第一章 ある男の中学生時代-10
この物語は、
僕が「日本を変えたい」と思ったところから始まっています。
介護の現場で、うつと闘いながら、
何度も「もう無理だ」と思った日々。
でも、そこで諦めきれなかったのは、
僕と同じように苦しんでいる人が、
まだまだたくさんいると思ったから。
だからこそ、
僕はボランティアのつもりで筆を取っています。
広告も入れず、書籍化されるまでは、
すべて無料で公開します。
金銭的な見返りを求めているわけじゃない。
ただ、
この物語が、
誰かの心に小さな光を灯せたら。
「俺も、少しだけ頑張ってみよう」と思えるきっかけになれたら。
それが、
僕の「日本を変える」ための、
小さな一歩です。
無料で読める分、
どうか、
この言葉を、
心の奥で受け取ってほしい。
日比谷幸助
2026年1月某日
これでようやく部活に行ける。生徒会室の鍵を閉める直前になって、ある紙を渡された。鈴木さんは、
「これ上げる。後で読んでね」
そう言って、何か書かれたメモ書きをもらった。
「またね。」
そう言って鈴木先輩は颯爽と部活に行ってしまった。自分も一時的に、思考停止していたのだが、はっと気づき、急いで部活に行った。その日の部活は、なんとなく上の空だった。ずっと鈴木先輩の手紙が気になっていた。
部活が終了し、家に帰ってから、誰にも見られないよう、トイレの中でその手紙を読んでみた。手紙といってメモ書きだ。ただ一言、
(なんか好き)
そう書かれていた。
貴也は、今まで女の子と付き合ったことは無かった。自分には無縁のことだと思っていた。手紙を読んで、とても嬉しかったことを覚えている。なぜなら、ひそかに、鈴木先輩のことが「好き」であったから。しかし、どうしたらよいのか分からない貴也は、あろうことか、その「大切な」手紙をゴミ箱に捨ててしまった。自分にとって、「恋愛」は未知なるもの。自分のキャパオーバーだったのだろう。「無かった」ことにして、「卓球」に打ち込もうと思ったのかもしれない。今となっては、とても後悔している。切ない恋の思い出だった。もし、自分が、その時に戻れるのなら、やり直したいと思った。しかし、過去はもう戻ってはこない。当時の貴也は「恋」にあまりに奥手だった。それでも、貴也にとってはそれが「正しい」と思っていたのだった。




