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クトゥルフ短編集  作者: 異次元からの猫
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漫画喫茶

魔都「アキハバラ」には何があるかわかりませんよね。

 秋葉原。昭和通り口を降りて少し直進。高架にあわせて少し進んだ後、路地を左に入った所にその漫画喫茶はある。

 漫画喫茶『トニックライブラリ』

 英国にある図書館をモチーフにしていると言うその漫画喫茶は、壁一面に本が並べられている。漫画ではなく本だ。装丁も豪華で、金で縁どられていたり、革で出来ている物や石のような固い素材で出来ている物もある。背表紙を見る限り、同じ本が五・六冊並んでいることが解り、英語、ドイツ語、フランス語、日本語、中国語と、もう一冊は見たこともない言語で書かれている。

 店長の霧島果林さんによれば、英国図書館の雰囲気を出すために自分で修繕と翻訳を行ってそろえたらしい。もちろん、自由に読むこともできるが、ここは漫画喫茶だ。あの小難しい本を読む変わり者なんてほとんどいないだろう。


 壁一面の本棚には、小難しい本が並んでいる。

 では、漫画はどこにあるかと言うと、ブースにあるパソコンで指定すると自動配達してくれるのだ。何でも、倉庫とかで使っているシステムを導入しているらしい。これは非常に楽で、ブースに入ったら最後、時間まで一歩も外に出ない人もいるくらいだ。


 このシステムと店内の様子を気に入り、入り浸るようになると次なる発見がある。

 美人店長が自ら作る、絶品玉子料理の数々だ。何県産の卵かは言わないが、濃厚な卵の味がするオムライスは一度食べてしまうと病みつきになってしまう。何でも、取れたての卵を使うから美味しくなるらしい。


 かくいう私も、ふらっと入り美人店長に一目ぼれしてしまい、利用してみれば快適さに驚き、店長に勧められるままに頼んだオムライスに魅入られて、常連になってしまった一人だ。

 店長にはいつもアプローチするのだが、いつも軽くあしらわれてしまう。それにしても、店長はいつ休んでいるのだろうか。心配してしまう。


 最近では、刑事のような鋭い雰囲気を纏った人が新たに常連になったようだ。

 こいつは変わり者で、いつもオープンスペースで本棚に入っている小難しい本を読んでいて、たまに店長に質問をして親しげに話している所を見る。

 私もあの本をきっかけに店長にお近づきになれるだろうか…。

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