初めての報酬
ギルドを出たソーマは、受付嬢に教えてもらった治療院へ向かった。
その途中、大通りに広がる市場を通りかかる。
昼間より人は減っていたものの、まだ多くの露店が店を開いていた。
野菜や果物、パン、肉、衣類。それに、用途のわからない瓶や見たことのない食材まで並んでいる。
ソーマは歩きながら、何となく値札へ目を向けた。
丸いパンが銅貨3枚。
リンゴに似た赤い果物が2個で銅貨2枚。
野菜が数本入った束で銅貨4枚。
屋台からいい匂いを漂わせている串焼きが銅貨5枚。
少し先の店では、簡素なシャツが銀貨2枚と銅貨数枚で売られていた。
「なるほど……」
ソーマは足を止め、頭の中でざっくり計算する。
日本と同じ物価ではない。
当然、食べ物によっても価値は違う。
それでもパンや果物、屋台の食事の値段を見る限り、銅貨1枚を日本円で100円前後と考えておけば、大きく感覚が狂うことはなさそうだった。
もちろん正式な換算ではない。
あくまで、自分が買い物をするときの目安だ。
そう考えると、今日受け取った銅貨52枚は5000円前後という感覚になる。
ソーマは革袋を見下ろした。
森まで往復して薬草を集め、ゴブリン3匹に殺されかけて、ようやく稼いだ金。
「……やっぱり、思ったより夢ないな」
異世界だからといって、冒険者になれば簡単に大金持ちになれるわけではないらしい。
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