ。
「そ、そうかな、けど勇気も学校行ってないよね? 今日本屋居たし」
「あ、」
そうでした私も行ってないんでした。
当然勇気は中学三年生の時宇宙に行っていたので今戻されても学校なんて当然直ぐには行けない。
「そうですね、僕も行ってません。……けど、高校ですか。ありですね」
今の私は年齢十五歳として扱われているとユーノさんが言ってましたし、行こうと思えば行けます。お母さんに聞いてみますか。
勇気は宇宙に居て、高校に行けかったこともあり高校生活に憧れているのだ。
「まあ今は次会うときの話をしましょう! 私はいつでも良いですが、日乃理君はどうですか?」
勇気が電話をした理由の二つ目、次の予定を決めるため、話を変える。
「そうだね、僕は本当にいつでも良いよ」
「それだと勉強は大丈夫ですか?」
日乃理君は高校を目指しているようですし、それなら連れ回すのはもうし訳ないです。
「それも大丈夫、僕勉強昼間にはしないんだよ。朝と夜、合わせて四時間してるから。昼は暇なんだよ」
それなら別に気にする必要もないですね。それなら、
「明日にしましょう!」
「え?」
そして明日にはまた遊ぶことが決定した。
♢♢
「勇気、日乃理君と遊ぶって言うからもう一回あげるけど、今日使い過ぎたらお小遣い来月なしにするからね」
「すいません、分かりました」
次の日、日乃理と会う約束をしこの前ほとんど使い切り、もう二千円ほどしか無くなっており、昨日、日乃理と立てた計画では二千円では足りそうにないので、勇気は夏に頼んむことにする。
「じゃあ、いってらっしゃい。……絶対変な人について言っちゃダメだからね! 会っても友達と遊ぶって断るのよ」
「ちょっとお母さん小学生じゃないんだから、心配してくれるのは嬉しいですけど」
流石にそれは覚えてます。小学校で言われてましたし、なぜか私だけ他の人の十倍くらい言われてましたけど。
「お菓子は私が買ってくるから、お菓子出されてもついていっちゃダメよ」
更に夏は念押しをする。それほど心配なのだ。
「もう! だから大丈夫ですって! いってらっしゃいしてからが長過ぎますよ!」
過保護すぎます。私だってもう二十五年生きてるんですから。
「うーーん、まあ…………言いすぎるのもよね。じゃあ気をつけていってらっしゃい」
「いってきます」
ガチャ
それでも心配そうに夏が言っているのでさらに勇気は不機嫌になり、ほんの少し強めにドアを閉める。
「本当に、過保護にも程がありますよ! 私だって知らない人にはついていきませんしちゃんと断れますよ!」
勇気は家を出て本屋に向かいながら独り言で文句を言う。
「私のことを思ってのことだとは分かっていますけど。扱いが小学生なんですよ!」
そう少しむかつきながら、勇気は本屋まで歩いていく。




