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いつか魔女が眠るまで~ゴーストクリエイター魔女になる~  作者: 穂波祈弦
一章 脱出編・望まないはじまり~書きかけの小説をかかずに死ぬとは情けない~
11/28

11 外へ行くために

 戻ってきたプラマさんに、火をみせたら、『不出来な弟子が成功するとこんなに嬉しいのでやがりますねっ』と涙をながされた。まんまるホワホワな、ホムンクルスに涙があるかわからないけど。たぶんそんな感じ。


 あれから生活魔法は、初級クラスのものは全部成功させることができた。雑魚雑魚の魔女から雑魚の魔女に変化できた。


 蝋燭に火をつける魔法はもちろん、お皿を洗って綺麗にする魔法、コップに水を入れる魔法、そよ風を使ってものを乾燥させる魔法などだ。中でも一番便利だったのが、口内や歯を清潔に保つ魔法、身体を清潔に保つ魔法だった。この両方はアスリアさんが完成させた魔法らしい。死ぬほどなんだか想像がつく。


 あれから魔法を成功させるときに気がついたことは、漂う流力にはもともと寄る辺がない状態だと、現象を起こすのにワンクッション挟まれるということだった。


 お皿洗いの魔法やコップに水を注ぐ魔法は、流力が水の流力に形を変えることで、魔法が発動されるらしい。しかし、そばにたとえば紅茶のポットがあり、そこに水分が存在すると、そこには、すでに、水に寄った変換された流力が滞留しており、ワンクッション挟まずに、簡単に発動しやすいということだ。一から流力をかえて、その形にしたりするよりあるものを使った方が早いということらしい。


 それらが理解できただけで、かなり大きな成果だった。


 ただ唯一、この成功で魔法の難点をみつけてしまった。


 ーー魔言長い、覚えられない!


 アニメや映画で魔法の呪文を、良く覚えてるものだなぁなんて、おもったけれど、この世界でもそれはそうらしい。やっぱり魔言は記憶力だったね!


 『書き取り千回!』


 なんて、プラマさんがいいかねないので、さすがに大事なものだけ覚えて、急なことなので、全部は覚えられないと勘弁してもらった。 あとでちゃんと、おぼえやがれです、といっていたが、気のせいにしてほしい。


 そして必殺技、カンペを産み出した。

 てってれー!

 カンペを手に入れた! 


 創作の中のキャラの人たちや役者さんって、みんな記憶力良すぎだろ。なんて素直におもった。魔言を、こつこつ、使えそうなのを書き取りして補うしかない。プラマさんから、さがしてもらって初級魔法をとりあえず手帳のようなものに全部かきとりをおこなった。


 ーー自分の記憶などあてにならん!


 若い頃の記憶力など、水のようにながれるもの!


 と、決意して、カンペをあがめることにした。まだだ、まだ覚えられるとかいう、老化を恐れたいらぬ記憶力へのプライドは、魔法の前には無力であった。そもそも魔女は死んでるけど。


 そしてこれからが本番の、保管魔法となった。長かった、途中ぶっちゃけ積んだかとおもった~。なんか流力繋がらずにぶっつりなんか切れてるところがあるし。最初流力を感じられて喜んで跳び跳ねていたけど、探ってみたらそんな欠陥がみつかるとかそりゃあもう焦る。餓死まっしぐらなんだもんねもうっ、こまっちゃうよね。ほんとこまるんよね。元凶は死んでるし。


 アスリアめー!!!


この身体を設計した人の名前を叫びたくなった。

 泣けちゃうわー。


『そんな、達成したやりきった、みたいな顔しても、まだはじめて3日しか立ってないでやがります』

「もう一年ぶんくらい頑張った気がするよ~」


 きっと自分は、学校の勉強はあまりできないほうだったにちがいないと何となくおもった。

『それでも休んでられないのでやがります、一番大事なのはここからでせう、保管魔法おぼえるでせう』

「がんばりますっ」

『そのいきでせう、保管魔法は普通の生活魔法とちがって流力の変質を感じとりにくいでやがります』


 火の変質、水の変質、光の変質、土の変質など、流力の変質には様々にあるとのこと。自然界にある流力がそれらに寄ることで、変質とよぶ。生活魔法では、その流力の変質の感覚がわかりやすかった。影響がはっきりでちゃったりする。

 本来流力は無色透明らしいけど、自分の視覚がイメージとして、勝手にそう判断しているのか、火の変質は流力にほんのり赤い色がつき、燃料としてのガスや気体のような役割への変化がみえる。水の流力への変質は青の色に、粘性をもらす。などいろいろと変化がみえる。


 自分が分かりやすいように、勝手に意識的に変化をつけているのかもしれないけど。


 けど、中級以上の魔法は、複合的な変質を扱うこと、複雑な流力の処理を行うことなど、なんだか必要になって難しいとのことらしい。

中級以上の魔言や魔法の生成、開発はそれだけランクが上がっていくのだとか。正直色々ともっと詳しく勉強するとなるとより計算やら術式やら、色々専門性はあがるらしいし、こうなってくるともう、学校のお勉強みたいで、そこそこに頭がパンクしてきたが、如何せん覚えなければならないのでしかたがない。もっと楽に使えるとかそういうことはなかったらしい。魔法もお勉強が必要らしい。がっくし。 

 哀願の目で、プラマさんになきついてもだめなので、自分でどうにかするしかないのだけど。うーたすけてぷらえもん。


 それはそれとして、保管魔法は、保管するものでわかれるらしい。今回は保管するのが本の情報なので、情報を抜き取り保管することを前提とする。


 おおよそ本から情報を抜き取るときは、紙=木の流力の変質と、またそれを読み取る空間に漂う空気にとけこんだ流力の変質、読み取る光の変質などの複合的な魔法として成立されるらしい。


ーーいわれても、ぶっちゃけあんまりわからないとかいえない!


 健常な?魔女は意識せずに、これをなんなく意識せずにこなせるというのだから恐ろしいものだ。


 本の情報を、木の流力として読み込み、変質させて、それを光として記憶し、保管する。そういわれましても、かなり難しい。魔女は器用じゃないとできないのだろうか。アスリアさん器用そうだもんなぁ。マルチタスク的な?


 それでも、それでもやるしかないんだけどね!


『世界に流れる力、流力に囁く、万物に、理(ことわり)の地平を築きたまえ。広がるは無限、世にとつあるべきすべての成りたちを読み解け、解析』


 変質し始めた流力が、複雑に、交わりだす。おぼろげながら、本の情報が、抜き取られ始めた。そして、空間に漂う染まらない流力を経由して、それを光の流力へと橋渡し、記憶させる。プラマの行った魔法に近しい現象が、起こり始めたところで。流力同士が干渉しあい、あの青い本は霧散した。


「のぁああああ!」


 地面に手をついてうなだれる。かみをくしゃくしゃとかいても、魔法は成功しないのだけれど。


『練習あるのみでせう、ススもでないだけ大進歩でやがります、さあどんどんやりやがれです』

「のぁっ」

「ぐへっ」

「ぐぇ」


 そんなこんなで私は情けない声をだしながら、叱咤もとい、プラマさんに応援されて、寝るときと食事以外は魔法に費やし、数日がたつことになった。

 練習風景など、基本的にはだいたい同じことの繰り返しなので面白味もないので割愛したい。

 そもそも失敗して情けない姿を何度もさらしたところで誰得なのだろうか。だれにもしられたくないことは人にはあるのだ。あぁ恥ずかしい日記をみられているようなものじゃないか。


 あーやだやだ。


 そうして、四苦八苦し、生活魔法の時の挫折感ほどではなかったが、それから5日かけて、どうにか形になった。一ヶ月しか食料の猶予はないのだから、勉強ですでに二週間とすこしほど消費しているのでペース的には遅いくらいである。


ーー私はコピー機私はコピー機、私がコピー機!


自分を本を読み取ってパソコンにうつすコピー機が如く想像を練り上げる。イメージは大事だというし。ん、しかし、私がコピー機とは。いやいやい、余計なことを考えない。


「いくよ!」

『くるでやがります!』

『世界に流れる力、流力に囁く、万物に、理(ことわり)の地平を築きたまえ。広がるは無限、世にとつあるべきすべての成りたちを読み解け、解析』


 そばにあった、複数の本が、浮かんでパラパラとページがめくれあがり、ページが読み込まれ、青い光の文字が、本から空中に漂い始める。本、つまり木の流力の変質から、流力がながれ、空中の流力を媒介とし、光の流力に記憶される。一つの流力から橋渡しして別の流力に変えてやるのだ。熱したガラスを溶かして繊細に形を変えていくようなガラス細工のような作業だ。

 あの青い透き通ったもう一つの本が、空間にあらわれた。だがここで油断してはならない、これは対となる魔言をもって完成するのだから。


『世界に流れる力、流力に囁く、身に叡智を宿し、知恵の棚を作れ。広がるは、無限、取り入れるは知の海、我が身の内に顕在化せよ、保管』


 読み取ったあの青い光の本に、確かに栞が挟まれて、自分の指輪の中に消えていく。むずむずと、飛び上がりたい衝動が沸き上がってきたが、最後にだせるまでが、魔法の完成だ。


 『現出せよ』


そしてあの青い本が、もう一度自分の前にあらわれて、本の中身を読むことができた。しばらく内震えたのち、沈黙がながれそして、プラマとみつめあう。


「『やった……やったあああああ!/でやがります!』」


 プラマをだきしめて、跳び跳ねる。プラマははっとして、恥ずかしかったのかすぐにツンケンしだした。プラマと自分あわせて、喜びは2倍なので、そんなのはいまはいいのだ。ツンツンけんけんしてても、お構いなしにプラマに喜びの声をかけた。嬉しいときは大人?だって喜んでいいのだ。人間だもの。


『できてここで終わりじゃないでやがりますよ』

「うんうんわかってる、けど嬉しいんだよ」

『ま、まぁ今日くらいは喜んでもいいとおもうでやがりますが』

「でしょー?」


コトバガワカラナイネーから、生命線としてコトバガワカルーになるかもしれないのだからそりゃあ嬉しいよ。外国で生活しはじめたひとは言葉ができるようになったらこんな気持ちなんだろうなーとおもった。


『けど、そのだらしない顔はでも引き締めた方が良いでやがります』

「おっとそんなにだらしない顔してた」

『してたのでやがります』

「いけないいけない、ととと、ここからたくさん本を読み込まないといけないんだよね、翻訳本も千里の道も一歩から」

『とりあえず、プラマが練習してる間に、見繕ってみたものの、他に必要そうなのを二人で選んで片っ端から取り込んでみるのでせう』


 古モナネスキア語辞典、新モナネスキア語辞典、レネリアス大陸事典、生活魔法図説、世界エスカ生物事典、エスカ幻想純精種事典、危ない近寄るな魔飲(まいん)生物回避図鑑、エスカ植物図鑑大全、レネリアス大陸薬草事典、鉱石族語辞典、宝石人(ヒカリノヒト)族語辞典、巨人種の文化と生活における民俗的な知見、無毛種と翼人種の争いの歴史、レネリアス大陸貨幣と歴史、旅行観光ガイドレネリアス大陸の歩き方-郷にいっては郷に従え(コロルも合う壷に入る)-改訂版、魔女と災厄の歴史、大災厄記録と歴史そして功罪、魔女戦争-第二次アルハット荒野での戦いによるその後の汚染処理方法-、ガグゥの種類の体系化への試みと生態、……エトセトラエトセトラ。


 とりあえずそれっぽそうなのを、目録化してもらって、保管魔法で片っ端から、突っ込んでいく。現代なら著作権的にアウトなきもするけれど、言葉すらわからないし、お金にも変えたりしないし、他人にもみせたりしないので許してください!異世界っぽいし!


 とにかく、必要なものや端末に気になる本をデータとしてぶちこんでいくような作業を永遠とし続けて、さすがにもう思い付く限りのものはやっただろうと、プラマのお墨付きを、いただいたので、ぐったりと机につっぷした。


 保管した本が確かに保管されてるのを確認すると、プラマが生活魔法の整理整頓魔法で所定の位置に本を戻してくれた。


 「おわった~、でもさプラマ、これどうやって、文字読めないのに、読むの?私、モナネスキア語だっけ?わからないけど、他にもしらない言葉でかいてるのもあるし」

『本を、開いてみるでやがります』


魔法で保管された本の一つを、目録から引っ張りだして、適当に眺めてみる。やっぱり、眺めていても文字列は読めない単語のあらしだ。とおもっていたら、その文章の上に、翻訳のようなものが浮かんできた。


「お、おおおおおおお!?」

『魔法の使用者が知覚している言語で、読み取った本は翻訳されるのでせう』

「じ、自動翻訳機能だ、すごすぎるっ」

『基盤となるのは、本人が理解している言語であるのでやがります、流力が読み取った情報記録を、無意識に本人が知覚できるように変換しているようでせう、流力が勝手にそうしてくれるようでやがります、解析と保管が二つにわかれて、セットの魔法になってるのはそれが理由らしいのでせう』

「便利だ……でも、例えば、町中に看板があるとして、その看板の読み方がわからないとする、それを全部辞典から探すのは難しいよね」

『一冊の本の情報を、保管されたものをすべて取り出そうとすると、調べるのが大変でやがります』

「だよね」

『保管された本は指輪に記録されているので、そこの目録のほかに索引として文字情報が仔細記録され、必要な調べたい情報を指輪で検索すると、調べたい項目がでてくるのでやがります、取り込んだ情報限定でやがりますが』

「便利な検索エンジンかっ!」


でも調べものをするときの壁はどこの世界でも、本という情報媒体がある限り似たようなものになるのかもしれない。インターネットと、図書館の十進分類法とは、ありがたいものだったのだなぁ。


『あと本来の魔法よりマスターがすこし、ココをプラマが使いやすいように改良を加えてくれたのでやがります、仕事がふやされたので舌打ちしてやったのでせうが』

「ここの蔵書管理大変そうだもんね」

『まったく、自動染み抜き、虫対策機能がついているとはいえ、たまに日干ししたり、それなりにお手入れが大変なのでやがります』


 プラマさん苦労が、滲みでているなぁ。労ってあげなければ。今苦労をかけている張本人だけれど。いつかは役に立つくらいになれれば良いなぁ。

 さてと、見知らぬ言語を読み解く問題はかなり改善されたきがしたが、肝心の発話のほうは、解決できてないのではないのだろうか。


 「あのープラマさん、読んだりはできそうになったけど、喋るのは」

『ふふふふ、ここまできたら最後の一手でやがりますっ、必要な最後の魔法、この魔法のための、これまでは前段階だったのでやがります』

「解析魔法の派生とかっていってたもんね」

『解析と、保管ができていれば、次の魔言で発動が可能になるのでせう、復唱するのでやがります』

「う、うん」 


『世界に流れる力、流力に囁く、我が身に宿る知恵の門に接続せよ、世にある言の葉を、我が意識の野に解き放ち、読みときたまえ変換』


「世界に流れる力、流力に捧ぐ、我が身に宿る知恵の門に接続せよ、世にある言の葉を、我が意識の野に解き放ち、読みときたまえ変換」


目の前に青いデジタルスクリーンのようなものがあらわれる。


『今からマスター(仮)と、同期を一部きるのでやがります、モナネスキア語で話すから聴いているでやがりますよ』


 何をするのだろうと、首をかしげながら、とりあえず頷いた。それから、すぐプラマが見知らぬ言語で話し始める。最初は耳慣れない言語でやはりわからないじゃないかとおもっていたが、脳内でその言語を追うように、自分の知覚している言葉で、内容が入ってくる。テレビでリアルタイム翻訳している人がいるのを聴いているようものだ。そしてその内容が同時に、デジタルスクリーンのような画面に、翻訳されて、自動追記されていく。


 『なんていったかわかったでやがりますか?』

「物覚えが悪い弟子もこまったものでやがります!」

『よく聞こえてやがりますねぇ』

「聞こえてるよ!いってることは余計だけどっ!」

『じゃあ次は、それに対していいたいことを考えて、いいかえしてみるでやがります』

「考えればいいの?」


ーーできが悪くてわるかったなこんちくしょー!でも手伝ってくれてありがとなー!


 と考えてみると、あのスクリーンに、モナネスキア語で言葉が表示される。そして、口語で発音表記や読み方が表示されるので、たどたどしいが、それをそのまま読んでみる。


 『ふふん、感謝しやがれです』

「つ、つたわった?」

『片言ではありやがりますがつたわってるのでやがります、これが生活魔法の上級、変換魔法でやがります』

「てっ、上級!?」

『あれふたつができれば、この魔法がどうにかなるのでやがりますが、これら三つの魔法が組で必要になるので、上級の分類になってるのでせう、上級なんていったら、怖じけずいていたでせう』

「たしかに……ありうるっ、ありうる、けどおおおおおお!? うぅぁっ、これがたどり着きたかった境地か~、感涙っ」


 先程の魔言は、保管魔法の派生上位互換である、変換の魔法なのだそうだ。解析と保管の魔法が揃って、その情報から、抜き出し変換する魔法になる。物理的な変換じゃなく情報の変換という意味で変換魔法らしい。これは翻訳もになう法術士が創造した魔法で、次第に改良されて今のかたちになったらしい。昔の人が道具を開発したものを、改良して今便利に使えるようになったりするのと同じように。


 取り込んだ情報のアーカイブにアクセスして、聴いているものや見ているもの、自分の認識しているものを、自分の知っている情報と置換しててらしあわせ、記録されたものの中で解説、翻訳する生活魔法の上級魔法、プラマが会得させたかったのはこれだったらしい。


 『これをつかえば、最低限の、数字、はい、いいえ、おねがいします、挨拶などの、そういう基本語彙を綺麗に発音できれば、これが補助してくれて、買い物くらいはできるとおもうのでせう、最悪うまく発音できなくても、記載されてる文字を紙に書いて伝えれば、会話が可能になるのでやがります』

 「そこまで考えてくれてたなんてぇ~」

『泣くなでやがりますっ鼻水ふくのでせう』

 「だってー」

『きょ、今日くらいは頑張ったのでいっぱい寝ても良いのでせうよ』

 「やったー!」

『浮かれすぎるなでせう、まだガグゥの問題があるのでやがりますからねっ!』

「そうだった……でもとりあえず、会話できるってすばらしいー!」


 その日しばらく跳ね回った。


ーー言葉が通じない不安って、めちゃくちゃでかくない?でかいよね?ありがとうこの魔法を産み出してくれた人!


 しばらく五体投地で、その人を拝みたくなった。


『けれど注意しておくことがあるのでせう』

「ん?注意」

『この方法ができるのは、マスター(仮)が魔女だからでやがります、取り入れる膨大な情報の解析と保管は、流力をとりいれられる容量で違いがでるのでやがります、つまり一般人は何百冊もできないのでやがります』

「これはじゃあ、魔女だからできた反則手段?」

『そうでせう、これは、どうしても、必要だったからした荒療治のようなもので、できれば、後々、レネリアス大陸の公用語のモナネスキア語は、おぼえた方が良いのでやがります、だから、できれば変換魔法を用いたりしてることは、あまり悟られないようにすることをおすすめするのでせう』

「うん、魔女バレしやすくなるってことだよね、わかった」


『あと魔言は本来、短縮することで威力が変わったり発動しなかったりするので、すべて唱えることが推奨されるのでやがります、けれどベテランの流術士のなかには、法術器を使って補強し、短縮詠唱が可能なものもいるのでやがります、マスターは魔女なので本来、魔言何て必要ないようなものなのでやがりますが、次第に慣れて熟達すれば詠唱なしで、解析と保管、変換を可能になりやがります、そうすれば怪しまれずにすむのでせう』

「これで終わりじゃなくここからが練習か」

『そういうことでやがります、これから、解析保管変換の魔法は毎日使って毎日こなして、旅立つまでに、できうるかぎり慣れることでせう』

「わかった」


魔法を発動しっぱなしにすれば神経をすり減らすし、あの長い詠唱が聴かれているならば怪しまれるのはその通りだ。解析、保管、変換、これらを、唱えるだけでせめても、発動させられるようになりたい。


『これでいくまでに、だいたいプラマが教えたい買い物に必要な大事なことは、教えたでやがります、あとは簡単な挨拶などは日々取り入れていくなかでおぼえていくのでせう』

「ありがとう、プラマっ」

『も、もちろんいくまで、ポンコツな雑魚雑魚マスター(仮)のことは色々と試していくでやがりますが……』

「あのね、プラマ、正直、いうと、このままさ、魔法とかできなくてさ、話しもできなくてそとにでてたってどうなるかわからなくて不安だったんだけどさ、プラマのおかげで、希望っていうのかな、見えた気がするんだよ」


ここをでて、どうやって生きていけるのだろうという不安はあった。食料はつきるし、言葉は通じなさそうだし。ガグゥはいる。見知らぬ世界でどうにかしなければならない不安というのは想像を、絶するほどに、どこか心の奥底で自分を苦しめてきたようなきがする。本当に今プラマがいなかったら、自分はどうなっていたのだろう。本当に感謝してもしきれない。


『ま、マスター(仮)の世話をするのが、プラマの役目でやがりますからね、まぁ、感謝してもらってもいいでやがりますが』

「ありがたや~プラマ様~」

『これからも、有能なホムンクルスを大切にするのでやがります』


 照れ臭そうなプラマさんをムギュっと抱き締めて。ようやく魔女生一歩がはじまったきがしたのだった。

 あれから、食料が少なくなっていくなかで、もう一つの課題、ガグゥ対策についてプラマと蔵書館で話し合った。そのなかで、四つの対策を考え付く。


 まず、戦わないで勝つ、身を守る術を得るにはどうすれば良いのか。弱い人間もとい魔女が一番できる安全対策は逃げる1択だ。あとは認識されない、相手にされないがある。


「透明人間になったりする魔法とかないの?」

『あるでやがります』

「あるの!?」

『ただ、最上級のすごい魔女でもないと使うのが難しい魔法でやがります、あれは、自己の肉体を完全まで空気の流力と、同一化し常時流力を操り続ける高難度技法でやがります、しかるべき方法で対策をとっておかないと練習中に空気にとけて戻れなくなるなんてこともあるのでやがります』

 「こっわっ、ちなみにプラマのマスター、アスリアはできた?」

『できたでやがります』

「この出来の落差よ!?」

『頭とか魔法のできだけは良すぎたマスターと比べてしかたないでやがります』

「ぐぬぬぬぬ……つらい、無い物ねだりしても仕方ないけど、うーんうーん、じゃあ、透明になるのはむりでも、ガグゥに追い付かれなくなるくらい早く動く魔法とか?」

『あるのでやがります、ただ練習しないとはやすぎて視認と肉体と脳みその感覚がずれて、木にめり込むでやがります』

「め、めりこむっ!?」

『ちなみにマスターは練習しなくてもできたでやがります』

「だめおしで、いらないよその情報!?」

『とりあえず、だめだめマスター(仮)のために接敵しても、どうにかなる方法が一番でやがります』

 「面目次第もございません、ありがとうございます」

 『そこでとりあえずガグゥの生態から考えてみたでやがります』


 プラマは、ガグゥの生態について書かれた図鑑をもってきた。


『ガグゥは、太古何により発生したかは、謎に包まれており、地を這う蛇が羽根を獲得したものであるというものや、あるいは魔女の落とした忌み子だという説があるが、他の信仰形態によると、神罰により姿をかえた神の眷属だという伝承もある。いずれにせよ、現、段階のガグゥの生育においてわかっていることだが、ガグゥ科のものは卵生のものと、胎生のもの両方確認されているということである。沼地に生息するものは卵生のものが多く、森林などに住むものは胎生のものが多く確認されている』


可能性として、調べた種類によると、この要塞のまわりにすむものは、胎生のものが多いのかもしれない。卵生であると、群れで行動する時、卵の警戒にあたる個体も必要になるだろう。特定地域をきめる沼地のガグゥ科のものは、おそらくそこを離れることがすくなく卵生へと進化していったのかもしれない。


「ガグゥって嗅覚が鋭そうだし、ご飯の匂いかぎつけてくるくらいだし、窓開けたらきたくらいだから、誘き寄せて、その隙にとかできない?」


「ガグゥは、肉食を好むので、その香りでおびきよせることはできるとおもうのでやがりますが、多く新鮮な肉や血が必要でやがりますし、それを用意するまでに、全滅してしまう可能性がたかいのでせう』

「うっ、それなら、確かに全滅しそう」

『あとは、考えられるとしたら臭いについてといえば、反対に他の強いガグゥの縄張りに入ることはないでやがりますね、鋭敏にその匂いを感じとり近寄らないとか』

「強いガグゥ……も、もしかしてさ、アスリアさんが貯蔵している物品の中にめちゃくちゃ強いガグゥの匂いが着いてるものとかない?」


『なるほど、その手がありやがりましたか!あるでやがります、強いガグゥの鱗や牙が、これでこれをみにつければ、不用意にはガグゥもよってこない可能性が高いでやがります』

「これなら戦わなくても勝てるかも!?」


『あとでプラマが探してくるでやがりますっ、あとはもう少し安全対策はしたいでやがりますね、身を守る手段というやつでせう』

「そうだよね、あとこの本の項目によると嗅覚と聴覚が鋭いってことは、反対にそれに弱いってことだよね、煙幕とか、閃光をおこすとか、爆音とかだせる魔法があれば、何かあったときにげたりできるかも」

『閃光魔法や音を出す魔法は、初級生活魔法の応用でやがります。変換魔法より簡単でせう、期限内にはおぼえられるかもしれないでやがりますっ』


「かなり生存の可能性が見えてきた!」

『方向性がさだまりやがりましたね、残り数日、試せることは試していくでやがりますよ!』

「おー!」


こうして一月にわたる、目覚めた場所からでられないとかどうすんのよこれ、もとい塔脱出計画?は、佳境にいたったのだった。


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