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漫画を買います! 出会いもあります!

「へへへ、楽しみです!」


 勇気が地球に帰還して五日、今日勇気は夏にお小遣いをもらい、漫画を買いに行っている。


 帰って次の日から昨日までの三日は我慢するのが大変でした。けどスマホを買ったり必要なものを買ったりと大変でしたし、仕方なかったですけど。


「ふふふ、何を買いましょうか」


 やはり完結している漫画から買いましょう、その後に今も連載している漫画と今人気な漫画を買いましょう。

 お金はあまり心配ありません、なんと今日はお母さんから一万円もらったんですから。

 計画的に使えと言われましたが、無理な話です。


 そんな事を考えていると、勇気は本屋に着く。


 おー! やっぱり凄いですね! 早速見て見ましょう、完結している私が読んでいた作品は、3作品ですから、今日はこの中のどれかを買えるだけ全部買います! どれを買うかはまだ決めてません! 今から決めます。


 だがその三つの選択がどれほど難しいことかを、勇気はこれから知ることになる。



♢♢



 まずいですまずいです、どれを買えばいいか分かりません。全部欲しいです、ですが一万円ではとても買えません。もう一時間はこうしていますよ! どうしましょう!


 勇気は一時間程前から悩み始め、迷っている漫画の場所に行ったり来たりを繰り返している。


 やはり完結まで買えるやつにしましょうか、いや、でもあっちもいいです。


 先ほどからこんな事を何度も繰り返し考えているる。


 いっそ店員さんに任せて見ましょうか、でも流石に困りますよわちね。


 この漫画を店員が見ていなかった場合、困ってしまう。と言うかその可能性の方が高いだろう。そう思い勇気はその考えをやめる。


 それじゃあ本当にどうすれば良いんでしょうか。いっそのこともう均等に、いやそれだと目的とは違いますし。ほんとにどうすればいいんですか! えっと、えっと、えっと。


 もう何もわからなくなり周りの目も気にせずに勇気は涙目でうずくまってしまう。


 まさかこんなにも難しいとは思いませんでした。もうこうなったらお母さんの勘に頼りましょう。て、スマホ持ってきてないじゃないですか、宇宙ではスマホなんて無かったので忘れてました!


 勇気は夏に頼ろうとしたが、スマホを家に忘れていた。


 じゃあもう詰んでますよ! 私はこの二択で迷ってここから出られないんだ!


「だ、大丈夫?」


 勇気の頭はこんがらがってしまい、本当に涙が溢れそうになった時、心配そうに少年が話しかけてくる。


「どうしましょう! 本屋から出られなくなりました!」


 勇気はパニックになり、見知らぬ少年に泣きついてしまう。


「ちょっ、ちょっと、落ち着いて、そんなわけ無いから」


 少年は急に腕を掴まれ、照れなが、戸惑って勇気に言う。


「酷いんです、漫画が酷いことしてくるんです! 選べるわけ無いと言うのに!」


 勇気は若干パニックになり、少年の両腕を掴む。


「周りの人見てるから、落ち着こう、ね?」


 周りの人? ……うわ、見られてます、変な目で見られてます。急に恥ずかしくなってきました、少年に泣きつくとか、この体は十五歳ですけど、生まれてからは、もう二十五年経ってるのに。


 勇気は改造された際に、年齢を十歳若く作られたので、体の年齢は十五歳だ。だが年齢は二十五歳なので、勇気は恥ずかしくなる。

 因みに若返ることはできても、不老はできないので、勇気もちゃんと歳は取る。


「どうしましょう、今私凄く恥ずかしい人ですよ! どうしましょう、どうしましょう!」


「ちょっとほんと落ち着こう、一旦外出よう、落ち着こう、うん」


 勇気のパニックに焦った少年が手を引き、勇気を外に連れていく。



♢♢



「落ち着いた?」


「はい」


 勇気は少年に外に連れ出され、ベンチに座り、数分したら落ち着いた。


「別にいいよ。それで何であんなところでうずくまってたの?」


 そして説明するために勇気は口を開く。


「最近漫画を見れていなくて、読んでいた完結した作品を大人買いしようと思っていたんです。三作品までは絞ったんですけど、その三作品で迷っちゃって。それでパニックになったっちゃって。うう、恥ずかしいです」


 勇気はしょぼくれながら説明する。


「変な人かな」


 少年はぼそっと聞こえないように言う。


「私、変な人ですかね?」


 だが、勇気は聴力も改造された際良くなっているので、聞き取れる。


「あ、聞こえてた? まあけど変な人だよ」


 少年は聞こえていたことに少し驚き、もう隠す必要もないので、はっきりと勇気に言う。


「そうですか、じゃあ私は変な人です」


 考えればサイボーグの時点で、変な人ですもんね。


「ま、まあそれはそれとして、漫画買いに行こう、俺も手伝うから」


 何て優しい少年なんでしょうか、普通本屋で人が迷ってうずくまってても話しかけませんよ。しかも協力もしてくれるなんて。優しい少年です。


「有難うございます! あ! 私たち名前知らないですね! 私は小夏勇気です、字は小さい夏に勇気の勇気です! よろしくお願いします!」


 少し元気を取り戻した勇気は自分達が名前を知らない事を思い出し、少年に名乗る。


「俺は佐藤日乃理(さとうひのり)よろしく勇気」


 急だったので少し恥ずかしそうに少年、日乃理は言う。


「日乃理君ですね! じゃあ一緒に何を買うか考えに行きましょう!」


「ちょっと引っ張らないで!」


 そして今度は勇気が日乃理の手を引き、本屋に入っていく。


「なるほどね」


 本屋に入って勇気は日乃理に説明をすると、案があったのか、日乃理が口を開く。


「やっぱり一番お金のかからないものを持ってるやつ以外全巻買ったほうがいいと思うよ、そのほうが余ったお金でまだ買えるし」


 やっぱりその方が良いんですね。


 勇気もその案は思いついていたのだが、違うのも全部買いたいと思ってしまってなかなか決まらなかった。


「じゃあそれにします、ありがとうございます。日乃理くん!」


「どういたしまして」


 だがもう人の意見を聞いたら勇気もそれが良いんだと分かり、その案にすることにする。


「じゃあラノベの方も見てみましょう」


 残ったお金は三千円、普通なら他の買いたかったものを買えば良いのだが、一応見ておく事にする。


「ラノベも見てるの?」


 日乃理は少し驚いた顔をする。


「何でですか? 別にラノベは結構な人見てますよ?」


 逆に勇気が不思議に思って日乃理に聞き返す。


「そ、そっか、いや昔さ、ラノベ読んでたら、挿絵がちょうど少しエロめでさ、そこをクラスメイトに見られちゃって、いじられたんだよね」


 日乃理は暗い顔をして勇気に話す。


「それは少し辛いですね、まあ私はそんなこと言いません。あ、そうだ今でもラノベは読んでるんですか?」


 勇気はいい事を思いつき日乃理に聞く。


「うん、今もそれなりには読んでるけど、何?」


「なら良かったです! じゃあ私におすすめを教えてもらってもいいですか?」


 ふっふっふっ、私に今の流行りの作品はわかりませんし、詳しい人に聞けば良いんですよ! 天才ですよ私!


「あー、そうだね、じゃあこの作品から読んだ方が良いよ、あ、後これと、これもおすすめで、あっ、これも良いよ」


 日乃理君の勢いが上がりましたね、思ったより好きなんですねラノベ。まあ好都合です! おすすめの本全部面白そうですし。買えそうなら買いましょう。


「あ、ご、ごめん、ちょっと興奮しちゃった。ごめんね、男性向の作品ばかりだし」


 日乃理は途端に口を止め、少し申し訳なさそうに謝る。


 勇気は見た目は女性なので、自分勝手に男性向けばかりをお勧めしても、引かれると思ってしまったのだ。


「別に大丈夫ですよ、私どちらかと言うと男性向けの方が好きですし」


 勇気は元は男、女性向けも見るが、やはり男性向けの方が見ることが多い。


「そ、そう? なら良かったよ」


 勇気の言葉に日乃理はほっとする。


 この性格気をつけないとなぁ。


 日乃理は特にラノベの事となると、少し興奮してしまう性格なのだ。


「あ、けどこれだけ有ったら買えませんね、最初にお勧めされた一冊だけ買って後は、次来た時に一旦何買うか決めましょうか」


 日乃理にお勧めされたライトノベルは10冊、それぞれ違う話なので、買おうと思ったら三千円ではとても買えない。


「それじゃあまた悩んじゃうんじゃないの?」


 勇気なら10冊もあればまた悩んでしまうだろう。それを心配して日乃理が勇気に言う。


「それならまた日乃理君が一緒に考えてくださいよ。もう友達ですから!」


 日乃理君なら信用できますし。ここまで話したならまた会いたいですしね。


「う、うん……分かった」


 日乃理は照れ、顔を赤くして、頷く。


「じゃあ連絡先を交換しましょう! てスマホ持ってくるの忘れたんでした」


 日乃理と連絡先を交換しようとして勇気は、自分のスマホを家に置いて来た事を思い出す。


 何してるんですか私は、もうこうなったら。


「私の家に来てください!」


「へ?」

 


♢♢



「ちょと、流石に家の中に入るのはやめた方が良いんじゃ」


 先ほどから日乃理は、抵抗している。異性の家に行ったことがないので当然緊張してしまう。


「いやいやもう友達なんですから! 家ぐらい普通ですよ」


 だが勇気はグイグイと日乃理を連れていく。


「いや、けど友達でも異性を入れるなんてなかなかないんじゃない?」


 確かにそうかもしれませんね。


 勇気は理解する。だが、


「大丈夫です! 私は気にしませんから!」


「俺が気にするの!」


 勇気が気にしてないのは分かっている。日乃理は自分が恥ずかしいのだ。


 そう言うことですか。まあけど関係ないです!


「気にしない気にしない! 行きましょう!」


「ちょっと止まってよ!」


 そうして勇気は強引に日乃理を連れていく。


「ただいま! あ母さん! ちょっと来てください!」


 家に入ると、勇気は夏を呼ぶ。


「なあに?」


 そして夏が出てくると、


「見てください、私! もう友達ができました! 日乃理君です!」


 勇気は嬉しそうに日乃理を夏に紹介する。


「よ、よろしくお願いします」


 もう入ってしまったのなら仕方がない、日乃理は諦め、照れながら挨拶をする。


「凄いじゃないの! 勇気は少し変な子だけど、よろしくね。この子、訳あってまだこの街に来て五日しか経ってないのよ、友達がいてくれると安心するわ」


 夏も嬉しそうに日乃理に言う。


「本当に変わってますよね」


 日乃理は初対面で泣きつかれ、半分強引に家まで連れてこられたのだ。勇気は変な人だと分かっている。


「ちょっと、変わってるのは分かりますけど、言い過ぎですよ!」


 勇気は変わっていると口に出して言われ少しふてる。


「いや初対面で人に泣きつくは変わってる以外ないんじゃない?」


「それ言わないでください!」


 急に日乃理に恥ずかしい事を暴露され、勇気は焦る。


「あら、それは迷惑かけたわね。ちょっと勇気、後で言う事あるからね?」


「はい」


 多分少し叱られるんでしょうね、当然ですよね。


 勇気だっていけないのは分かっている。日乃理がいなかったらもっと暴走していただろう。多分堂々と泣いていた。


「まあそれは後にして、部屋で遊んでなさい。」


 そして、夏は何かを取りに行き、持ってくる。


「まさかそれは! 最新ゲーム機ですか!」


 夏は手に、少し前に発売されたゲーム機を持っていた。


「そう、勇気がもうそろそろ帰ってくるから一ヶ月前に買ったのよ」


 本当は今日の夜渡すつもりだったのだが、勇気の友達がきたのであれば、出すしかないと思い夏は持って来たのだ。


「お母さん! 最高ですよ! ありがとうございます! じゃあ日乃理君! 早速部屋に行きましょう!」


 これはもう水が出ちゃいそうです! 出しませんけど。


「ちょ、ちょっと待って! 待ってって!」


 興奮した勇気は日乃理の言葉など無視して、手を掴み自分の部屋に行く。


「あの子にはもうちょっと異性との接し方を教えないとね。日乃理君がいい子そうで良かったけど」


 夏はそう、心の中で思う。



♢♢



「それじゃあ次本屋に行く時は言いますから、今日はありがとうございます! さようなら」


「うん、じゃあね」


 数時間ゲームで遊び倒し、5時が過ぎた頃、日乃理は帰る。


 メールの交換は出来、連絡ができるようになったので、次はもういつでも呼べる。


「いやー、楽しかったですね」


 そして日乃理を見送り、家に戻ると、


「じゃあ勇気こっちに来てちょうだい」


「……はい」


 忘れてました。


 夏の説教が始まった。

この作品は投稿ペースはあまり速くするつもりはありません。週に一度は出せるように頑張ります。

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