60話 『闇と闇』
頑張って書きます!
ヨク視点
「マジック、ウォーター」
町を歩き回っていると、ところどころに燃えている場所があった。その場所に魔法で水をかけまくって火を消す作業をずっとしていた。
「はぁはぁ……疲れた……魔力も尽きそうだ……」
僕はなんでここまでしているんだろう……
そう思ったとき、アキの泣いている姿が頭の中で浮かび上がる。
……はぁ、そういうことですか……僕は無意識にアキさんを助けてあげたい。笑顔にさせてあげたい。そう思っていたようですね。
そう思いながら、また歩き始めた。進みながら火を消して、進んでは消して、ということを繰り返しながら町中を歩き回った。そこには人の骨までもあった。
「ひどい……この様子だとやっぱり誰かが町を燃やしたんだ……」
人の骨も地面に埋めてあげることにした。埋めていく中で、普通に大人の人の骨もあったり、ちっちゃい子と思われる骨もあった。
本当に……なんでこんな小さい子まで殺そうとしたんだ……おかしいだろ……絶対に……そんなやつ、殺してしまえばいい、殺そう。
目が黒色から紫色に変わっていった。すると目の前に白い霧が出てきた。
「なんだ!?白い霧が!」
視界は真っ白。本当に何も見えない状態。けれど、その霧はすぐ消えていった。霧が消えて見えた景色は、町ではなく、草原、何もない草原。
「ど……どこ?」
今の状況に驚きながら周りを見渡すと、少し奥に、男の人がいることに気づいた。その男は自分のほうを急に向いてきて、不気味な笑みを浮かばせながら言った。
「またまたお客さんだね。僕の名前はザイン。君もアキの仲間かな?」
なんでアキさんの名前を……
ザインは近づいてきて目の前に手を出す。
「いい目の色をしている。その紫色の目こそ魔王にふさわしい!。お前がアキと組むのはもったいない。これから魔王として歩め!まあ、今ならないといってもいずれはなるけどね!」
僕は、魔王になんかなりたくない。今もこれからも、絶対に。なってどうする。それで夢がかないますか?って聞いても無駄でしょうね……でもアキさんなら答えてくれる。いくら僕が嫌っていてもあの人は来てくれた。夢に向かっている僕を手伝ってくれた。
「僕は魔王になんかならない!お前は何も知らない。前の僕みたいだ。たぶん前の僕だったら快く引き受けたト思いますが、今は違う。まったく、あの人のおかげで」
ザインは少し怒ったのか、魔法陣を地面に描き始めた。
「どうせ僕に魔法を撃って眠らせようとでもしているんでしょうが無理です」
「馬鹿なことを言うな!お前は全く強くない!」
下を向いて少し考えた。
ザインにどうやって反論したら……言っていることがあっているから何も言い返せない……でも、アキさんが言ってくれたんだ。「じゃあ俺は信じる!お前を信じる!強くなれ!そして守れるようになれ!!」って!
目が金色に光出し、地面にひびが入る。
「僕は弱い!でも背中を押してくれる人、目指している人が近くにいる!その差が僕とザインの強さ関係なくザインに勝てる力になる!負けない!」
するとまた不気味な笑みを浮かばせて言う。
「無理だな。結局強さは存在する」
そう言って剣を抜く。そしてこっちに向かって走り出した。慌ててシールドを張って耐えたが、上に魔法陣があることに気づかず、そこから出てくる黒い炎に当たってしまった。
「うっ……まだ……まだ負けない。マジック、ダークリーフ!」
ザインの足にまとわりつくが、なぜかつるが消滅した。
「こんな魔法は威圧だけで壊れる。簡単すぎてつまらない。魔王にふさわしいけど弱すぎて話にならない」
すると、めまいが起きて、地面に倒れこむ。自分に何が起こっているのかもわからず。
「僕は……炎に当たった……でも……なんで」
ザインは笑いながら言った。
「1つがあっただけでそこから複数に連鎖する。そんなことはいくらでもある。君はそんなこともわからないなんて。あーあ、面白くない」
手を前に出してそこに魔法陣を描く。その魔法陣をヨクのほうを向けた。
「眠っててねー。アキが死んだときに起こして死体を見せてやるよ!」
「あ……やめ……て」
そして意識がなくなって全身の力が抜けた。
アキ視点
「全然いないな……」
ずっと走り回っていても誰もいない、何もない。ただ焼かれている家や店だけ。どこに行ってもその景色だった。
「こんなことしたのは誰なんだよ……本当に」
何もないところに走っている自分姿がよくわかる。音は燃えている火の音、走っているときの足の音。ただただそれだけ。
「はぁはぁ……疲れた。リハビリをまたしている感じだな……」
すると奥にヨクの姿が見えた。ヨクに向かって走って行った。けれど白い霧が出てきて、ヨクの姿が消えた。
「どこに行った?おーいヨク!」
いくら叫んでもヨクの返事はなく、その霧の中に入ってみることにした。中は真っ白、何も見えない。その光景に少し不安と焦りを感じていた。
「どこだ、どこにいるんだヨク」
少し時間が経つと太陽の光が差し込んだ。霧はどんどん消えていく。そこに見えた景色。それは草原だった。
「……どこに……?どこだ?」
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