68話 フューエルの親
早めに更新しました!
マイ視点
私たちはフューエルの家に案内された。道の途中でいろんな人がフューエルを見て唖然とする。女子はキャーと言って飛び込んでくることをする人もいた。
「私たちはちょっとした有名人になりそうだよね……」
私とナナはそう話をしながら歩いていく。ライとヨクは何も話さず歩いている。歩いて10分経った頃、店が見えた。その店の名前は『修理屋 フュー』。看板にはクモの巣があちこちとあり、周りの店は大繁盛しているのにこの店だけ誰も入らない。
「着いたよ」
フューエルが指をさした場所はその修理屋。少し曲がった扉を開けて中に入る。
「母さん久しぶり~!」
暗闇の場所に向かってフューエルが言うと、奥からはいはーい!と元気よく言いながら出てきた。
「おかえりなさーい!!」
飛びついてくるフューエルのお母さんらしき人。目を丸くさせながら見ていると、お母さんは顔の周りに花が咲いたかのような満面の笑みでこちらのほうを見つめて。
「わぁー!!お客さん!?それともフューエルの連れ!?私の子供に惚れたの!?まあそうよねー!!カッコいいもの!」
私の手を握りながらフューエルのことを話していると、暗闇からまた人の姿。体つきが良い男。
「おいおい、ニイ……そこらへんにしておけ……あの子たち困ってるぞ?」
まともの性格の男。その人はフューエルが父さんと言って紹介してくれた。フューエルのお母さんの名前はニイ。父さんはフュース。
「それじゃあみんな!!ご飯にしましょ!!」
部屋の電気をつけ、キッチンへ向かう。こちらはアキをどう助けるかについて考えていようと決めて椅子に座った。
「アキ君は、最強の魔王と呼ばれている人に連れて行かれた。でも場所が……」
全員頭を抱え考え込む。
「どうしましょう……」
「ああ、どうすればいいんだろうな……」
ヨクは本を読みながらうなずく。
アキ君のいる場所はどこなの……どうしよう……本当に……
何も考えが出てこず雰囲気がどんよりとしていた時。
「おーい!!ご飯できたよ~!」
鍋を持ちながらこちらに走ってきた。満面の笑みで。さっきの雰囲気を壊すかのように来るフューエルのお母さんを見たら、私は少しどんよりとした感じがなくなった気がして気が楽になった。
「ありがとうございます!鍋料理ですか?」
「そうよ~!今日は張り切っちゃった!」
テーブルにドンと音を立てて置く。鍋の中には豆腐、ホウレンソウ、ネギ、肉などが入っている。肉はモンスターの肉と言われたけれど、とてもモンスターとは思えないほど美味しそうな肉。ヨクまでよだれを垂らしてみるほど。
お、美味しそう……早く食べたいなー……
「それじゃあ食べましょう!」
お母さんがそう言うと全員すぐに箸を持ち鍋料理に手を付けた。それも最初取り合いになった具材は肉。
「おいヨク!それ俺が狙ってた肉だ!!」
「僕は知りません!」
ヨクは肉を口の中に入れる。すると急に後ろに倒れて。
「お、美味しすぎる……」
他のみんなが食べてもヨクと同じだった。バタバタと倒れていく光景は逆に恐怖。マイも口に入れようとしたけれど倒れているみんなの姿を見て私はいったん食べるのをやめる。
「怖いからちょっと食べるのは……」
お母さんは肉を食べても倒れずただ笑顔で食べて、お父さんのほうは肉以外を食べ進め、肉を避けていた。マイはお父さんの食べ方と同じにすることにした。
「おいしい、このネギ……野菜の味が良くなってる。この汁が何かしてるのかな」
鍋の具材はすぐなくなり、ライたちを置いてこの店で眠らせてもらうことになった。お母さんに言われた部屋に向かい、そこにあったベットにマイは腰を下ろす。
「今日は疲れてるから寝ようかな……明日からすぐにアキ君を助けに行かないと」
ばたんと音を立ててベットに横たわり目を閉じた。ライたちはマイが部屋に向かって数分経ったときに目を覚まし、同じようにお母さんに教えてもらいすぐに寝た。
ピーピピッ!!笛の音が部屋に響き渡る。その音に驚きマイはベットから飛び起きて、笛の音がしたほうを見るとお母さんが笛をくわえながらこちらのほうを見ていた。おもわず、え?と声を漏らしてしまうがお構いなしに笛をまた吹く。
「ピー!!!起きましたか~?」
戸惑いながらも小さくうなずくとお母さんは違う部屋に向かって走って行った。たぶんライたちの部屋へと……
「すごいなフューエルさんのお母さん……元気で……」
寝癖でぼさぼさだった髪を整え部屋を出て、少し歩いているとお母さんの笛の音がいたるところで不備くわたっていき、その音で全員が部屋から飛び出してきていた。
「みんな、お、おはよう……耳は大丈夫?」
すると手で耳を抑えながら横に首を振り、目を見ると涙目。相当の笛の音だったんだと思う。
ま、まあそれはいいとして……今日からアキ君を助けに行く。気合い入れていかないと。
大きく深呼吸をした後、夜に座っていたイスに座りテーブルに用意されていたパンを食べる。そして部屋に戻り剣やポーションをカバンに入れてみんなの準備を待つ。
「おーいできたぞマイ!」
「私もできました!」
「僕もできたよ。フューエルは先に騎士を連れてきてから行くってさ」
「分かった!!それじゃあ行こう!アキ君のところに!」
それぞれ返事をして、フューエルのお母さんとお父さんに見送られながらアキのもとへと向かった。
?層の城
ゼロはマイたちの様子を水晶玉を使ってみていた。
「あら……今からここに来ようとしているの?あの人たちの層は17層。私たちまですぐには追いつけないでしょうね……」
すると目の前の地面に魔法陣が描かれそこからレイが現れた。本を片手に持ちながら。
「姉さん、どうですか?あの人たちは」
レイはそう言った後本を閉じ、ゼロのほうを向く。
「大丈夫よ。ここまで来れるほど魔力はないし、強くもないわ」
「それもそうですね……これから計画についてアキに話そうと思いますが姉さんがしますか?」
少し悩むがゼロはレイが行きなさいと言い、玉座に座った。少しがっかりしているのか、雰囲気はどんより。
「わ、分かりました……本当にいいのなら……では行ってきます」
下を向きながら小さくうなずき、レイの姿が見えなくなった瞬間ため息をついた。
「あーあ……私が言っておけばよかったわ……」
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