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平日は単発バイト、週末は異世界冒険者 ~働いた経験が全部スキルになる苦学生の成り上がり~  作者: ばけつプリン


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26/65

CランクとDランクの実力

翌朝。


ソーマは目を覚ますと、しばらく銀鹿亭の天井を見つめていた。


固いベッドに薄い壁。窓の隙間から差し込む朝の光も、もうすっかり見慣れている。


ただ、本来なら今頃ここにはいないはずだった。


昨夜、いつもの路地へ向かった。


今回も3日目。前回までと同じなら、そこには日本へ帰るための扉が現れているはずだった。


だが、なかった。


どれだけ待っても。


壁に触れても。


扉は現れなかった。


「……今日、月曜だよな」


ベッドの上で呟く。


そこで、ふと何かが引っかかった。


月曜日。


10月12日。


数秒遅れて、頭の中で記憶が繋がる。


「……あ」


身体を起こした。


「スポーツの日じゃん」


祝日だ。


大学も休み。


昨夜は「月曜なのに帰れない」と焦っていたが、よく考えれば今日1日は日本へ戻れなくても授業には影響しない。


少なくとも、今この瞬間に大学を無断欠席しているわけではなかった。


「待てよ……」


そこで別の疑問が浮かぶ。


最初の週。


金曜の夜に異世界へ来て、日曜の夜に帰った。


次の週も同じ。


だからソーマはいつの間にか、


――3日目になれば扉が出る。


そう考えていた。


だが今回。


日曜の夜になっても、扉は出なかった。


そして日本では、その翌日が祝日。


「……日数じゃない?」


もしかすると。


扉が現れる条件は、異世界側で何日過ごしたかではない。


日本側の休日に関係している。


金曜の夜にこちらへ来て。


土曜。


日曜。


翌日が平日なら、日曜夜に帰還。


でも。


翌日も休みなら。


その分だけ異世界にいられる。


「そんな都合よくできてるのか……?」


もちろん、まだ仮説だ。


2回と今回だけで規則を決めるには早すぎる。


ただ。


これまでと今回で明確に違うのは、10月12日が祝日だということだった。


「じゃあ今日の夜には出る……?」


もしそうなら。


祝日だけではない。


連休。


冬休み。


春休み。


大学の休みが長ければ、その分こちらで過ごせる時間も増える可能性がある。


「……これ、かなり重要だな」


逆に。


明日、10月13日は火曜日。


大学は2限から4限まで授業がある。


今日の夜にも扉が出なければ、本格的にまずい。


少しだけ安心した直後に、新しい不安が生まれた。


「まあ……夜まで考えてもしょうがないか」


今日は今日で予定がある。


昨日、レオンから言われていた。


朝、訓練場に来い、と。


嫌な予感しかしないが。


ソーマはベッドから降りた。


◇


朝食を済ませ、ギルド裏の訓練場へ向かう。


レオンとリナは、すでにそこで待っていた。


「遅い」


リナが言った。


「集合時間ぴったりだろ」


「私はもっと早く来た」


「それはそっちの都合じゃん」


少し前にも似たような会話をした気がする。


レオンは木剣を2本持っていた。


そのうち1本を、ソーマへ投げる。


「ほら」


ソーマは慌てて受け取った。


「今日は短剣じゃないの?」


「今日は剣」


「俺、短剣買ったばっかなんだけど」


「だからこそだ」


レオンは自分の木剣を肩へ乗せる。


「お前、Eランクになるんだろ?」


「正式処理はもう終わってるはずだけど」


「ならなおさら」


レオンの表情が少し真面目になった。


「これからは、荷物持ちだけで連れて行くつもりはない」


ソーマは少しだけ眉を上げる。


「荷物持ちでも役に立ってるだろ」


「役には立ってる」


すぐに否定されたわけではない。


「でも、今後俺たちと一緒に行く依頼は少しずつ危なくなる。毎回、お前だけ後ろで荷物持ってろってわけにはいかない」


その言葉に、少しだけ嬉しくなる。


今後も一緒に依頼へ行く。


それが当然のように話されている。


「だから、まず剣を知れ」


「短剣じゃなくて?」


「短剣を使うにしても、剣を持った相手の動きを知らないと避けられないだろ」


なるほど。


自分が剣士になるためではなく。


剣士と戦うため。


あるいは、剣を使う仲間と連携するため。


レオンはソーマの握り方から直していった。


柄を握る位置。


手首の角度。


肩の力。


足の位置。


そして、間合い。


「腕だけで振るな」


「こう?」


「違う。腰も使う」


「こう?」


「今度は力みすぎ」


「注文多いな……」


「死にたくなきゃ覚えろ」


また正論を出してくる。


何度か素振りを繰り返す。


短剣より長い分、間合いは広い。


だが、同時に扱いにくい。


近づきすぎれば、長さが邪魔になる。


「剣って強そうだけど、短剣より絶対上ってわけじゃないんだな」


「そんな単純なら全員同じ武器使ってる」


レオンは木剣をソーマの胸元へ伸ばした。


「この距離なら、俺の剣は届く。でもお前の短剣は届かない」


そこから一気に距離を詰める。


木剣の先が使いにくくなるほど近い。


「逆にここまで入られれば、短剣の方が扱いやすい」


「結局、距離か」


「そういうこと」


レオンは何度か動きを見せた。


振り下ろし。


横薙ぎ。


突き。


それぞれの前に肩や腰がどう動くか。


相手が何をしようとしているのか、武器だけではなく身体全体を見る。


以前の模擬戦で教わったことが、少しずつ繋がっていく。


しばらくして。


レオンが突然木剣を持ち直した。


「じゃあ、せっかくだから見せとくか」


「何を?」


「Cランクになったから、前より少し安定してきた」


レオンが静かに息を吐く。


その瞬間。


ソーマは妙な感覚を覚えた。


木剣の周囲。


ほんのわずかに、空気が揺らいでいる。


光ではない。


炎でもない。


それでも。


何か薄いものが、木剣を包んでいる。


「何それ?」


「闘気」


「闘気?」


初めて聞く言葉だった。


レオンは木剣を見ながら説明する。


「剣士が強くなっていくと、身体の力を武器に乗せられるようになる」


「魔法とは違うの?」


「別物だな」


横からリナが口を挟む。


「魔術師は魔力を外へ出して現象にする。闘気は、自分の身体や武器を強化する感じに近いわ」


「なるほど」


レオンが少し驚いた顔をする。


「俺より説明うまいな」


「あなたが雑なのよ」


ソーマは木剣を見る。


「で、それ付けるとどうなる?」


レオンが笑った。


「見た方が早い」


訓練場の端。


固く束ねられた藁の標的へ向かう。


手にしているのは。


ただの木剣。


刃なんてない。


レオンが構える。


次の瞬間。


一閃。


乾いた音が響いた。


束ねられていた藁の上半分が。


ずるりと滑り落ちる。


ソーマは数秒黙った。


「……は?」


切れている。


木剣で。


「ずるくない?」


「何がだよ」


レオンが笑う。


「木なのに切れてるじゃん」


「闘気を薄く刃みたいに乗せてる」


「これで薄いの?」


「ああ」


レオンは木剣を眺めた。


「俺はまだ長時間維持できない。乗せる量も少ないし、集中もいる」


「これで?」


「もっと上の連中は、普通に剣の威力そのものを何段階も上げるぞ」


ソーマは切断された藁を見る。


これが入口。


そう考えると。


Cランクの先が急に遠く感じる。


「俺、今日の朝までゴブリン3匹で緊張してたんだけど」


「比べるなって」


レオンは笑った。


「お前はお前のやり方でいい」


そこで。


リナが杖を持ち上げた。


「じゃあ私も見せる?」


ソーマが振り返る。


「何を?」


「Dランクになって、前より使いやすくなった魔法」


レオンが少し嫌そうな顔をする。


「ここでやるの?」


「訓練場なんだからいいでしょ」


リナは少し離れた場所へ移動した。


普段の《ファイアボール》なら、短い詠唱ですぐに撃つ。


だが今回は違った。


目を閉じ。


杖を両手で持つ。


そして。


長い詠唱を始める。


聞き慣れない言葉が続く。


数秒。


さらに数秒。


「……長くない?」


ソーマが小声で聞く。


レオンも小声で返す。


「強い魔法ほど時間かかる」


杖の先へ赤い光が集まり始めた。


そして。


リナが杖を前へ向ける。


炎が地面へ落ちる。


次の瞬間。


巨大な炎の渦が巻き上がった。


「うわっ!」


人の背丈を超える炎の竜巻。


離れているソーマの場所まで、熱気が届く。


炎が回転しながら、しばらくその場を焼き続けた。


やがて消える。


地面には黒い焦げ跡が残った。


「……これ、普通に怖いんだけど」


「複数の敵とか、通路を塞ぐ時に使えるわ」


リナは少し呼吸を整えた。


「もう1個」


「まだあるの?」


再び詠唱。


今度はさらに長い。


杖の先へ炎が集まり。


少しずつ。


少しずつ。


巨大になる。


最終的には。


「……俺と同じくらいない?」


人の身体ほどある火球が、リナの前に浮かんでいた。


「それ撃つの?」


「撃つわよ」


「どこに!?」


リナは訓練場奥の土壁へ杖を向ける。


巨大な火球が飛んだ。


速度は普段の火球より遅い。


だが。


土壁へ直撃した瞬間。


轟音。


炎。


熱。


ソーマは反射的に腕で顔を覆った。


火が消えたあと。


土壁の表面が大きく抉れ、黒く焼けている。


「……」


何も言えない。


リナが振り返る。


少し息が上がっていた。


「こんな感じ」


「こんな感じ、で済ませる規模じゃないだろ」


初日にゴブリンへ撃った火球。


アイアンボアへ放った魔法。


それでも十分強いと思っていた。


だが。


今の魔法とは規模が違う。


「いつもこれ使えばいいじゃん」


「無理」


即答だった。


「詠唱が長いし、魔力もかなり使うもの」


レオンも頷く。


「戦闘中にあれだけ時間かけてたら普通は襲われる。俺みたいな前衛が時間作らないと使えない」


「なるほど……」


短い詠唱なら威力は低い。


長い詠唱なら強力。


だから。


前衛が必要になる。


ソーマはレオンとリナを見た。


Cランクの剣士。


Dランクの魔術師。


今まで。


強いとは思っていた。


だが。


実力の全部を見たことはなかった。


「……俺、結構すごい2人に守られてたんだな」


レオンが吹き出す。


「それ言うの2回目だぞ」


「前よりさらに思った」


リナも少し笑う。


レオンは木剣を肩へ乗せた。


「だからこそ」


「何?」


「お前にも、もう少しできること増やしてもらう」


「荷物持ちだけじゃダメ?」


「ダメじゃない」


レオンは首を横に振る。


「でも、これからは荷物持ち以外でも任務に連れていきたい」


その言葉に。


ソーマは少しだけ姿勢を正した。


「今後の依頼は危険度も上がる。俺とリナが絶対守れるとも限らない」


レオンが木剣を構える。


「だから、自分1人でも最低限生き残れるようになれ」


ソーマも木剣を持ち直した。


「闘気は?」


「まだ早い」


即答だった。


「ですよね」


「まず普通に剣振れるようになれ」


「先長いな……」


リナが笑う。


「でも、始めなきゃ何も変わらないでしょ」


その通りだ。


ソーマはもう一度木剣を構えた。


「じゃあ、もう1回」


レオンが笑う。


「そうこなくちゃ」


◇


訓練が終わった頃には、ソーマの腕はすっかり重くなっていた。


木剣を振るだけなら簡単だと思っていた。


実際には。


構え。


足運び。


距離。


腰の使い方。


相手を見る位置。


意識することが多すぎる。


ソーマは木剣を地面へ置き、その場へ座り込んだ。


「……疲れた」


レオンはまだ平然としている。


「これくらいで?」


「そっちはCランクだろ」


「関係ない」


「あるだろ」


少し離れたところでは、リナが水を飲んでいた。


先ほど見せてもらった巨大な火球のせいか、さすがに少しだけ疲れているように見える。


ソーマは2人を見比べた。


改めて。


差が大きい。


「……荷物持ち」


思わず声に出た。


レオンが振り返る。


「何?」


「いや。差ありすぎるなって」


「だから同じことしようとするなって」


レオンはソーマの隣へ座った。


「俺は前で敵を止める。リナは後ろから魔法。お前がそこに割って入って剣振る必要はない」


リナもこちらへ歩いてくる。


「役割が違うもの」


「でも、これからは荷物持ち以外でも連れていくんだろ?」


「そう」


レオンが頷く。


「だから、自分の役割をちゃんと覚えろ」


「例えば?」


「俺たち3人で動くなら、基本は今までと似てる」


レオンが地面へ簡単な線を描く。


前方に自分。


その後ろにリナ。


そして、その間か少し後ろにソーマ。


「俺が前で敵を止める。リナは後ろから魔法。お前は横と後ろを見る」


「《警戒》?」


「そう」


レオンが頷く。


「俺とリナが前に集中してる時、お前が別方向から来る敵に気づければかなり助かる」


これまでにも、似たことは何度かしていた。


ただ。


偶然や感覚ではなく。


明確な役割として言われると、少し違う。


「じゃあ横から敵が来たら?」


「まず声出せ」


レオンが即答した。


「どこから。何匹。わかる範囲でいい」


「そのあと?」


「俺が動けるなら俺が行く。無理ならリナが対応する」


リナが続ける。


「でも、私が詠唱中ならすぐ動けないこともある」


ソーマは、さっき見た巨大な魔法を思い出した。


「その時は俺?」


「そう」


レオンがソーマの腰にある短剣を指差す。


「倒さなくていい。避ける。牽制する。1秒でも2秒でも時間を作れ」


逃げるための1秒。


以前は自分のためだった。


今度は。


仲間のための1秒。


少し意味が変わっている。


「その間に俺が戻るか、リナが詠唱を終える」


「結構責任重くない?」


「Eランクだからな」


地味に効く言葉だった。


少し前まで。


Fランク。


新人。


守られる側。


今は。


Eランク。


簡単な討伐も受けられる。


いつまでも全部やってもらうわけにはいかない。


「あと、撤退する時」


レオンが続ける。


「逃げる時?」


「ああ。実はそこが一番危ない」


全員が好き勝手に走れば。


バラける。


追われる。


誰かが取り残される。


基本はリナを先に下げる。


ソーマはその後ろか横。


レオンが最後尾で敵を抑える。


「一番強い奴が最後なんだ」


「普通はな」


リナが言った。


レオンはソーマを見る。


「お前は《軽歩》があるから、状況次第じゃ伝令役もできる」


「伝令?」


「前後を動く。撤退を伝える。助けを呼ぶ。誰かのところまで走る」


戦闘スキルではない。


それでも。


《軽歩》なら速く動ける。


《警戒》なら危険に気づける。


《仕分け》なら素材や痕跡を分けられる。


《運搬》と《重量軽減》なら荷物を持てる。


それぞれが。


少しずつ役割として繋がっていく。


「なんか」


ソーマが呟く。


「何?」


「俺、戦士にはならなそうだな」


レオンが笑った。


「今さら?」


「いや、改めて」


リナも笑う。


「でもパーティに1人いると便利なタイプよ」


「便利枠?」


「かなり褒めてる」


「微妙だな……」


それでも。


悪くない。


前に立って。


剣で敵を切り倒す。


巨大な魔法を撃つ。


そんな派手な役割ではない。


でも。


誰かがやらなければならないことはある。


「じゃあ次の依頼も、その辺試せるやつにする?」


リナが聞いた。


ソーマが顔を上げる。


「今日?」


「まだ昼前よ」


訓練でかなり時間を使った感覚があった。


だが。


まだ日は高い。


レオンも立ち上がる。


「せっかくEに上がったんだ。依頼板見に行くか」


「また働くの?」


リナがニヤッとする。


ソーマは一瞬黙る。


昨日。


朝は昇級査定。


午後は引越し。


夜は飲み会。


今日。


朝から訓練。


「……俺、また働くの?」


「自分で聞くなよ」


レオンが吹き出した。


ソーマも苦笑しながら木剣を返す。


「まあ、扉も夜まで出ないだろうし」


その言葉を口にした瞬間。


昨夜の不安が少しだけ戻った。


今日。


10月12日。


祝日。


もし仮説が正しければ。


今夜には扉が出る。


それまで。


この世界にいるしかない。


「じゃあ行くか」


3人はギルドへ戻った。


◇


依頼板の前は、昼前ということもあって朝より人が少なかった。


以前なら。


自然とFランクの依頼しか見ていなかった。


今日は違う。


ソーマはEランクの欄の前へ立つ。


「……ここ見ていいんだよな」


「何のために昇級したのよ」


リナが言う。


少し不思議な感覚だった。


Fランク。


採取。


荷運び。


街中の仕事。


それが今は。


【街道巡回補助】


【小型魔物討伐】


【商人護衛】


【森奥部・薬草採取】


【家畜を襲う魔物の調査】


受けられる依頼の内容が、少しずつ冒険者らしくなっている。


「護衛もあるんだ」


「あるぞ」


レオンが答える。


「ただ今日は時間的に無理だな。半日以上かかる」


ソーマは頷く。


できれば夕方には街へ戻りたい。


夜。


扉を確認する必要がある。


「じゃあ近場」


「戦闘と連携を試したいなら討伐系?」


リナが言う。


ソーマは少し迷った。


今朝。


レオンから剣を教わった。


パーティでの立ち位置も。


連携も。


できれば忘れないうちに試したい。


ただ。


昨日はゴブリン3匹を1人で倒している。


今朝も訓練。


「……できれば死ななそうなやつ」


「急に慎重」


「昨日1人でゴブリン3匹やったんだぞ」


レオンが笑った。


「じゃあこれとか」


1枚の依頼書を剥がす。


ソーマが横から覗き込む。


【街道周辺・小型魔物調査】


推奨ランク:E


街道近辺で目撃されている小型魔物の種類と数を確認。


危険がある場合のみ討伐。


「調査?」


「戦闘になるかもしれないし、ならないかもしれない」


「また調査か」


「今のお前にはちょうどいいだろ」


レオンが依頼書を指で叩く。


「《警戒》が使える。戦闘になれば短剣と連携。何か回収するなら、いつもの運搬」


「全部入りだな」


「そういうこと」


リナも内容を確認する。


「場所も近いし、夕方には戻れるわね」


夕方。


ソーマは無意識に空へ目を向けた。


夜には。


あの路地へ行く。


今日こそ。


扉が出るかどうか。


確かめなければならない。


「じゃあ、これにしよう」


ソーマが言った。


「いいの?」


「うん」


レオンから依頼書を受け取る。


Eランク。


自分のランクとして初めて選ぶ依頼。


荷物持ちだけではない。


《警戒》。


短剣。


《軽歩》。


そして。


パーティとしての連携。


少しだけ。


冒険者として次の段階へ進んだ気がした。


3人は依頼書を持って、受付へ向かった。

最後までお付き合いいただき感謝します。


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