表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クトゥルフ短編集  作者: 異次元からの猫
20/42

お約束

お約束の展開って、またか!って感じもしますけど、鉄板ネタは面白いですよね。

 私の乗った大洗発苫小牧行のフェリーは、突然の嵐で目的地にたどり着くことはなかった。

 沖合いで何かにぶつかり沈み行く船からゴムボートで逃げ出した。しかし、海流に乗ったのか、すごい早さで外洋に流されてしまった。

 流されているとき、ドンッドンッとボートの下に何かが当たる音がずっと続いていた。こう言ったとき一クトゥルフファンとしては、あの忌まわしき魚たちが船の下にいるかと夢想してしまうが、現実には有り得ないことだろう。


 そのままあてもなく外洋を進んでいたように思う。途中であまりの暑さに意識が朦朧としてしまったので、はっきりとは言えないのだが。ただ、船底を叩く、ドンッドンッという音だけはやけに鮮明に覚えている。


 ふと目を醒ますとボートが停まっていることに気付いた。陸だ。そう考えてボートを降りると、そこには海底が浮上したかのような黒い泥の大地が広がっていた。自分のクトゥルフ脳が、これはヤバい。と反応しているが、現実には有り得ないと言う思いと、違うことを証明したい気持ちでボートを離れた。


 次第に乾いてくる泥の大地。遠い様にも近い様にも見える泥の丘。その先にある地の底まで続きそうな亀裂。…小説にある通りだ。


 そこまで来る頃には現実感を失い、誘われるように裂けをお降りていってしまう。

 そこには、勿論あの忌まわしき石板があり、それを見たショックで我を取り戻した。そして、正気と狂気の狭間でボートまで逃げ帰った。



 目を醒ますと病院のベッドの上だった。

 それから私は窓を見れない。窓にはカーテンをかけたままにしている。

 きっと窓の外には、私を迎えに来た奴等が居るのだ。一人になると窓を叩く音が聞こえるのだ。

 あの水掻きを持つシルエットがカーテン越しに映る…。

 …あぁ、窓に…窓に…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ