58話 『光』
頑張ります!
ナナ視点
どうにかライさんが行ったところに私も行かないと……
もし何かあったら、そんなことあったらいけない。
「マジック、ワープホール!」
ワープホール。この魔法は名前とそのまま、魔法陣を出して、ワープホールを作る魔法。
私が考えているのはさっきのワープホールが消えてすぐなら、まだつながっている道は存在しているかもしれない。それを探していく。
何度も試してみるがまずワープホールが作れない。
「なんで……私は前まではできていたのに……これじゃあ、ライさんに何かあっても行くことができない」
今起きていることに絶望し、向こうでは何が起きているのかという不安で頭の中がいっぱいになっている。他のことを試しても結果は良くない。良くないどころか何も結果が出ない。正直泣きそうになっていた。
「こんな私じゃ何もできないんだ……」
下を向き落ち込んでいると、頭の中で声が響いた。
「あなたならできる」
女の子の声?私ならできる?この人が誰なのか知らないけど私のことを全く分かっていませんね……泣き虫で怖がりで、偉そうに言うけど結局何もできない。
「無理です」
そういうと、謎の女の子は言った。
「私だって怖がりだったけど強くなれた人なんだよ?できる。絶対に」
力強く言われた。この人はいったい何者なのか、なぜ励ましてくれるのか、背中を押してくれるのかが不思議でたまらなかった。
「あなたはいったい……」
すると少し悩んだのか、少し時間が経ったときに言った。
「そうだね……名前を言うのは決まりがあって言えないんだけど、精霊。あなたについている精霊。種族は『光』」
精霊……私に精霊がついていたなんて……それも『光』。どうして私なんかに光の精霊が来たんですか……本当に、なんでですか。
そう思いながら膝から崩れ落ちる。目からは大粒の涙が勝手に流れていた。なんで、と言いながら涙を拭き、立ち上がろうとする。しかし足に力がどうしても入らず立ち上がれない。涙も流れ続けた。光の政令は言った。
「あなたは闇に嫌われている。それはすごいことなの。闇は厄とか悪いことが逃げていくってことなんだよ?相手が逃げているのにあなたが逃げてどうするの?戦おうよ!怖がりでも泣き虫でもいい、戦おう!ね?」
そう言われた瞬間何かの糸が切れたような気がした。
「そうですか……あなたがそんなこと言っていただけることが嬉しいです。何か吹っ切れたような気がしました。でも、私は何もできない人です。他の人にしてください。私は自分で何とかします」
すると魔法陣が真上に作られ、そこから太陽の光以上に輝いた光が差し込んでくる。
燃やされそうなほど熱い光だった。そして光の精霊は言った。
「私の名前はリイ。これからよろしく!無理やりにでもついていく!」
「どうして……なんでですか?」
「はぁ……しょうがないな~。あなたは選ばれた。まだ力の制御は難しいと思うけど頑張って!」
私には何を言っているのかが分からなかった。選ばれたもの、それ自体がどういうことが分からない……
学校でもそんなことは習ってないはずなのに……
リイは言った。
「選ばれたもの……それはこの世界に数少ない者。【選者】」
「……【選者】って何ですか?」
「だから選ばれた者!もー本当にあの人の仲間だからかな……ま、まあ、この世界には確認される限りたった3人。私、精霊たちが自ら憑りつく。その憑りつかれた人のこと」
私は戸惑いを隠せず震えた声でリイに聞いた。
「え、えーっと私は3人のうちの、ひ、1人ってこと?」
「まあまあ落ち着いて……そうだよ?だから、あの男の人のところに行こ!」
そう言われて私は「どうやって?」と聞くと、「やって見せる」と言われた。すると魔法陣が地面に少しずつ描かれていく。少しずつ、少しずつ、巨大な魔法陣が描かれていく。そして、完全に魔法陣が地面に描かれた。その魔法陣は毎回見てきている魔法陣と少し違った。そこには私には見たことのない字」。するとリイは言った。
「あなたの能力を使って!……その、名前は、【気】。そう言って手を前に出して!」
動揺しながらもリイの言われた通りにした。
「気!!」
手を前に出すと地面にあった魔法陣が金色に光出して、そこから金色の光が渦になり、空の上に昇っていく。そしてワープホールが出てきた。金色に輝いたワープホール。何もかもが金色に輝いていた。あまりのきれいさに見惚れているとだんだんワープホールに吸い込まれ始めた。
「なんですか!これは!!!!!」
「大丈夫!!あの男の人の場所に行くだけだから!じゃあ頑張ろう!!」
だんだん吸い込む力は強くなり、体が浮くようになっていった。
「や、やめて!!!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
そして私はワープホールの中に入った。
アキ視点
「すごい声が聞こえたような気がするな……まあ早くヨクのところに行かないと……まだ少し時間がかかりそうだ」
俺は今、何が起こったのか分からないまま普通に走り続けていた。けれどミユだけは分かっていた。
「この気配……まさかリアですかね……」
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