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ひかり〜約束の花〜  作者: せいら
残された親友
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繋がる心

私、結城ひかりは、フィオラから花冠を受け取る夢を見た翌朝、不思議なくらい心が穏やかで、窓から差し込む光を見つめながら新しい一日が始まる予感を感じていた。

部屋を出る。

廊下にはレオンが立っていた。

「おはよう」

「おはよう、レオン」

自然に笑顔になる。

するとレオンも少しだけ表情を柔らかくした。

「今日は元気そうだな」

「うん!」

私は大きく頷いた。

「いい夢を見たから」


俺、レオン・ソレイユは、ひかりの笑顔を見た瞬間に胸の奥が温かくなるのを感じていた。

その感情にまだ名前を付けることはできず、ただ守りたいという想いだけが少しずつ大きくなっていた。

「今日は花畑へ行かないか」

思わず口にする。

ひかりは目を輝かせた。

「行きたい!」

その無邪気な笑顔に。

思わずこちらまで笑ってしまう。


俺、シリウス・ルナリアは、訓練場から戻る途中で並んで歩く二人を見つけたのだけれど、その光景を見た瞬間に胸が少しだけ痛んで、自分でも理由が分からず足を止めてしまっていた。

「兄上?」

アリアが隣へ来る。

「どうしましたの?」

俺は苦笑する。

「いや」

「何でもない」

そう答えた。

だけど。

視線は無意識にひかりを追っていた。

アリアはその様子を見つめながら小さく微笑む。

「やっぱり」

その呟きは誰にも聞こえなかった。


わたくし、アリア・ルナリアは、兄であるシリウスの表情が少しずつ変わってきていることに気付いていた。

その変化は千年前のルナとどこか重なって見えて胸が少しだけ切なくなっていた。

「兄上」

私が呼ぶ。

シリウスが振り返る。

「ひかりのことがお好きなのですね」

その瞬間。

シリウスは固まった。

「なっ……!」

珍しく動揺している。

私は思わず笑ってしまう。

「そんな顔、初めて見ましたわ」

シリウスは顔を背ける。

「違う」

そう言いながら。

耳だけが赤くなっていた。


私、佐伯美咲は、その日の帰り道を一人で歩いていたのだけれど、夕焼け空を見上げた瞬間に理由もなく胸が温かくなって思わず立ち止まっていた。

「ひかり」

名前を呼ぶ。

風が吹く。

白い花びらが舞う。

そして、頭の中へ声が響く。

『笑って』

優しい声だった。

私は自然と笑顔になる。

「うん」

誰に返事をしたのか分からない。

だけど。

その瞬間だけは。

ひかりがすぐ隣にいる気がした。


私、結城ひかりは、レオンと花畑を歩いていたのだけれど、一面に咲く白い花を見た瞬間に夢で見た景色と重なって思わず立ち止まっていた。

「どうした?」

レオンが尋ねる。

私は花を見つめる。

「ここに来たことがある気がする」

レオンは静かに微笑む。

「俺もだ」

二人で空を見上げる。

青い空。

優しい風。

すると。

ひらり。

一枚の白い花びらが二人の間へ落ちた。

私はそっと拾う。

その瞬間。

遠くから笑い声が聞こえた。

フィオラ。

アルス。

ルナ。

セレナ。

四人が笑っている。

だけど。

その笑顔は少しずつ今の私たちへ重なっていく。


俺、シリウス・ルナリアは、少し離れた場所からその光景を見つめていたのだけれど、不思議と嫉妬だけではなく、ひかりが笑っていることへの安心感も同時に感じていて、自分でもその気持ちに戸惑っていた。

その時。

隣にアリアが立つ。

「兄上」

「何だ」

「ひかりは笑っている方が素敵ですわ」

俺は静かに頷く。

「ああ」

それだけだった。

だけど、その返事には確かな想いが込められていた。


その夜。

私、結城ひかりは夢の中で再び白い花畑へ立っていた。

少し離れた場所には美咲。

その隣にはアリア。

三人は自然と歩き出す。

そして、同じ場所で立ち止まった。

誰も言葉を交わさない。

それでも。

心だけは確かに繋がっていた。

すると。

遠くからセレナの声が聞こえる。

『それでいいんだよ』

『離れていても』

『心は繋がっているから』

白い花びらが夜空へ舞い上がる。

三人は同じ月を見上げる。

違う世界で。

違う場所で。

それでも。

同じ願いを胸に抱きながら。

そして運命は静かに、新たな真実へと歩み始めていた。

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