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ひかり〜約束の花〜  作者: せいら
月と太陽の架け橋
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31/58

美咲の夢

分かりずらかったため、大幅修正しました

ご迷惑おかけしてすみません

私、佐伯美咲は、ひかりが突然姿を消してから何ヶ月も経っているというのに、今でも朝起きるたびに「もしかしたら帰ってきているかもしれない」と期待してしまっていて、そのたびに空っぽの現実を突きつけられていた。

教室へ入る。

窓際の席。

ひかりの席。

今もそこだけ時間が止まっているようだった。

「おはよう、美咲」

クラスメイトが声をかけてくる。

私は笑顔を作った。

「おはよう」

みんな心配してくれている。

だけど。

誰もひかりを見つけられない。

警察も。

先生たちも。

家族も。

誰も。

私は席へ座りながら窓の外を見た。

青空だった。

「ひかり……」

小さく呟く。

その名前を呼ぶたびに胸が痛くなる。

授業が終わった放課後。

私はいつものようにひかりの家へ向かっていた。

ひかりのお母さんもお父さんも、今では私を本当の娘みたいに迎えてくれる。

「美咲ちゃん、来てくれたのね」

「はい」

私は笑顔を作る。

だけど。

本当は泣きたい。

ひかりの部屋へ入る。

机。

本棚。

制服。

全部そのままだ。

私は机の上に置かれていたノートを手に取る。

そこには綺麗な字で将来の夢が書かれていた。

『たくさんの人を笑顔にしたい』

思わず涙が零れた。

「ひかりらしいな……」

本当に、どこまでも優しい。

その夜。

私は自室のベッドへ横になった。

最近は夢を見ることが増えていた。

不思議な夢。

知らない場所の夢。

知らない人たちの夢。

だけど、どこか懐かしい夢だった。

やがて意識が遠のいていく。

そして私は夢の中へ落ちていった。

白い花畑だった。

優しい風が吹いている。

見たことがない場所なのに懐かしい。

私はゆっくりと歩き出した。

すると遠くに誰かが立っているのが見えた。

女の子だった。

長い髪。

優しい笑顔。

どこかで見た気がする。

少女は私を見ると微笑んだ。

『やっと会えた』

私は目を見開く。

「誰?」

少女は少しだけ寂しそうに笑った。

『まだ思い出せないよね』

その声を聞いた瞬間。

胸の奥が熱くなる。

初めて会ったはずなのに。

涙が出そうだった。

「どうして……」

私が呟く。

少女はゆっくりと近付いてきた。

そして私の頬へ触れた。

その手は温かかった。

『ずっと待ってた』

「待ってた?」

『うん』

少女は優しく頷く。

『だって私たちは――』

その瞬間。

強い風が吹いた。

花びらが舞い上がる。

少女の姿が霞んでいく。

「待って!」

私は手を伸ばした。

だけど届かない。

少女は最後に微笑んだ。

そして。

『ひかりをお願い』

その言葉だけを残して消えていった。

私は勢いよく目を覚ました。

「はぁっ……!」

時計を見る。

深夜三時だった。

夢。

そう。

夢だった。

だけど、あまりにも鮮明だった。

私は胸を押さえる。

まだ温もりが残っている気がした。

「誰だったの……?」

知らない少女。

なのに、懐かしかった。

そして、最後の言葉。

『ひかりをお願い』

私はゆっくりと窓の外を見る。

月が輝いていた。

その瞬間だった。

頭の中に一つの名前が浮かぶ。

理由は分からない。

聞いたこともないはずなのに。

自然と口から零れた。

「セレナ……?」

自分でも驚いた。

どうしてそんな名前が出てきたのか分からない。

だけど、胸が締め付けられる。

まるで、大切な人の名前を呼んだみたいに。


同じ頃。

私、結城ひかりは、異世界の空に浮かぶ満月を見上げながら、なぜか美咲のことを思い出していたのだけれど、その夜はいつも以上に会いたい気持ちが強くなっていた。

「元気かな……」

小さく呟く。

返事はない。

だけど、どこかで誰かが私を呼んだ気がした。

風が吹く。

そして白い花びらが夜空を舞った。

私は知らなかった。

今この瞬間。

離れた二つの世界で。

二人の親友が同じ月を見上げていたことを。

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