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ひかり〜約束の花〜  作者: せいら
夢と召喚と
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隠された第三の王国

私は会議室から戻った後も、ネヴァという名前や闇の国の話が頭から離れなくなってしまっていたのだけれど、今までソレイユ王国とルナリア王国しか存在しないと思っていた世界に実はもう一つの王国が隠されていたなんて信じられなくて、ベッドへ横になってもなかなか眠ることができなかった。

闇の国。

ノクティス王国。

そして、ネヴァ。あの声。あの瞳。

思い出すだけで胸がざわつく。

怖いはずなのにどうしてだろう。

どこか悲しそうに聞こえた。

その時だった。

ーコンコン

部屋の扉が叩かれる。

「ひかり?」

アリアだ。

私は慌てて起き上がった。

「入ってー!」

扉が開く。

月明かりのような髪が揺れる。

アリアは少し困ったような顔をしていた。

「眠れませんの?」

アリアが隣へ腰掛ける。

私は苦笑した。

「アリアも?」

「ええ」

二人で顔を見合わせる。

そして、少しだけ笑った。

「ねえアリア」

私は窓の外を見ながら尋ねた。

「ソレイユ王国とルナリア王国って、昔から仲悪いんだよね?」

アリアは静かに頷く。

「はい」

少し寂しそうだった。

「わたくしが幼い頃からですわ」

アリアは月を見上げる。

「国民の中には太陽の国を嫌う方もおります」

風が吹く。

カーテンが揺れる。

「ですが」

アリアは微笑んだ。

「わたくしは嫌いではありません」

私は少し安心した。

「レオン様も」

「うん」

「お兄様も」

「うん」

「本当は優しい方ですもの」

私は笑った。

その通りだと思う。

二人とも口は悪いけど。

根は優しい。

「なら絶対仲良くなれるよ」

私はそう言った。

すると、アリアは少しだけ驚いた顔をした。

「ひかりは本当に不思議ですわ」

「え?」

「普通なら諦めてしまいます」

私は首を傾げる。

諦める?

どうして?

「だって」

私は笑った。

「まだやってないじゃん」

アリアが目を丸くする。

「やってないのに無理って決めるのもったいないよ」

沈黙。

そして、アリアは小さく吹き出した。

「ふふっ」

「なに!?」

「ひかりらしいと思っただけですわ」

私はむくれる。

だけど。

アリアは嬉しそうだった。


その頃。

俺、シリウス・ルナリアは王宮の書庫へ向かっていたのだけれど、昼間の会議でひかりが見せた反応がどうしても気になってしまい、千年前の記録をもう一度確認する必要があると感じていた。

古い本棚。

積み重なった資料。

その中から一冊の本を取り出す。

王族しか読めない禁書。

そこには、千年前の記録が残されていた。

「やっぱりか……」

俺は眉をひそめる。

そこに描かれていた絵。

白い花畑。

長い髪の少女。

そして。

紫色の瞳を持つ女性。

ネヴァ。

昔から、その名前は災厄そのものだった。

だけど。

記録を読み進めるうちに違和感を覚える。

「……?」

あるページが不自然に破られている。

まるで、誰かが隠したみたいに。

「誰がこんなことを……」

その瞬間。

背後で物音がした。

俺は振り返る。

誰もいない。

だが。

確かに感じた。

何かがいる。


その頃。

わらわ、ネヴァは玉座へ座りながら水晶の中のひかりを見つめていたのだけれど、その笑顔を見るたびに胸の奥に押し込めた記憶が蘇ってきてしまい、千年前に終わったはずの感情が再び疼き始めていることを認めたくなかった。

「変わらぬのう」

わらわは小さく呟く。

笑顔も。

優しさも。

何もかも。

あの頃のまま。

だからこそ、許せない。

「フィオラ……」

その名前が闇へ溶ける。

憎しみ。嫉妬。執着。愛情。

全てが混ざり合う。

そして、ネヴァは静かに立ち上がった。

「準備を進めよ」

黒い影たちが跪く。

「第二の封印を探し出すのじゃ」

その言葉に、影たちが一斉に動き出した。

千年前の戦いが。

少しずつ、再び動き始めようとしていた。

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